調剤薬局のホームページ制作完全ガイド|薬機法・薬局機能情報提供制度に対応した作り方【2026年版】

調剤薬局のホームページ制作完全ガイド|薬機法・薬局機能情報提供制度に対応した作り方【2026年版】
患者は来局前にスマートフォンで営業時間や場所を確かめ、かかりつけ薬局を選ぶときには「在宅に対応しているか」「相談しやすそうか」まで見ています。求職中の薬剤師も、応募する前に薬局の雰囲気や方針をオンラインで確認します。こうした事前確認の受け皿がないまま、来局者数や応募数の機会損失が静かに積み上がっている薬局は少なくありません。本記事は「調剤薬局のホームページ制作」を、薬機法と薬局機能情報提供制度に対応した形でどう作るかという視点で、必須コンテンツ・費用相場・依頼先選び・公開後の運用まで一気通貫で解説します。個人薬局でも薬局チェーンでも、新規に作る場合でも作り直す場合でも、自局に当てはめて判断できるように構成しました。
調剤薬局にホームページが必要な理由
調剤薬局にホームページが必要な理由は、患者の事前確認・薬剤師採用・公的情報の補完という三つの役割を一つの窓口で担えるからです。
まず患者向けの役割です。処方箋を持って薬局を選ぶとき、患者は「近いか」「営業しているか」「待ち時間や在宅対応はどうか」を来局前に確認します。地図サービスの基本情報だけでは、在宅対応や無菌調剤、オンライン服薬指導の可否といった「その薬局ならではの強み」までは伝わりません。自局のホームページがあれば、患者が知りたい情報を薬局側の言葉で整理して届けられます。かかりつけ薬局を選ぶ局面では、この「分かりやすさ」と「相談しやすそうな雰囲気」が選ばれる決め手になりやすく、ページの有無が来局のきっかけを左右します。
次に採用面です。薬剤師の採用は地域によって難度が高く、求職者は応募前に薬局の方針・教育体制・働き方を確認します。求人媒体の枠だけでは伝えきれない「どんな薬局か」を、自局のページで写真や言葉とともに示せると、応募の質と量が変わってきます。採用ページは作って終わりではなく、薬局の日常や研修の様子を更新し続けることで、求職者に「動いている薬局」という印象を与えられます。
三つ目が、公的情報を患者の実際の問いにつなぐ役割です。後述する薬局機能情報提供制度によって、薬局の機能情報は都道府県を通じて住民に公表されています。ただし制度で分かるのは、在宅対応あり/無菌調剤あり、といった「有無の一覧」までです。患者が本当に知りたいのはその先――在宅ならどのエリアまで来てくれるのか、初回の相談は誰にどう連絡すればよいのか、寝たきりの家族でも対応してもらえるのか、という具体です。自局のホームページは、この「有無の先にある実際の使い方」を患者の言葉で示せる、ほぼ唯一の場所になります。制度との詳しい役割分担は次章で切り分けます。
shitamiが中小企業のホームページ制作の相談を受ける中でも、薬局の場合は「集客のため」よりも「患者に正確な情報を届けたい」という動機が先に立つケースが目立ちます。採用面でも、求人媒体用の写真は撮ったものの、薬局の方針や在宅の取り組みを書く場所がなく、応募を迷う薬剤師の質問に毎回電話で答えていた、という相談が少なくありません。費用対効果を考えるときは、来局のきっかけと採用の応募という二つの入り口を、一つのページでまとめて改善できる点を起点に判断するとよいでしょう。
ホームページ、できてから決めませんか?
調剤薬局のホームページ制作とは(他業種HPとの違い)
調剤薬局のホームページ制作とは、患者への情報提供・薬剤師採用・地域連携の三機能を、薬機法と薬局制度の制約のもとで成立させる作業を指します。
一般的な店舗や企業のホームページは、商品やサービスの魅力を自由に訴求できます。しかし調剤薬局のページは、扱う対象が医薬品と調剤であるため、表現に法・制度の制約がかかります。汎用のテンプレートを当てはめて見栄えだけ整えても、書いてよい表現と避けるべき表現の線引きを誤れば、薬機法に抵触するリスクがあります。逆に、過度に慎重になって情報を削りすぎると、患者が知りたいことが何も載っていないページになってしまいます。この「攻めと守りのバランス」を取るのが、調剤薬局のホームページ制作の本質です。
他業種のホームページとの最大の違いは、二つの公的ルールが関わる点です。一つは医薬品の広告を規律する薬機法。もう一つは薬局の機能情報を公表する薬局機能情報提供制度です。前者は「何を書いてよいか」の制約、後者は「公的に何が公表されているか」という前提に関わります。飲食店や美容室のページ制作では出てこないこの二点が、薬局のページ設計を特殊にしています。
検索でたどり着く解説記事の多くは、地図サービスの最適化や予約機能の話に寄りがちで、この法・制度対応を深く扱っていません。だからこそ、テンプレートや地図最適化「だけ」では薬局のホームページとして不十分なのです。同じ医療系でも、病院・診療所のページ制作は医療広告ガイドラインが主役になります(詳しくはクリニックのホームページ制作で整理しています)。薬局は薬機法が主役で、対象ルールが異なる点を最初に押さえておくと、後の判断がぶれません。
次の章からは、まず「薬局機能情報提供制度とホームページはどう役割が違うのか」を切り分け、続いて薬機法で注意すべき表現、載せるべき必須コンテンツへと進みます。下の図のように、公的制度と自局ページの役割分担を頭に入れてから読むと理解が早まります。
薬局機能情報提供制度とホームページの役割の違い
薬局機能情報提供制度は公的に基礎情報を公表する仕組みで、ホームページは同じ情報を患者・求職者向けに分かりやすく補完する役割を担います。
薬局機能情報提供制度は、薬機法第8条の2にもとづき、薬局が自局の機能に関する情報を都道府県知事へ報告し、都道府県がその情報を住民に分かりやすい形で公表する制度です。報告の頻度や公表の方法は都道府県の運用に従うため、具体的な提出時期や様式は管轄の自治体の案内で確認してください(2026年時点・最新は公式で要確認)。重要なのは、ここで公表される情報が「公的な基礎情報」であり、住民が薬局を選ぶときの最低限の判断材料として位置づけられている点です。
ここでよくある疑問が「制度で公表されているなら、自局のホームページは要らないのでは?」というものです。結論から言えば、両者は守備範囲が違います。制度の公表ページは、多数の薬局を横並びで比較できるよう、項目を標準化した一覧として作られています。網羅性と公平性は高い一方で、患者が一目で「この薬局は自分に合いそうだ」と感じるような、写真・スタッフの言葉・更新の温度感までは伝えられません。自局のホームページは、この公的情報を起点にしつつ、患者と求職者向けに「探しやすさ」「分かりやすさ」「鮮度」を足す場所です。
具体的には、制度側で公表される在宅対応や無菌調剤、対応言語、認定の有無といった項目を、ホームページでは「どんな患者に・どう役立つか」という文脈つきで説明し直せます。たとえば在宅対応であれば、制度上は対応の有無が分かるだけですが、ホームページでは対応エリアや連携先、相談の流れまで補えます。これが「分かりやすく補完する」ということです。
注意したいのは、両者の情報が食い違わないようにすることです。制度に報告した内容とホームページの記載がずれていると、患者の混乱や不信につながります。営業時間や認定状況などは、どちらか一方を更新したらもう一方も見直す運用を習慣にしてください。役割の違いを整理すると次のとおりです。
薬局機能情報提供制度とホームページの役割の違い
| 項目 | 公的制度(薬局機能情報提供制度) | 自局ホームページ |
|---|---|---|
| 主な目的 | 住民への公平な情報公表 | 患者・求職者への分かりやすい案内 |
| 情報の性格 | 標準化された基礎情報 | 文脈つきの補足情報 |
| 表現の自由度 | 様式に従い限定的 | 薬機法の範囲で自由度あり |
| 更新の主体 | 都道府県への報告に基づく | 薬局が随時更新 |
| 写真・雰囲気 | 基本的に伝わりにくい | 写真・言葉で伝えられる |
| 採用情報 | 対象外 | 求人ページとして掲載可能 |
この役割分担を理解しておくと、ホームページに「何を独自に載せるべきか」が明確になります。制度で足りている網羅的な一覧を作り直すのではなく、患者と求職者の意思決定を後押しする情報を厚くするのが、ホームページの正しい使い方です。
薬機法・広告規制でホームページが注意すべきこと
薬機法・広告規制でホームページが注意すべき核心は、誇大広告と未承認医薬品の広告を避け、効果保証や優良誤認になる表現を使わないことです。
調剤薬局のホームページが関わる主なルールは、薬機法・景品表示法・個人情報保護の三つです。順に押さえます。
薬機法では、医薬品等の効能効果について、事実に反する、または誇大な表現が禁止されています(誇大広告の禁止=薬機法第66条)。たとえば「飲めば必ず治る」「副作用は一切ない」といった、効果や安全性を保証するような表現は避けるべきです。また、国内で承認されていない医薬品について、効能効果を示して広告することも禁止されています(未承認医薬品の広告禁止=薬機法第68条)。薬局のページで特定の医薬品名を挙げて効果を訴求することは、文脈によって不適切な広告とみなされうるため、原則として控えるのが安全です。線引きを具体に落とすと、避けるべきは「医薬品名+効果」の組み合わせ(NG例: 商品名を挙げて「これでよく眠れます」と書く)です。一方で、効果に踏み込まず「取り扱っている」という事実や「在庫の有無はお問い合わせください」にとどめる書き方なら、文脈次第で許容されることもあります。迷いやすいのはまさにこの境目なので、医薬品名に触れる必要があるなら、まず効果の説明を外せないかを検討し、それでも外せないなら薬剤師や所管に個別確認するという順序が安全です。
ビフォーアフター的に効果を強調する表現や、体験談を効能の証拠のように見せる表現も、誤認を招きやすい領域です。「この薬で何kg痩せた」「飲み始めて症状が消えた」といった断定は、たとえ事実であっても広告表現としてはリスクが高いと考えてください。薬局のホームページでは、医薬品そのものの効果を訴求するのではなく、「相談しやすさ」「在宅や無菌調剤などの対応力」「アクセスのしやすさ」といった、薬局の機能やサービスの説明に軸を置くのが基本方針です。
景品表示法の観点では、優良誤認(実際より著しく優れていると見せる)と有利誤認(取引条件を実際より有利に見せる)に注意します。「地域No.1」「最安」のような根拠の不明確な最上級表現は、裏づけがなければ避けてください。個人情報保護の観点では、問い合わせフォームや採用応募で個人情報を扱うため、プライバシーポリシーの整備が前提になります(プライバシーポリシーの作り方も参考にしてください)。
ここで混同しやすいのが、病院・診療所を対象とする「医療広告ガイドライン」との違いです。医療広告ガイドラインは医療機関の広告を規律するもので、対象は病院や診療所です。一方、薬局や医薬品を主に規律するのは薬機法です。薬局のページを作るとき、医療機関向けのルールをそのまま当てはめると、必要以上に萎縮したり、逆に薬局特有の論点を見落としたりします。守備範囲が異なる、と明確に区別しておきましょう。とはいえ薬局でも、健康や疾患に関する情報発信をする場面では、医療広告の考え方が参考になることもあります。個別の表現が適切かどうかは、薬剤師や薬事に詳しい担当、必要に応じて所管の窓口に確認するのが確実です。本記事の整理は一般的な考え方であり、最終的な可否判断は専門家・所管への確認を前提としてください。
調剤薬局ホームページの必須コンテンツ一覧
調剤薬局のホームページに最低限載せるべきは、薬局基本情報・対応機能・認定・採用情報・プライバシーポリシーの五領域です。
ここからは領域ごとに具体的な掲載項目を見ていきます。
第一に薬局基本情報です。薬局名、住所、地図、電話番号、営業時間(曜日別・祝日・臨時休業)、駐車場の有無、最寄りからのアクセスは、患者が来局判断に直結して使う情報です。営業時間は患者が最も頻繁に確認する項目なので、変更時にすぐ更新できる作りにしておくことが重要です。
第二に対応機能です。在宅対応の可否とエリア、無菌調剤の対応、バリアフリー(段差・車椅子対応)、対応言語、オンライン服薬指導の可否、電子処方箋への対応、電子版お薬手帳の利用可否などを載せます。これらは患者が「自分の状況に合うか」を判断する材料であり、制度で公表される項目とも重なります。ホームページでは、有無だけでなく「どんな患者にどう役立つか」を一言添えると親切です。
第三に認定・体制です。かかりつけ薬剤師の在籍、健康サポート薬局や地域連携薬局といった認定の有無は、薬局の役割を示す重要な情報です。認定は要件や更新があるため、表示する場合は現況と一致させ、失効後も古い表示が残らないよう注意します。
第四に採用情報です。薬剤師・医療事務などの募集状況、求める人物像、研修や働き方、応募の流れを載せます。採用は専用ページとして独立させると、求職者が情報にたどり着きやすくなります。
第五にプライバシーポリシーと問い合わせ導線です。問い合わせフォームや採用応募で個人情報を扱う以上、取り扱い方針の明示は前提になります。公開前の点検は公開前の品質チェックの観点も合わせて確認すると、抜けが減ります。
これらをすべて一度に完璧に揃える必要はありません。まずは基本情報と対応機能を確実に整え、認定・採用は薬局の状況に応じて段階的に厚くしていくのが現実的です。掲載項目の棚卸しは、後述の制作ステップでも改めて行います。
患者の利便性を高める機能・外部連携
患者の利便性を高める機能の核心は、オンライン服薬指導予約・処方箋事前送信・地図サービス連携を、薬局の規模に合わせて選ぶことです。
すべての機能を盛り込む必要はなく、判断は「日々の問い合わせ電話を減らせるか」を基準にすると整理しやすくなります。オンライン服薬指導の予約は、すでに電話予約で対応している薬局なら入れる価値がありますが、対応実績がゼロなら予約導線だけ作っても申し込みは入りにくいものです。処方箋の事前送信は、昼の時間帯に行列ができる門前薬局では待ち時間短縮の効果が出やすい一方、来局者の少ない薬局では受信確認の手間が増えるだけになりがちです。メッセージ連携は、返信できる人員が常時いるかが分かれ目で、既読のまま放置するくらいなら設置しないほうが信頼を損ねません。判断の順序としては、まず今ある問い合わせ電話の用件を一週間記録し、最も多い用件から機能化していく――という流れにすると、規模・患者層・体制で線引きできます。以下、代表的な機能を見ていきましょう。
オンライン服薬指導の予約機能は、対応している薬局であれば、患者が日時を選んで申し込める導線をページ上に用意すると利便性が上がります。処方箋の事前送信(撮影して送る、または専用の仕組みを使う)に対応すれば、待ち時間の短縮につながり、患者満足度の向上が見込めます。LINEなどのメッセージ連携を使えば、処方箋送信や問い合わせの窓口を、患者が普段使うアプリ側に置けます。ただし、こうした連携機能は運用負荷も伴うため、応答できる体制があるかをセットで考えてください。
集客の観点では、地図サービス(ビジネスプロフィール)の整備と、地域名で見つけてもらうための地域SEOが重要です。地図サービス上の営業時間・写真・口コミ対応を整えることは、ホームページと並んで来局のきっかけになります。ホームページと地図サービスの情報が一致しているかは、定期的に見直しましょう。
技術面では、アクセシビリティと表示速度を軽視しないでください。高齢の患者が多い薬局では、文字サイズや色のコントラスト、押しやすいボタンといった配慮が利用のしやすさを左右します。表示速度が遅いと、来局前の確認で離脱されてしまいます。スマートフォンで開いて2秒未満で主要情報が見える状態を一つの目安にすると、改善の判断がしやすくなります。地域SEOの基本はSEOの基本でも解説しています。
機能は多ければよいわけではありません。患者が本当に使う機能だけに絞り、運用できる範囲で実装するのが、結果的に満足度の高いページにつながります。
費用相場と依頼先の選び方
調剤薬局のホームページ制作費用は依頼先のタイプで大きく変わり、自作からテンプレート、制作会社、医療特化の制作会社まで段階的に上がります。
費用は要件・ページ数・機能・薬機法対応の手厚さによって変動するため、断定はできません。以下のレンジはあくまで一般的な目安です(2026年時点・最新は各社で要確認)。実際の見積もりは複数社から取り、内訳を比較してください。
依頼先タイプ別の費用と特徴
| 依頼先タイプ | 初期費用の目安 | 月額の目安 | 薬機法対応の手厚さ | 向く薬局 |
|---|---|---|---|---|
| 自作ツール | ほぼ無料〜数万円 | 数百〜数千円 | 自己責任 | 最小限で早く出したい個人薬局 |
| テンプレート型 | 数万〜十数万円 | 数千〜1万円台 | 限定的 | 費用を抑えたい小規模薬局 |
| 制作会社(汎用) | 数十万円〜 | 数千〜数万円 | 会社による | 採用や集客にも力を入れたい薬局 |
| 医療特化の制作会社 | 数十万〜百万円台 | 数千〜数万円 | 手厚い | 薬機法対応を任せたい薬局・チェーン |
費用だけで選ぶと、薬機法対応や公開後の更新でつまずきがちです。依頼先選びで見るべきは、第一に薬機法・薬局制度への理解、第二に公開後の更新のしやすさ、第三に採用や地域SEOまで相談できるかです。自作やテンプレートは費用を抑えられますが、表現の可否判断は自局で担う前提になります。医療特化の制作会社は費用が上がる代わりに、薬機法チェックや認定表示の扱いに慣れている点が安心材料です。
shitamiが制作相談を受ける中で多いのは、テンプレートを契約したあと、「在宅対応の実績紹介」や「健康相談会の案内」の文面で手が止まり、公開が数週間遅れるケースです。患者向けに良かれと書いた「生活習慣病の改善をサポート」「◯◯でお悩みの方へ」といった一文が、効果をうたう表現に近いのかどうか判断できず、薬剤師が原稿を抱えたまま動けなくなる――テンプレートは枠を埋める前提なので、この「埋めてよいか」の判断は肩代わりしてくれません。費用の安さは魅力ですが、表現の判断を誰が担うのかを最初に決めておかないと、結局時間というコストがかかります。逆に、薬局側で原稿の方針が固まっていれば、汎用の制作会社でも十分に対応できるケースもあります。
費用相場の全体像は費用相場、依頼先の見極め方は制作会社の選び方で詳しく整理しています。あわせて、ホームページ制作には補助金を活用できる場合があるため、対象になりそうなら補助金も確認しておくと、実質負担を下げられる可能性があります。
予算を決めるときは、初期費用だけでなく月額や更新費用まで含めた数年単位の総額で比較してください。安い初期費用でも、更新のたびに費用が発生する契約だと、運用で割高になることがあります。
調剤薬局ホームページ制作の進め方
調剤薬局のホームページ制作は、目的整理・棚卸し・依頼先選定・原稿と薬機法チェック・公開・運用の6段階で進めます。
各ステップを順に見ていきます。手戻りを減らす鍵は、原稿を作る前に目的と掲載項目を固めておくことです。
ステップ1 目的と対象(患者/採用/地域連携)を整理する
最初に「誰に何を届けるページか」を決めます。患者向けの情報提供が主軸か、採用に力を入れたいか、地域の医療機関との連携を示したいかで、ページの構成も優先順位も変わります。すべてを同じ重さで載せようとすると、焦点のぼやけたページになります。自局の課題に照らして、主目的を一つか二つに絞りましょう。
ステップ2 必須コンテンツを棚卸しする
前章の必須コンテンツ一覧をもとに、自局で載せられる情報を棚卸しします。営業時間・対応機能・認定・採用情報・写真素材を、現時点で揃うものと、これから用意するものに仕分けます。この段階で情報の抜けを洗い出しておくと、制作中の手戻りが減ります。認定の有無や対応機能は、制度に報告している内容と矛盾しないよう確認します。
ステップ3 依頼先を選定する
予算と要件に合う依頼先のタイプを、前章の比較表をもとに選びます。複数社から見積もりを取り、費用の内訳・薬機法対応・公開後の更新体制を比較してください。安さだけでなく、薬局特有の論点を理解しているかを見極めるのが重要です。
ステップ4 原稿作成と薬機法チェックを行う
原稿を作り、薬機法・景品表示法の観点で点検します。効果保証・未承認薬の訴求・根拠なき最上級表現が混ざっていないかを確認し、判断に迷う表現は薬剤師や薬事に詳しい担当、必要に応じて所管に確認します。この工程を省くと、公開後に修正が必要になったり、最悪の場合は問題のある表現を公開してしまったりします。制作会社に任せる場合も、最終的な可否は薬局側で確認する体制を作ってください。
ステップ5 公開する
掲載情報の最終確認、スマートフォン表示、問い合わせ導線、プライバシーポリシーの整備を済ませて公開します。公開直後は、地図サービスのリンクや営業時間が正しく表示されているかを実機で確認しましょう。公開前の点検観点は後述のチェックリストにまとめています。
ステップ6 MEO・更新運用を回す
公開はゴールではなくスタートです。地図サービスの整備、営業時間や認定の更新、採用情報の更新、お知らせの発信を継続します。具体的には、最低限、営業時間と臨時休業は変更が出たその日に、お知らせは月1回を目安に手を入れる運用にしておくと、来局トラブルと放置された印象の両方を防げます。半年以上も日付が止まったお知らせ欄は、無いほうがましなこともあります。誰がいつ更新するかという運用の役割分担を、公開前に決めておくと続きやすくなります。
このように、原稿と薬機法チェックを工程として明示的に組み込むのが、薬局のホームページ制作で失敗しないための要点です。
集客と採用にホームページを活かす
公開後のホームページは、地域SEOで患者を、求人ページで求職者を集める両輪として活かせます。
患者を増やす集客の軸は、地域名と薬局のサービスを掛け合わせた情報発信です。「地域名+調剤薬局」「地域名+在宅対応」のような、患者が実際に検索する言葉を意識して、ページのタイトルや見出し、本文に自然に盛り込みます。ただし、検索対策のためにキーワードを不自然に詰め込むのは逆効果です。患者が知りたいことに正直に答える内容が、結果として地域での見つけやすさにつながります。地図サービスとホームページの情報を一致させ、口コミに丁寧に対応することも、地域での信頼を積み上げます。
採用を強化するには、求人ページを独立させて作り込みます。募集職種・求める人物像・研修制度・働き方・先輩のコメント・応募の流れを具体的に載せると、求職者が自分の働く姿をイメージしやすくなります。求人媒体からの応募者も、応募前に薬局のページで確認する流れが一般的なので、媒体と自局ページをセットで運用すると効果的です。
サイト内の内部リンク設計も見落とせません。トップページから採用ページ、各サービスの説明ページへ自然に回遊できるようにし、患者向け・求職者向けのそれぞれの導線を整えます。問い合わせや応募といった「行動」につながるボタンを、各ページの分かりやすい位置に置きましょう。集客と採用は、別々の取り組みではなく、同じホームページの中で両立させられる二つの入り口です。
調剤薬局ホームページでよくある失敗
調剤薬局のホームページでよくある失敗は、薬機法に反する表現・情報の未更新・スマートフォン非対応・問い合わせ導線の欠如の四つです。
一つ目は薬機法に反する表現です。「必ず効く」「副作用なし」のような効果保証、特定の医薬品名を挙げた効果訴求、根拠のない「地域No.1」といった最上級表現は、知らずに使ってしまいがちな失敗です。原稿段階での薬機法チェックを工程に組み込めば、多くは防げます。
二つ目は情報の未更新です。営業時間や臨時休業、認定の状況、採用の募集状況が古いまま放置されると、患者の来局トラブルや求職者の不信につながります。特に認定は失効後も表示が残りやすいので注意が必要です。更新の担当と頻度を決めておきましょう。
三つ目はスマートフォン非対応です。患者は来局前にスマートフォンで確認することがほとんどです。パソコン表示しか考えていない作りだと、文字が小さく、地図や電話のボタンが押しにくく、肝心の情報にたどり着けません。スマートフォンでの見やすさを最優先に設計してください。
四つ目は問い合わせ導線の欠如です。情報は載っているのに、電話・問い合わせ・応募のボタンが分かりにくいページは、せっかくの関心を行動につなげられません。患者と求職者それぞれが「次に何をすればよいか」が一目で分かる導線を用意しましょう。これらの失敗は、いずれも公開前の点検で気づける項目です。
公開前チェックリスト
公開前チェックリストでは、掲載情報・薬機法表現・更新性・スマートフォン表示・問い合わせ導線・プライバシーポリシーを最終確認します。
公開直前に、次のチェックリストで抜け漏れを点検してください。
- 薬局基本情報(名称・住所・地図・電話・営業時間)が正確で、制度に報告した内容と一致している
- 在宅対応・無菌調剤・対応言語・電子処方箋などの対応機能が現況と合っている
- 認定(健康サポート薬局・地域連携薬局・かかりつけ薬剤師)の表示が最新で、失効した表示が残っていない
- 効果保証・未承認薬の訴求・根拠なき最上級表現といった薬機法上リスクのある表現がない
- スマートフォンで主要情報がすぐ見え、地図・電話・問い合わせのボタンが押しやすい
- 問い合わせ・採用応募の導線が分かりやすい位置にある
- プライバシーポリシーが整備され、フォームから到達できる
- 営業時間や臨時休業を、誰がいつ更新するかという運用の役割が決まっている
このチェックリストをすべて満たしてから公開すれば、公開後の慌てた修正を大きく減らせます。点検の観点をさらに広げたい場合は、公開前の品質チェックも合わせて確認してください。