·44分で読めます·Shitami編集部

サイト診断を無料で行う方法|ツール比較と結果の読み方

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サイト診断を無料で行う方法|ツール比較と結果の読み方

サイト診断は無料でも、表示速度・SEO・スマホ対応・アクセシビリティ・アクセス解析・セキュリティまで点検できます。つまり、費用をかける前に、いまのホームページのどこが集客や問い合わせの足を引っ張っているかを、Googleなどの公式ツールだけで自分で洗い出せるということです。

この記事は、「サイト診断を無料でやりたい」「ホームページ 診断 無料で問題点を見つけたい」と考えている中小企業の経営者・担当者に向けて書いています。ゴールは、無料でどこまで診断できるかを理解し、実際に手を動かして結果を読み解き、そのうえで「このまま自力で直すか」「プロに相談・見積もりを依頼するか」まで判断できるようになることです。

無料診断は魔法ではありません。ツールは問題を「見つける」ところまでは無料で十分にできますが、原因を特定して直し切るには、知識と工数、あるいは外部の手が要ります。だからこそ本記事では、まず無料でできる範囲を正直に示し、実名のツール比較・制作会社の無料診断サービス比較・スコアの読み方・改善の優先順位・発注判断までを一気通貫でまとめました。関心のある章から読み進めてかまいません。

なお、大規模サイトの脆弱性を専門的に診断したい方や、制作フロー全体の進め方を知りたい方には、本記事は最適ではありません。あくまで「無料で自己診断し、次の一手を決めたい中小企業」に向けた実務的な内容として読んでください。

本記事に登場する数値・仕様・各社サービスの内容は、2026年8月時点の各公式情報にもとづきます。仕様や提供条件は改定されることがあるため、実際に判断する前には各公式でご確認ください。以降、個別の出典には原則としてリンクのみを付しています。

どこから読むか

読者の状況によって、最初に読むべき場所は変わります。以下の早見表で、自分に一番近い状況を見つけ、そこから読み進めてください。上から順に読む必要はありません。

当てはまる状況次に読むセクション・アクション
そもそも無料でどこまで分かるのか知りたい「サイト診断(無料)とは?何が分かるのか」から読む
どの領域を点検すればいいか全体像がほしい「無料でチェックできる6つの領域」で6領域を押さえる
ツールの選び方を急いでいる「無料診断ツールを目的別に比較する」の比較表を見る
制作会社の無料診断を使うか迷っている「制作会社の無料サイト診断という選択肢」を読む
スコアの合否・数値の意味を知りたい「診断結果の読み方:スコアと指標の解釈」を見る
指摘が大量に出て何から直すか分からない「まず直すべき改善の優先順位」のフローに沿う
自力で足りるかプロに頼むか判断したい「自社に合う選び方:自力かプロか」を読む
とにかく手順どおり実行したい「サイト診断を進めるチェックリスト」を上から進める

大規模サイトの脆弱性を専門的に診断したい場合や、ホームページ制作の全工程を知りたい場合は本記事の範囲外です。その場合は専門の脆弱性診断や制作フローの解説を別途あたってください。

サイト診断(無料)とは?何が分かるのか

無料のサイト診断とは、公式の無料ツールで表示速度・SEO・使いやすさ・安全性を自分で点検し、集客や問い合わせを妨げている弱点を洗い出す作業です。有料サービスに頼らず、Googleなどが公開しているツールで自分の手で現状を把握できるのが特徴です。

ここで大事なのは、診断の目的を「スコアを上げること」だと勘違いしないことです。中小企業にとってホームページは、問い合わせ・予約・資料請求といった成果を生むための道具です。診断で出てくる数値や指摘は、突き詰めればすべて「訪問者が離脱せず、目的の行動にたどり着けているか」という一点につながります。表示が遅ければ訪問者は待たずに戻ってしまいますし、検索で見つけてもらえなければそもそも来訪が生まれません。スマホで崩れて読めなければ、せっかくの内容も伝わりません。無料診断は、こうした「取りこぼし」を可視化する入口です。

無料でここまでできる背景には、Googleが提供するツール群があります。たとえばPageSpeed Insightsは、実際のページを解析して速度や品質の問題点と改善提案を無料で返してくれます。制御された環境で毎回同じ条件を再現するラボデータと、実際の利用者の環境から集めたフィールドデータの両面からページを評価する仕組みで、URLを入れるだけで「何が遅いのか」「どこを直すべきか」の当たりがつきます(About PageSpeed Insights|Google for Developers)。専門知識がなくても、まずここから始められるのが無料診断の入り口として合理的です。

「無料で診断しても意味があるのか」という疑問には、Googleの公式情報が一定の答えを示しています。Googleは、Core Web Vitals(表示速度などの指標)を検索のランキングシステムで使用しており、モバイル対応やHTTPSは「ページエクスペリエンス」を評価するうえでの項目として整理しています。ただし同じ公式情報の中で、ランキングに使われる「単一の『ページエクスペリエンス』シグナルはありません」と明言され、良い結果が得られても検索上位が保証されるわけではないとも書かれています(ページ エクスペリエンスについて|Google 検索セントラル)。つまり「速度を直せば必ず順位が上がる」とは言えませんが、「遅くて使いにくいサイトは検索でも訪問者体験でも不利になりやすい」ことは根拠を持って言えます。無料診断は、その不利を先に見つけて手を打つための第一歩として使うのが正解です。

もう一つ、無料診断が有効な理由があります。それは「思い込みを外せる」ことです。多くの経営者・担当者は、自社サイトの弱点について「たぶんデザインが古いからだ」「文章が足りないからだ」といった仮説を持っています。しかし実際に診断してみると、原因はまったく別のところ——たとえば画像が重すぎてスマホで表示に数秒かかっていた、フォームの入力項目が多すぎて途中離脱が起きていた、そもそも検索エンジンに一部のページが登録すらされていなかった——というケースが少なくありません。無料診断は、この「思い込みと実態のズレ」を数値で突きつけてくれます。ここが感覚的なリニューアル論との決定的な違いで、限られた予算を「本当に効く改善」に集中させるための前提になります。

診断で得られる情報を、経営判断の言葉に翻訳しておきましょう。速度スコアは「訪問者を待たせて逃していないか」、Search Consoleのインデックス状況は「そもそも検索から見つけてもらえているか」、Clarityのヒートマップは「問い合わせボタンまでたどり着けているか」を表します。つまり、どの数値も最終的には「集客の入口が詰まっていないか」「問い合わせの出口が塞がっていないか」という2点に還元できます。この視点を持って診断結果を眺めると、専門用語の羅列だった数字が、自社の売上や問い合わせ件数と地続きの情報に見えてきます。

中小企業にとって無料診断が意思決定の入口になるのは、費用をかけずに「いまの自社サイトの現在地」が数値でわかるからです。現在地がわかれば、「この程度なら自分たちで直せそう」「これは専門家に見てもらったほうがよさそう」という判断が、感覚ではなく事実にもとづいてできるようになります。逆に、現在地を知らないまま制作会社に相談すると、提案の妥当性を判断できず、言われるままに費用をかけてしまいがちです。まず無料で自己診断しておくことは、その後の発注判断の質を高める意味でも合理的です。検索での見え方や基本的なSEOの考え方をあわせて押さえておきたい方は、SEO対策の基本をまとめた記事も参考になります。次章では、その診断で具体的に「どこを」チェックすべきか、6つの領域に分けて整理します。

無料でチェックできる6つの領域

無料診断で見るべきは、表示速度・SEO・スマホ対応・アクセシビリティ・アクセス解析・セキュリティの6領域です。どれか1つだけを見ても全体像はつかめません。速度だけ、あるいは検索順位だけを気にして、他の穴に気づかないケースが実務では非常に多いからです。まずは全体像を1枚で押さえてください。

無料サイト診断でチェックする6領域マップ:集客に効くのが①表示速度と②SEO、問い合わせに効くのが③スマホ対応と⑤アクセス解析、信頼に効くのが④アクセシビリティと⑥セキュリティ

この6領域は、それぞれ「集客・問い合わせ・信頼」のどこに効くかが違います。以下で1つずつ、何が分かるのか、どの無料ツールで見るのかを翻訳していきます。

表示速度とCore Web Vitals

表示速度は、訪問者が最初にサイトを開いた瞬間の体験を左右します。ここで見るのはCore Web Vitalsと呼ばれる指標群で、代表的なものにLCP(主要な内容が表示されるまでの時間)、INP(操作への反応の速さ)、CLS(表示のズレの少なさ)があります。表示が遅い、タップしても反応が鈍い、読もうとした瞬間にレイアウトがずれる——こうした体感の悪さは、そのまま離脱につながります。

速度の測定は、Googleの無料ツールで完結します。PageSpeed Insightsは、これらの指標を計測し、改善提案まで返してくれます(About PageSpeed Insights|Google for Developers)。より詳細に、パフォーマンス・アクセシビリティ・SEO・ベストプラクティスを一括で点検したい場合は、同じくGoogle系のLighthouseが使えます(Lighthouse の概要|Chrome for Developers)。どちらも無料で、URLを入れるだけで動きます。

速度の診断結果を見るときのコツは、「実験室の値」と「実際の利用者の値」を区別することです。PageSpeed Insightsは、Lighthouseによるラボ測定(毎回同じ条件で計測する実験値)と、実際の利用者の環境から集めたフィールドデータの両方を扱います。ラボ値は制御された環境なので問題のデバッグに役立つ一方、実際のボトルネックを捕らえきれないことがあり、フィールド値は本当の訪問者がどう感じているかを映すものの使える指標が限られる、と公式も整理しています(About PageSpeed Insights|Google for Developers)。両者がずれる場合、たとえば古いスマホや通信の遅い環境からのアクセスが多い、といった実態が背景にあることが多く、ここに改善のヒントが隠れています。中小企業でよくあるのは、パソコンで見ると速いのにスマホの実データが遅い、というパターンです。訪問の多くがスマホなら、まずスマホの数値を優先して見るべきです。

SEO・検索での見え方

どれだけ良いサイトでも、検索エンジンに正しく認識されていなければ訪問者は増えません。この領域では「Googleに正しくインデックス(登録)されているか」「どんな検索語で表示され、クリックされているか」「登録できていないページやエラーがないか」を点検します。

無料でこれを見る基本ツールが、Googleが提供するSearch Consoleです。無料で、検索結果でのクリック数・表示回数のデータや、ページのインデックス状況・エラーを確認できます。サイトが検索結果に表示される頻度、表示されたときの検索クエリ、そのクエリでクリックされる頻度を把握でき、インデックス登録の問題を修正して再登録をリクエストすることもできます(Search Console の概要|Search Console ヘルプ)。利用にはサイトの所有権確認が必要で、データが十分たまるまで時間がかかる点は押さえておきましょう。

Search Consoleでまず見るべきは、「表示回数はあるのにクリックされていない検索語」と「登録されていない重要ページ」の2つです。前者は、検索結果には出ているのにタイトルや説明文が魅力に欠けてクリックされていない可能性を示し、タイトルや説明文の改善対象を特定できます。後者は、そもそも検索の土俵に上がれていない状態で、これは順位以前の問題です。どちらも、無料で気づけて、比較的直しやすい改善につながります。あわせて、LighthouseのSEO監査は、検索エンジンがコンテンツを見つけ理解できるかの技術的チェックを自動で行います(Lighthouse の概要|Chrome for Developers)。SEOの下調べとして、どんな検索語で探されているかを知りたい場合は、ラッコキーワードのようなサジェスト取得ツールで関連語を無料で調べる方法もありますが、非ログイン利用には回数制限があるので、まずは表示回数の実データを持つSearch Consoleを優先するのが実務的です。

スマホ対応(モバイルフレンドリー)

多くの業種で、スマートフォン経由の訪問が大きな割合を占めます。スマホで文字が小さすぎる、横スクロールが発生する、ボタンが押しにくい、といった状態は、それだけで問い合わせの機会を失います。Googleもモバイル対応をページエクスペリエンスの評価項目の一つに挙げていますが、これが単独のランキングシグナルとして扱われるわけではありません(ページ エクスペリエンスについて|Google 検索セントラル)。

スマホ対応の確認は、PageSpeed InsightsやLighthouseでモバイル向けの結果を見ることでも把握できます。まずは自分のスマホで主要ページを実際に開き、読みづらさ・押しづらさがないかを人の目で確かめることも、立派な診断です。具体的には、トップページ・主要なサービス紹介ページ・問い合わせフォームの3か所を、拡大せずに指だけで一通り操作してみてください。文字を読むのに二本指でズームしないといけない、電話番号がタップで発信できない、フォームの送信ボタンが画面の外にはみ出している、といった小さな不便が、そのまま問い合わせの取りこぼしになります。ツールのスコアが良くても、こうした実地の使い勝手は人の目でしか気づけないことが多いものです。

アクセシビリティ(誰でも使えるか)

アクセシビリティとは、視覚などに制約のある人を含め、誰でも情報にたどり着けるかどうかです。文字色と背景のコントラストが弱い、画像に説明文がない、フォームがキーボードだけで操作できない、といった問題は、一部の利用者を確実に取りこぼします。近年は企業の姿勢を映す信頼の要素としても見られます。

無料で点検するにはWAVEが使えます。WCAG(Webコンテンツのアクセシビリティ指針)に関する多くのエラーを検出してくれます。ただし注意が必要で、公式自身が「WAVEは多くのアクセシビリティ/WCAGエラーを検出できるが、あわせて人による評価を支援する」と述べており、自動診断だけで全てを判定できるわけではありません(WAVE Web Accessibility Evaluation Tools|WebAIM)。つまりWAVEは「機械的に見つかる問題の洗い出し」までで、最終判断にはキーボード操作やコントラストの人手評価が欠かせません。この限界を知らずに「WAVEでエラーゼロ=完璧」と思い込まないことが、正しい使い方の分かれ目です。

アクセス解析・ユーザー行動

ここまでの領域が「サイトの状態」を見るものだとすれば、この領域は「訪問者の動き」を見るものです。どこから来て、どのページを見て、どこで離脱したのか——それがわからなければ、改善は当てずっぽうになります。

無料の基本はGA4(Google Analytics 4)です。サイトへの流入元、訪問者数、クリックや問い合わせ完了などのイベントを無料で計測できます。GA4では、ページの読み込み・リンクのクリック・購入完了といった具体的な操作を「イベント」として計測できます(イベントについて|アナリティクス ヘルプ)。あわせて、標準のレポートで訪問者がどこから来たかも把握できます。ただし計測はタグの設置が前提で、設置前の過去データを遡って取得することはできません。この「遡れない」という性質は見落とされがちですが、実務的にはとても重要です。リニューアルや改善の効果を後から検証したいなら、着手する前の状態をGA4で記録しておく必要があります。だからこそ、診断の最初の段階でGA4を設置しておくことを強くおすすめします。

数字だけでなく「なぜ離脱したか」を目で見たいなら、Microsoft Clarityが有効です。クリック位置やスクロール、離脱箇所を示すヒートマップとセッション録画を提供し、公式が「無期限で無料」「トラフィックに制限はありません」と明記しています(Microsoft Clarity|Free Heatmaps & Session Recordings)。GA4が「何人が、どこから来て、どこで離脱したか」という数字を教えてくれるのに対し、Clarityは「その人が画面上で実際にどう動いたか」を録画で見せてくれます。たとえばフォームの特定の入力欄で多くの人がためらって離脱している、長いページの途中でほぼ全員が読むのをやめている、といった生々しい行動が見えるため、問い合わせにつながらない原因の特定に役立ちます。2つは競合ではなく補完関係で、両方を無料で入れておくと診断の解像度が一段上がります。費用の心配なく導入できるので、まだ入れていないなら早めの設置を検討してください。

セキュリティ・技術品質

最後は、サイトの土台となる技術品質と安全性です。HTTPS(通信の暗号化)が有効か、HTMLの記述に大きな不備がないか、といった点です。HTTPSはGoogleがページエクスペリエンスの評価項目の一つに挙げているほか、訪問者に「安全なサイト」という信頼を与える基本でもあります(ページ エクスペリエンスについて|Google 検索セントラル)。

HTMLの構文の妥当性は、W3C Markup Validation Serviceで無料チェックできます。URLの入力・ファイルのアップロード・直接入力の3方式に対応しています(The W3C Markup Validation Service)。ただしこれは構文の妥当性を見るもので、検索順位や表示速度を直接測るものではない点は理解しておきましょう。構文エラーがあっても表示自体は問題なく見えることが多いため、「エラーが出た=すぐ直すべき致命傷」とは限りません。とはいえ、閉じタグの抜けや重複したIDのような不備は、ブラウザや検索エンジンが意図しない解釈をする原因になり得るので、大量にエラーが出るサイトは一度整理しておく価値があります。HTTPSについては、ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示され、URLが「https://」で始まっているかを見るだけでも一次確認になります。なお、本格的なセキュリティ脆弱性診断は専門領域であり、無料の自己診断で完結させるものではありません。ここでは「HTTPSになっているか」「明らかな技術的不備がないか」という基本の点検にとどめ、深い脆弱性診断は専門家に委ねるのが現実的です。

これで6領域の全体像がつかめました。次章では、各領域を「どのツールで」見るのか、実名の無料ツールを目的別に比較します。

無料診断ツールを目的別に比較する

速度はPageSpeed、SEOはSearch Console、行動はClarityなど、無料ツールは目的から逆算して使い分けます。1つのツールですべてをまかなおうとするのではなく、「知りたいこと」から選ぶのが効率的です。以下の表に、主要な無料ツールを目的別・無料範囲・限界つきで整理しました。まずは自分が最初に知りたい領域の行から見てください。

ツール名主な用途何が分かるか無料の範囲・制限限界・注意公式サイト
PageSpeed Insights表示速度・品質LCP/INP/CLS等の速度指標と改善提案無料で利用可。URL入力のみ実利用者データはトラフィックが少ないURLでは表示されない場合があるGoogle for Developers
Lighthouse総合的な品質スコアパフォーマンス・アクセシビリティ・SEO・ベストプラクティスを一括無料・オープンソース。ブラウザ等で実行自動監査は人手評価を完全には代替しないChrome for Developers
Google Search ConsoleSEO・検索での見え方検索クリック/表示回数、インデックス状況、エラー無料。所有権確認が必要データ蓄積に時間がかかる。順位は保証しないSearch Console ヘルプ
GA4アクセス解析流入元・訪問者数・イベント(問い合わせ完了等)無料。計測タグ設置が前提過去データは遡及取得できないアナリティクス ヘルプ
Microsoft Clarityユーザー行動可視化ヒートマップ・セッション録画・離脱箇所無期限で無料・トラフィック制限なしトラッキングコード設置が必要Microsoft Clarity
GTmetrix表示速度の継続診断Lighthouseベースのスコアと改善提案・Web Vitals無料プランあり無料プランは監視頻度・測定地点等に制限GTmetrix
WAVEアクセシビリティ点検WCAGに関する問題の検出無料全WCAG項目を網羅せず、人手評価が必須WebAIM WAVE
W3C Markup Validation ServiceHTML構文の妥当性マークアップの構文エラー無料構文チェックのみ。順位・速度は測らないW3C

この表で一番伝えたいのは、「無料でも十分に診断できるが、各ツールに固有の限界がある」という点です。ありがちな「このツールがあれば万能」という書き方は、実務では危険です。ここからは、それぞれの限界を具体的に補足します。

まず速度系。PageSpeed Insightsは無料で使えますが、実際の利用者データ(フィールドデータ)はアクセスが少ないページでは表示されないことがあります。その場合はラボデータ(Lighthouseによる測定値)を頼りに判断します。フィールドデータが取れないからといって「問題なし」ではない、という読み方が重要で、実データが薄いページこそラボ値で当たりをつけるのが現実的な意思決定です(About PageSpeed Insights|Google for Developers)。GTmetrixも同じくLighthouse指標とWeb Vitalsをまとめて表示する無料診断で、無料アカウントでも使えますが、監視の自動実行頻度や測定できる地域などに範囲差があります(GTmetrix、無料プランの範囲は変更され得るため最新は公式で要確認)。

SEO・解析系では、Search ConsoleとGA4が二本柱です。どちらも無料ですが、Search Consoleは利用にあたってサイトの所有権確認が必要で、データがたまるまで時間がかかります。GA4は計測タグを設置してからのデータしか取れず、設置前にさかのぼることはできません。つまり「今日から測る」ことはできても「先月どうだったか」は取り戻せません。だからこそ、思い立ったら早めに設置しておくことが将来の診断精度につながります——この一点だけでも、いま設置するかどうかが後の判断材料の量を左右します。行動可視化のClarityは無期限で無料・トラフィック制限なしと公式が明記しており、費用面の不安なく導入できます(Microsoft Clarity、無料の提供条件は変更され得るため最新は公式で要確認)。

品質・アクセシビリティ系については、WAVEもW3Cの構文チェッカーも、機械的に「エラーの有無」を教えてくれるツールだという前提で使います(WebAIM WAVEW3C Markup Validation Service)。エラーがゼロでも「訪問者体験や順位の良否」までは保証しない、と割り切っておくのが安全です。

なお、無料と有料の違いは「機能がまったく使えるか使えないか」ではなく、多くの場合「回数・出力の制限」です。SEOメディアのferretも、無料と有料の違いはツールによって異なるとしたうえで、「回数が制限されていたり、CSVで一括ダウンロードができなかったりする」といった制限があり、小規模サイトやこれからSEOを始める人はまず無料ツールから試すのがおすすめだと整理しています(SEOチェックツール目的別の紹介|ferret、無料と有料の線引きはツールごとに異なるため最新は各ツール公式で要確認)。この実態を知っておくと、「まず無料で試し、回数上限やCSV出力が足りなくなったら有料を検討する」という無理のない判断ができます。無料ツールの選び方をさらに広く知りたい方は、無料HP作成ツールの比較記事もあわせて参考にしてください。

ここまで自己診断ツールを見てきましたが、「ツールを回してもレポートの読み解きに自信がない」「範囲を絞って確認したい」という段階なら、無料プレビューで診断できる範囲を確認しておくのも一手です。Shitamiでも料金プランと無料プレビューの範囲を公開しているので、料金・無料プレビューの範囲を確認してみてください。

業種別サイト構成診断

業種・事業規模・目的を選ぶだけで、最適なサイト構成を無料で診断

無料で診断する

次章では、こうした自己診断ツールでは物足りない場合の選択肢として、制作会社が提供する無料サイト診断サービスを比較します。

制作会社の無料サイト診断という選択肢

制作会社の無料診断は、専門家が数値でサイトの集客力を診断しレポート化してくれる点が自己診断との違いです。自分でツールを回すのではなく、専門家が現状を整理して「どこに課題があり、何をすべきか」を提案してくれるため、読み解きの手間が省けます。一方で、多くは自社サービスへの誘導が前提であることも、中立に理解しておくべき点です。以下に、実名の無料診断サービス・情報メディアをタイプ別に整理しました(各社のサービス内容は変わり得るため、最新は各社公式で要確認)。

サービス/メディアタイプ強み限界・注意向いている読者
KBI(関西ビジネスインフォメーション)制作会社型GA4などの解析ツールでユーザー行動を可視化し、UI/UX診断とあわせて課題を明確化する形式制作・運用サービスの申し込みへの誘導が前提数値で現状を整理し提案まで受けたい人
バリューエージェント制作会社型中小企業のWeb集客に特化した無料診断・無料相談集客文脈での提案が中心集客改善を相談したい人
ferret比較メディア目的別に無料/有料ツールを網羅紹介診断→改善の実行支援まではしないどのツールを使うか調べたい人
EmmaToolsのオウンドメディア(EXIDEA)ツール提供元のメディア自社ツールEmmaToolsの提供元という立場から、SEOチェックツールを比較・紹介自社ツールへの導線が前提で、SEO領域に偏りやすいSEO領域のツールを比較検討中の人
めぐみやWeb集客コンサル会社のブログ無料診断ツールを幅広く網羅比較網羅的だが優先順位までは提示しない。自社サービスへの導線を含む選択肢を一覧したい人

この比較で意識してほしいのは、大きく2つのタイプがあるということです。1つは「制作会社型」で、KBIやバリューエージェントのように、専門家が自社サイトを診断してレポートや提案をくれるものです。もう1つは「情報メディア型」で、ferret・EmmaToolsのオウンドメディア・めぐみやのように、ツールや手法を記事で紹介してくれる情報源です。同じ情報メディア型でも立場は一様ではありません。ferretはWebマーケティングの比較メディアですが、EmmaToolsのオウンドメディアはAI搭載SEOライティングツール「EmmaTools」を提供するEXIDEAが、めぐみやはWeb集客のコンサル会社が運営しています。なおEmmaTools自体は有料プラン中心のツールで、申し込み前に試せる無料トライアルも用意されています(EmmaTools|EXIDEA)。つまり記事の中立性は運営元の事業と無関係ではない、という前提で読むのが安全です。無料と有料ツールの違いを実務目線で整理している点では、ferretの比較が参考になります(SEOチェックツール目的別の紹介|ferret)。

どちらが良い悪いではなく、目的で使い分けます。「自分で情報を集めて自力で進めたい」なら情報メディア型が向いています。ツールの選択肢や使い方を効率よく学べます。一方で「現状を専門家に整理してもらい、改善の提案まで欲しい」なら制作会社型が向いています。ただし制作会社型は、無料診断が制作・運用サービスの受注につながる導線として設計されていることが一般的です。これは悪いことではなく、専門家が時間をかけて診断する以上、その先に提案があるのは自然です。大切なのは、読者側が「今は情報収集の段階か、提案まで欲しい段階か」を自覚したうえで窓口を選ぶことです。特定の1社を無条件におすすめすることはしません。自社の状況に照らして選んでください。

制作会社型と情報メディア型を使い分けるときに、もう一段踏み込んで考えておきたいのが「自社の課題がすでに特定できているか」です。たとえば「スマホでの表示が明らかに崩れている」「フォームからの問い合わせが半年前より減っている」といったように、直したい課題がはっきりしているなら、情報メディアで最適なツールを探し、自力で当たりをつけられる可能性があります。逆に、「なんとなく問い合わせが少ない気がするが、どこが原因か見当もつかない」という漠然とした状態なら、専門家に全体を俯瞰してもらえる制作会社型の診断のほうが、遠回りせずに済みます。課題の解像度が低いうちは、無料ツールを一巡させて症状を洗い出し、それでも原因が絞り込めないときに制作会社型へ、という順序が費用対効果の面でも合理的です。

制作会社の無料診断を賢く使うコツを、いくつか挙げておきます。第一に、複数社の無料診断を受けて見比べることです。同じサイトでも、診断する会社によって指摘の切り口や優先順位の付け方が違います。速度を重視する会社もあれば、導線設計やコピーを重視する会社もあります。2〜3社の診断を並べると、共通して指摘される「本当の課題」と、各社の得意分野による「色」が見分けられます。第二に、診断結果をもらったら「なぜそれが問題なのか」「直すとどうなるのか」を必ず質問することです。数値の羅列だけで提案が薄い診断は、そのまま受注の入口として使われているだけの可能性があります。逆に、根拠と改善後のイメージまで丁寧に説明してくれる会社は、その後の制作・運用でも信頼しやすいでしょう。第三に、無料診断の段階では即決を避けることです。無料である以上、読者側に断る自由があります。診断内容と提案の質を、費用感とあわせて冷静に比較してから決めれば十分です。

なお、情報メディア型を使う場合の注意点も一つ。ferretのような比較記事は、多数のツールを網羅的に紹介してくれる一方、「あなたのサイトで、どれを、どの順で使うべきか」までは示してくれません(ferret)。EmmaToolsのオウンドメディアのようにSEOに強い比較もありますが、SEO中心だと速度や安全性といった他領域が手薄になりがちです。だからこそ本記事では、6領域を横断したうえで優先順位までつける構成にしています。情報メディアで選択肢を知り、本記事の優先順位で実行に移す、という組み合わせが効率的です。

Shitamiも、AI活用のホームページ制作・運用改善の一環として無料サイト診断を提供しています。数値だけでなく「では何から直すべきか」という改善提案まで欲しい場合の相談先として活用できます。提案まで欲しい段階の方は無料相談はこちらから気軽に問い合わせてください。次章では、こうした診断で出てくるスコアや指標を、どう読めばよいのかを解説します。

診断結果の読み方:スコアと指標の解釈

LCPは2.5秒以下、INPは200ミリ秒以下、CLSは0.1以下が良好の目安で、PageSpeedのスコアはおおむね90点以上が良好の水準です。ただし、これらは「2026年8月時点の目安」であり、指標や数値は将来改定される可能性があるため、最新は公式で確認してください。ここでは、非エンジニアの担当者が診断結果を「集客・問い合わせ・信頼」の言葉に翻訳して読めるように整理します。

まずCore Web Vitalsの良好しきい値です。web.devの公式情報によると、良いユーザー体験のためには、LCPは2.5秒以内、INPは200ミリ秒以下、CLSは0.1以下が目安とされ、これらは「ページ読み込みの75パーセンタイル」をモバイルとデスクトップに分けて測定して評価するとされています(Web Vitals|web.dev)。75パーセンタイルというのは、「大多数の訪問者にとって良好か」を見る考え方だと理解しておけば十分です。過去にFIDという指標がINPに置き換わった経緯もあり、指標そのものが改定されることがある点も頭の隅に置いておきましょう。だからこの数値は「今の合格ライン」であって、公開前や大きな改善の前には公式で再確認するのが安全です。

各指標を体感と成果に翻訳すると、次のようになります。以下の早見表を、診断結果を眺めるときの手元メモとして使ってください。

指標意味良好の目安読者ビジネスへの影響
LCP主要な内容が表示されるまでの時間2.5秒以下遅いと最初の表示を待てずに離脱される
INP操作への反応の速さ200ミリ秒以下反応が鈍いと「固まった」と感じさせ不信を招く
CLS表示のズレの少なさ0.1以下ズレると誤タップや読みにくさで信頼を損なう

次に、PageSpeed Insightsのスコアの読み方です。PageSpeedのパフォーマンススコアは、スコアが90以上なら良好、50〜89は改善が必要、50未満は不良とみなされる、という3段階で示されます(About PageSpeed Insights|Google for Developers)。ただし、この点数は「合格・不合格」を白黒つけるものというより、相対的な目安として捉えるのが実務的です。90点に届かなくても、致命的な離脱を招く問題がなければ実害は小さいこともありますし、逆に点数が高くても特定ページのフォームが使いにくければ問い合わせは増えません。点数に一喜一憂するより、「どの指摘が訪問者体験に直結するか」を見極めることが大切です。

ここで注意したいのが、因果の過度な断定です。「スコアを上げれば検索順位が上がる」と単純化する記事もありますが、Googleは検索ランキングに使われる「単一の『ページエクスペリエンス』シグナルはありません」と明言しており、Core Web Vitalsなどが良い結果でも上位表示が保証されるわけではないと述べています(ページ エクスペリエンスについて|Google 検索セントラル)。したがって、スコア改善は「訪問者体験を良くし、結果として集客・問い合わせの取りこぼしを減らす」ための施策と捉えるのが正確です。順位は他の多くの要素との総合で決まります。個別スコアの上積みより、明らかな弱点の底上げと本文の質を優先してください。

スコアを読むときに、担当者がつまずきやすいポイントを補足します。一つは、モバイルとデスクトップでスコアが大きく違うケースです。多くのツールはモバイルの評価を厳しめに出す傾向があり、パソコンで90点でもスマホで50点、ということは珍しくありません。訪問の多くがスマホなら、スマホのスコアを基準に判断してください。もう一つは、Search Consoleの「順位」を単純な合否として読まないことです。検索順位は検索語や地域、競合状況によって日々変動するもので、一つの数字で合否を決められる性質のものではありません。順位そのものより、「表示回数」と「クリック率」の推移を見て、改善の方向が合っているかを確認するほうが実務的です(Search Console の概要|Search Console ヘルプ)。

また、指標は「一つでも不良があれば全部やり直し」という減点法で見る必要はありません。たとえばLCPが良好でCLSだけ不良なら、直すべきは表示ズレの原因(サイズ指定のない画像や、後から挿入される広告枠など)に絞れます。診断結果は「どこに問題があるかを教えてくれる地図」なので、不良の出た指標にねらいを定めれば着手のハードルはぐっと下がります。合否の当たりがついたら、次に決めるべきは「どこから直すか」です。診断すると往々にして指摘が大量に出ますが、すべてを一度に直そうとすると手が止まります。次章で、限られたリソースの中での優先順位のつけ方を示します。

まず直すべき改善の優先順位

まずは表示速度とスマホ対応、次にSEOの基礎、そのあとにアクセス解析、続いてアクセシビリティ、最後に安全性、の順で進めるのが中小企業には現実的です。理由はシンプルで、影響が大きく、かつ多くの訪問者に共通して効く問題から手をつけるのが、限られた工数を最も生かせるからです。以下のステップに沿って進めてください。

下の図は、6つの領域を「影響度」と「着手しやすさ」の2軸で並べた優先順位マップです。番号つきの手順(ステップ1〜5)は本文の順に、全体像はこの図で確認してください。

改善の優先順位マップ:影響度と着手しやすさで見る6領域

ステップ1 表示速度とスマホ対応を最優先で直す

まず、PageSpeed InsightsやLighthouseの結果で、明らかに重い画像・遅い読み込みがないかを確認し、優先的に改善します。速度とスマホ対応は、Googleがページエクスペリエンスの評価項目として挙げているうえ(ページ エクスペリエンスについて|Google 検索セントラル)、すべての訪問者が最初に体験する部分だからです。特に画像の圧縮や不要なスクリプトの削減は、比較的着手しやすく効果が見えやすい改善です。スマホでの表示崩れや押しにくいボタンも、この段階で潰します。致命的に重い要素を一つ消すだけでも、体感は目に見えて変わります。

ステップ2 SEOの基礎(インデックスとエラー)を整える

次に、Search Consoleで「そもそも検索エンジンに正しく登録されているか」「エラーで表示されていないページがないか」を確認します(Search Console の概要|Search Console ヘルプ)。どれだけ内容が良くても、登録されていなければ検索からの訪問は生まれません。インデックスのエラーや、重複・除外されているページがないかを点検し、基礎的な穴をふさぎます。あわせて、表示回数はあるのにクリック率が低い検索語を見つけ、タイトルや見出しが「検索した人が求めている内容」に合っているかを見直すと、順位を上げずともクリックを増やせることがあります。SEOの基礎的な考え方はSEO対策の基本をまとめた記事も参考になります。

ステップ3 アクセス解析で離脱箇所を特定する

速度と検索の基礎が整ったら、GA4とMicrosoft Clarityで「訪問者が実際にどこで離脱しているか」を確認します。Clarityのヒートマップやセッション録画を見れば、フォームのどの項目で手が止まっているか、どのページで戻られているかが見えてきます(Microsoft Clarity)。データにもとづいて、離脱の多い箇所から改善することで、問い合わせの取りこぼしを効率よく減らせます。感覚ではなく実際の行動データで直す順を決められるので、改善の空振りが減ります。

ステップ4 アクセシビリティを点検する

ここまでで主要な集客・問い合わせの穴をふさいだら、WAVEでアクセシビリティを点検します(WebAIM WAVE)。コントラスト不足や画像の説明文の欠落など、機械的に見つかる問題を洗い出します。ただし前述のとおり、自動診断だけでは不十分で、最終的にはキーボード操作やコントラストの人の目での確認が必要です。この領域は、多くの訪問者に共通する速度・SEOの問題を直したあとに取り組むのが、リソース配分として現実的です。

ステップ5 技術品質・安全性を確認する

最後に、HTTPSが有効か、W3Cの構文チェックで大きな不備がないかを確認します(W3C Markup Validation Service)。ここは土台の点検であり、通常は上位のステップほど頻繁に手を入れる箇所ではありません。ただしHTTPSが未対応なら、訪問者の信頼に関わるため優先度を上げて対応すべきです。なお、本格的な脆弱性診断は専門領域であり、この自己点検は「基本の安全確認」までと割り切ってください。

この順番はあくまで「多くの中小企業にとって現実的な標準形」です。たとえば、すでに速度が良好でSEOの基礎も整っているなら、いきなりステップ3の離脱分析から始めてかまいません。大切なのは「全部を一度に」ではなく「影響の大きい順に一つずつ」進めることです。リニューアルとあわせてSEO改善を進めたい方は、リニューアル時のAI SEO診断チェックリストも手順の参考になります。ここまでできると、次に問われるのが「どこまで自力で、どこからプロに頼むか」です。次章でその線引きを整理します。

無料の自己診断とプロの有料診断の違い

無料の自己診断は問題の「発見」までが守備範囲で、「なぜそうなっているのか」「どう直すのが最も効果的か」の判断と実装、費用対効果の設計から先は、知識・工数・経験を要するプロの有料診断の領域です。以下の表で、観点ごとの違いを整理します。

観点無料の自己診断プロの有料診断
問題の発見ツールで幅広く可能より深く網羅的に可能
原因の特定自力での判断が必要専門家が優先度つきで特定
改善の実装自社の手で対応実装・改善まで代行・支援
継続モニタリング手動で都度実施継続的に監視・報告
レポート自分で読み解く数値データで整理・提案
費用無料規模・目的により幅があり要見積り

無料と有料の違いは、ツールそのものの機能差というより「回数・出力の制限」や「読み解き・実装まで含むかどうか」にあります。前章で触れたferretの整理も、差の中心は回数制限やCSV一括ダウンロードの可否にあるという見方でした。一方、制作会社型の有料・無料診断は、専門家が数値データで集客力を診断してレポート化し、優先順位までつけてくれる点に価値があります。

費用について、正直にお伝えします。プロのサイト診断やリニューアルの相場を「◯万円」と断定することは、この記事ではしません。診断・改善の費用は、サイトの規模、現状の課題の深さ、どこまでの実装を依頼するかによって大きく変わるため、一律の金額を示すこと自体が読者をミスリードするからです。実際の費用は、要件を伝えたうえでの見積もりでしか正確にはわかりません。相場感の考え方を先に押さえたい方はホームページ制作の費用相場の記事を参考にしつつ、料金・無料プレビューの範囲を確認したうえで、具体的な要件で見積もりを取るのが最も確実です。

プロ診断が持つもう一つの価値は、「優先順位と費用対効果を設計してくれる」ことです。無料の自己診断では、指摘が20項目出たときに「どれから、どこまで直せば、投じる時間や費用に見合うのか」を自分で判断しなければなりません。ここは経験がものを言う領域で、専門家は「この5つを直せば問い合わせの取りこぼしの大半が防げる」といった当たりをつけられます。限られた予算で最大の成果を狙うなら、この設計こそがプロに任せる意味だと言えます。逆に、時間に余裕があり、試行錯誤しながら学びたいのであれば、自力で一つずつ試すこと自体が社内の知見になります。

もう一つ、無料診断を過小評価しないことも同じくらい大切です。「どうせ無料だから大したことは分からないだろう」と考えて、いきなり有料診断や制作会社への相談に飛びつくのは、実はもったいない選択です。前述のとおり、症状の発見という点では無料ツールは驚くほど優秀で、Googleが公開しているツールだけでも、速度・SEO・行動の主要な問題はかなり見えます。無料でここまで現状が把握できるなら、まずそれを一巡してから「自分の手に負えるか」を判断したほうが、余計な費用をかけずに済みます。無料診断は「安かろう悪かろう」ではなく、プロが有料診断でも実際に使っている公式ツールそのものだ、という点は覚えておいてください。差が出るのは、ツールの性能ではなく「そこから何を読み取り、どう直すか」の部分です。

判断に迷ったときの実用的な目安を一つ挙げます。「診断結果を見て、上位3つの改善策と、それぞれの直し方が思い浮かぶか」を自問してみてください。思い浮かぶなら自力で進められる可能性が高く、まったく手がかりがないなら相談したほうが早い、というシンプルな線引きです。ここで強調しておきたいのは、「必ずプロに頼むべき」ではない、ということです。速度スコアの確認や明らかな問題の発見だけが目的なら、無料ツールで完結します。プロの出番は、「発見はできたが直し方がわからない」「集客改善を急いでいて実装まで一気に進めたい」「リニューアル自体を検討している」といった段階です。次章では、あなたの状況がどちらに当てはまるのかを、具体的な判断材料とともに整理します。

自社に合う選び方:自力かプロか

担当者の工数と改善の緊急度で決めます。人手と知識があれば自力、集客改善を急ぐならプロ相談が現実的です。ここでは、自分の状況に照らして「どう判断し、次に何をすべきか」を整理します。まずは判断の全体像をフローで押さえてください。

無料の自己診断とプロ相談を選ぶ判断フロー

このフローは、社内に手を動かせる人手があるか、診断結果を読み解いて直し方の当たりをつけられるか、改善をどれだけ急いでいるか、という3つの分岐で、自力対応かプロ相談かがおおよそ見えてくる、という考え方を図にしたものです。以下の表は、状況ごとの判断のヒントを、次の一手とあわせて整理したものです。自分に一番近い行を見つけてください。

自分の状況判断の目安次にやること
自分でツールを回せて工数もあるまず無料の6領域を自己診断で回す優先順位フローに沿って自力で着手する
診断はできたが原因・直し方が分からないプロの読み解き・改善設計を相談する原因の切り分けから依頼する
集客・問い合わせ改善を急いでいるプロ診断+改善実装まで一気に依頼する対応範囲と費用感を確認する
スコアの合否だけ確認したい無料ツールで十分に足りるCore Web Vitalsのしきい値で自己判定する

改めて、向いている人・向いていない人を明確にしておきます。自力で進めるのに向いているのは、社内にサイトを触れる人手があり、学ぶ意欲があって、改善を急いでいない場合です。無料の6領域診断を回し、優先順位フローに沿って一つずつ直していけば、費用をかけずに着実に前進できます。この記事の内容は、そうした自走できる読者にとって十分な地図になります。

一方、プロに相談したほうがよいのは、次のような場合です。診断結果を自分で読み解く自信がない、直し方の当たりがつかない、担当者の工数が足りない、集客や問い合わせの改善を短期間で進めたい、あるいはリニューアル自体を検討している——これらに当てはまるなら、無料相談で診断結果を専門家に見てもらうのが近道です。診断結果(PageSpeedのスコアやSearch Consoleのエラーなど)を手元に用意して相談すれば、話が具体的に進みます。急ぎで改善したい、あるいは実装まで一気に進めたい方は、無料相談はこちらから相談してください。

「いきなり相談するのは不安だが、費用感や対応範囲の目安は知りたい」という段階なら、まず料金・無料プレビューの範囲を確認しておくと、相談前に判断材料が揃います。リニューアル自体を検討しているなら、リニューアルの進め方の記事を読んでから相談すると、話がさらに具体的になります。なお、大規模サイトの脆弱性を専門的に診断したい、制作フロー全体の進め方を詳しく知りたい、といったニーズは本記事の範囲外です。その場合は、専門の診断や制作フローの解説を別途あたってください。次章の実行チェックリストで、まずは自分で手を動かしてみることをおすすめします。

サイト診断を進めるチェックリスト

無料診断は、速度・スマホ→SEO基礎→解析→アクセシビリティ→安全性の順に、このチェックリストで進めます。抽象的に「確認する」で終わらせず、どのツールで何を見て、どこまでできたら次へ進むかを具体化しました。上から順にチェックを入れながら進めてください。

  • PageSpeed Insightsで主要ページの表示速度を測る(LCP 2.5秒以下・INP 200ミリ秒以下・CLS 0.1以下が良好の目安。スコアは90以上が良好、50〜89は要改善、50未満は不良)
  • Lighthouseでパフォーマンス・アクセシビリティ・SEO・ベストプラクティスを一括点検する
  • スマホで主要ページ(トップ・サービス紹介・問い合わせフォーム)を実際に開き、崩れ・押しにくさがないか目視で確認する
  • Google Search Consoleでインデックス状況とエラーを確認する(所有権確認が必要。表示回数はあるがクリックされない検索語も探す)
  • GA4を設置し、流入元と問い合わせ完了などのイベントを計測する(設置前の過去データは遡れないので早めに)
  • Microsoft Clarityのヒートマップ・録画で離脱箇所を特定する(無期限で無料)
  • WAVEでアクセシビリティの問題を検出し、キーボード操作やコントラストは人の目でも確認する
  • W3Cの構文チェックとHTTPSの有無で技術品質・安全性を確認する
  • 診断結果をスクリーンショットやメモで記録し、良好/要改善を整理する
  • 影響の大きい順(速度・スマホ→SEO基礎→解析→アクセシビリティ→安全性)に優先順位をつける
  • 自力で直せる項目から着手し、改善後にもう一度診断して変化を確認する
  • 自力では難しい項目・急ぎたい項目が残ったら、診断結果を持って専門家に相談する

このリストを一巡すれば、いまのサイトの現在地と、次にやるべきことがかなり明確になります。回してみて「読み解きが難しい」「工数が足りない」と感じたら、無料相談はこちらから相談してください。

よくある質問(FAQ)

無料でどこまでサイト診断できますか?
ページの速さ、検索での見え方、スマホでの使い勝手、誰でも使えるか、訪問者の行動、通信の安全性という6つの切り口について、問題点の発見までは無料ツールで十分に可能です。PageSpeed InsightsやSearch Console、Microsoft Clarityなどの公式・無料ツールを使えば、どこに課題があるかを数値と指摘で洗い出せます。ただし原因の特定や改善の実装まで無料で完結するとは限らず、そこからは知識と工数が必要になります。
サイト診断は自分でできますか?どのツールから始めればいいですか?
はい、非エンジニアでも始められます。まずはURLを入れるだけで使えるPageSpeed Insightsで表示速度を測り、次にGoogle Search Consoleで検索での見え方とエラーを確認するのがおすすめです。この2つはいずれもGoogle公式・無料で、多くのサイトで最初に手をつけるべき領域をカバーします。訪問者の行動を見たいならMicrosoft Clarityを追加します(無期限で無料)。
診断スコアは何点なら合格ですか?
PageSpeed Insightsのパフォーマンススコアは、90以上が良好、50〜89が要改善、50未満が不良とされます。Core Web Vitalsでは、LCPが2.5秒以内、INPが200ミリ秒以内、CLSが0.1以内であれば良好とされます(75パーセンタイルで評価)。ここに挙げた区分は本記事の更新時点のもので、将来入れ替わることがあります。判断の前に必ず公式ページを開いて数値を突き合わせ、そのうえで点数を何点上げるかではなく、訪問者が離脱している箇所の指摘から順に潰してください。
表示速度やスマホ対応は本当に検索順位に影響しますか?
影響はしますが、直せば必ず順位が上がるという関係ではありません。Googleはページエクスペリエンスをひとまとめに表す単一のシグナルは存在しないと説明しており、速度やスマホ対応は多くの判断材料のうちの一つという位置づけです。そこで実務では、順位を動かすために直すのではなく、取りこぼしを減らすために直すと考えてください。着手の順番は、まずスマホでの表示崩れと押しにくいボタン、次にLCPを重くしている大きな画像、そのあとにINPとCLSです。ここまで手を入れても問い合わせが増えないなら、原因は速度側ではなく本文の内容や検索意図の側にあると切り分けられます。
プロにサイト診断を頼むべきタイミングと費用の目安は?
相談に切り替える合図は、症状は見えているのに直し方が出てこない、社内に手を動かせる時間が確保できない、改修の期限が決まっている、リニューアルそのものを検討中、のいずれかに当てはまったときです。費用はサイトの規模と依頼する実装範囲で大きく動くため、一律の金額は提示できません(要見積り)。問い合わせの前に、対象ページ数・直したい箇所・希望時期の3点をまとめ、Search Consoleのエラー一覧とPageSpeedのスコアを画面ごと控えておくと、初回のやり取りで金額の話まで進みます。
アクセシビリティは無料ツールだけで十分ですか?
WAVEなどの無料ツールで、コントラスト不足や画像の説明文の欠落といった機械的に検出できる問題は洗い出せます。ただし提供元のWebAIM自身が、WAVEは多くのエラーを検出できるものの人による評価を併用すべきだと述べているとおり、キーボードだけで操作を完了できるか、色の違いが読み取れるかの最終判断は人の目に委ねてください。

本記事の情報について: 本記事は更新日である2026年8月18日時点で、Google(PageSpeed Insights・Search Console・GA4・ページエクスペリエンス)、web.dev(Core Web Vitalsのしきい値)、Microsoft(Clarity)、WebAIM(WAVE)、W3C(Markup Validation Service)、およびferretの公開情報を確認・照合して作成しています。Core Web Vitalsの数値(LCP 2.5秒・INP 200ミリ秒・CLS 0.1)やPageSpeedのスコア区分(90以上/50〜89/50未満)は将来改定される可能性があり、プロ診断の費用は規模・目的により変わるため要見積りです。最新の仕様・数値・各社サービス内容は各ツールの公式窓口で確認してください。診断結果をもとにした相談・見積もりについては、無料相談はこちら、または料金・無料プレビューの範囲を確認からご確認いただけます。

診断結果の次の一手を、専門家と一緒に決めませんか

「この指摘をどう直せばいいか分からない」「短期間で集客・問い合わせを改善したい」「リニューアルを検討している」——そんな段階なら、PageSpeedのスコアやSearch Consoleのエラーなど診断結果を手元に用意してご相談ください。ShitamiはAI活用のホームページ制作・運用改善で、発見から改善実装までを支援します。費用感や対応範囲の目安を先に知りたい方は料金・無料プレビューの範囲もご確認いただけます。まだ軽微な段階で自分でツールを回せば足りそうなら、無理に相談する必要はありません。

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