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介護施設のホームページ制作|費用相場と依頼先の選び方【2026年版】

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介護施設のホームページ制作|費用相場と依頼先の選び方【2026年版】

「介護施設のホームページを作りたい、あるいは古くなったサイトを作り直したいが、どこにいくらで頼めばいいのか判断できない」——この記事は、そんな介護施設(特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護付き有料老人ホーム・グループホームなど)の運営者や広報・採用のご担当者に向けたものです。介護施設のホームページ制作は、一般的な会社サイトとは違い、入居を検討する家族への訴求職員採用への訴求という二つの目的を同時に担います。この二軸を意識せずに「とりあえず会社案内をきれいにする」だけでは、問い合わせも応募も増えません。

本記事では、なぜ今ホームページ制作が欠かせないのかという背景から、載せるべきコンテンツ、依頼先4タイプの比較、費用相場と内訳、失敗しない発注ステップ、発注前の注意点までを、公的な一次情報と実務の観点で整理します。最後に、状況別の読み分け早見表と発注前チェックリスト、よくある質問も用意しました。読み終えたときに「自施設はどのタイプにいくらで頼み、何から準備すればよいか」が判断できる状態を目指します。

より広く介護施設サイトの全体像(運営情報公表への対応や採用設計の詳細)を知りたい場合は、親ガイドの介護施設のホームページ制作完全ガイドもあわせて読むと理解が深まります。本記事は、その中でも「発注の判断」に絞って深掘りする位置づけです。

この記事が向いているのは、初めて介護施設のホームページを作る方、数年前に作ったサイトを見直したい方、そして「相談する前に、費用感と依頼先の当たりをつけておきたい」方です。逆に、すでに信頼できる制作会社が決まっていて具体的な仕様を詰める段階の方は、本記事の費用・注意点の章だけを確認いただければ十分でしょう。介護は制度も現場も特有の事情が多い分野です。一般的なホームページ論をそのまま当てはめると、家族の不安にも採用の課題にも刺さらないサイトになりがちなので、まずは「誰に何を伝えるサイトなのか」を自分たちの言葉で言えるようにするところから始めましょう。

なぜ今、介護施設にホームページ制作が欠かせないのか

介護施設のホームページは「作れば集まる看板」ではなく、家族が比較検討する一次情報であり、採用の入口でもある——だから設計の巧拙が成果を左右します。 ここでは、発注判断の前提となる三つの背景を、公的データを添えて確認します。

家族はスマホで施設を比較している

入居を検討するとき、本人よりも先に動くのは40〜60代の家族です。そして家族が最初にやることは、施設名や「地域名+介護施設」での検索です。総務省の令和7年版 情報通信白書によれば、2024年の個人のインターネット利用率は85.6%で、端末別では「スマートフォン(74.4%)がパソコン(46.8%)を27.6ポイント上回っている」とされています。さらに同白書は「13歳から69歳までの各階層で9割を超えている」と述べており、入居を主導する家族世代はほぼ全員がスマホで施設を調べる、と考えて差し支えありません(70歳以降は年齢とともに利用率が下がる傾向のため、閲覧の中心は本人ではなく家族という前提で設計します)。

この事実が意味するのは、パソコンの大きな画面で見栄えのよいサイトより、スマホの縦画面で読みやすく、電話やお問い合わせに1タップで届くサイトのほうが成果につながるということです。写真が縦画面で潰れない、電話番号をタップすればそのまま発信できる、地図が指で操作できる——こうした基本ができていないサイトは、せっかく検索で見つけてもらっても離脱されます。ホームページ制作を依頼する際は、まずスマホ表示を基準に判断してください。

家族が施設を探すときの動きを具体的に想像すると、必要な設計が見えてきます。多くの場合、家族はケアマネジャーや地域包括支援センターから複数の施設を紹介され、その名前をスマホで検索します。検索結果に公式サイトが出てこなかったり、出てきても情報が古かったりすると、その時点で候補から外れることも珍しくありません。また、家族は仕事や介護の合間に短い時間で調べるため、「知りたいことにすぐたどり着けるか」が印象を左右します。トップページから料金・空室・見学予約まで数タップで到達できるか、電話ボタンが常に画面内にあるか——こうした導線の良し悪しが、問い合わせの数を静かに決めています。だからこそ、制作会社に依頼する前に「スマホでどう見えるか」「どこから問い合わせに至るか」を、自分たちで一度シミュレーションしておくことをおすすめします。

情報公表制度で「比較される前提」が整っている

介護サービスには、国が運営する情報公開の仕組みがあります。厚生労働省の介護サービスの情報公表制度は、「介護保険法に基づき平成18年4月からスタートした制度で、利用者が介護サービスや事業所・施設を比較・検討して適切に選ぶための情報を都道府県が提供する仕組みです」と説明されています。根拠となるのは介護保険法第115条の35〜44で、事業所は運営に関する情報を報告し、都道府県を通じて公表される立場にあります。

つまり介護施設は、制度上すでに「第三者が横並びで比較できる情報」がネット上に存在している業種です。検討者は公表制度の情報と各施設の公式サイトを見比べます。ここで公式サイトの内容が古かったり、公表情報と食い違っていたりすると、それだけで不信につながります。逆に、公式サイトで施設の雰囲気・料金・一日の流れ・医療連携などを具体的に見せられれば、比較のなかで選ばれる確率が上がります。ホームページ制作は「制度で公表される情報を、家族が納得できる言葉と写真で補完する場」だと捉えると、載せるべき内容が明確になります(具体的な運営情報の扱いは親ガイドの介護施設のホームページ制作完全ガイドで詳述しています)。

採用難のなかで求人動線としての価値が高い

介護施設のホームページは、集客だけでなく採用の入口としても重要です。公益財団法人 介護労働安定センターの令和6年度 介護労働実態調査では、従業員の不足感について「69.1%が『大いに不足』『不足』『やや不足』と回答」しており、同調査で介護職員の離職率は12.8%、採用率は14.4%と報告されています(数値は同センター発表を引用した公表資料に基づきます。最新値は公式サイトでご確認ください)。人材確保が恒常的な経営課題であるなか、求職者が施設名で検索したときに、給与・勤務体制・研修・職員の声・職場の雰囲気が伝わるページがあるかどうかは、応募数と採用単価に直結します。

求人媒体に毎月広告費を払い続けるより、自社サイトの採用ページを整えて「気になった人がまず見に来る場所」を持つほうが、長期的なコストは下がります。とくに未経験者や再就職層は「働くイメージが持てるか」で応募を決めるため、写真とインタビューで日常の仕事を具体的に見せることが効きます。ホームページ制作を検討する段階で、入居検討者向けだけでなく採用向けのコンテンツも見積もりに含めておくと、後から追加するより割安に整えられます。

採用の観点で見落とされがちなのが、求人媒体や人材紹介の掲載から自社サイトへ来る「二次確認」の存在です。求職者は求人票を見て興味を持つと、そのあと必ずと言っていいほど施設名で検索し、公式サイトで職場の雰囲気を確かめます。このとき採用ページが薄いと、せっかく媒体で興味を持ってもらっても応募に至りません。反対に、職員インタビューや一日の流れ、研修体制がしっかり見えれば、媒体経由の応募率そのものが上がります。つまり採用ページは、求人広告費の費用対効果を底上げする「受け皿」でもあるのです。人材紹介手数料や求人広告費の高さに悩んでいる施設ほど、自社サイトの採用ページに投資する価値は大きくなります。

介護施設ホームページの二軸コンテンツ設計図。入居検討者(家族)向けと採用(求職者)向けのページ構成、そして両方を支える運営情報とスマホ設計を示した図解。

新規制作かリニューアルか、判断の目安

すでにサイトがある施設は、全面リニューアルか部分改修かを、目的と現状の課題から判断します。 「古いから作り直す」ではなく、「何が成果を妨げているか」で決めると、無駄な費用を避けられます。

全面リニューアルを検討したほうがよいのは、スマホで表示が崩れる、電話や問い合わせの導線がない、情報が数年単位で古い、採用ページがそもそも無い、といった構造的な問題があるケースです。この場合は小手先の修正より、二軸で設計し直したほうが結果的に安くつきます。一方、写真や文言が古いだけ、料金表示が実態とずれているだけ、といった局所的な問題なら、部分改修や運用での更新で十分なこともあります。

判断に迷うときは、まず現状サイトを自分たちでスマホで見て、家族や求職者の目線で「知りたいことにたどり着けるか」「連絡したくなるか」をチェックしてみてください。ここで詰まる箇所こそ改善対象です。近年はAIを活用して要件整理や下書きを効率化する方法もあり、AIを使ったホームページ制作の流れや、見積もりの比較を助けるホームページ制作見積もりをAI診断で比較する方法も、検討の入口として役立ちます。ただしAIはあくまで補助であり、施設の実態を伝える写真や現場の言葉が要になる点は変わりません。

介護施設のホームページに載せるべきコンテンツ(入居×採用の二軸)

介護施設のホームページは、入居検討者(家族)向けと採用(求職者)向けの二軸で設計し、運営情報とスマホ最適化で土台を固めるのが基本形です。 上の図のように、目的の異なる二つの読者を混在させず、それぞれの意思決定に必要な情報を用意します。

入居検討者(家族)向けに必要なページ

家族が知りたいのは「ここは安心して任せられるか」「いくらかかるか」「今入れるか」の三つに集約されます。介護は多くの家族にとって初めての経験で、専門用語も分からないまま、不安を抱えて情報を探しています。だからこそ、専門的に正しいことより、家族の目線で分かりやすく、具体的に伝えることが信頼につながります。最低限そろえたいのは次の内容です。

  • 施設種別とサービスの特徴:特養・老健・介護付き有料・グループホームの違いは家族には分かりにくいため、自施設がどの類型で、何ができて何ができないかを平易に説明します。
  • 料金・入居条件・空室状況:費用の内訳(入居一時金や月額の内訳)と入居対象を明示し、問い合わせへの導線を近くに置きます。空室状況を更新できる仕組みがあると強い差別化になります。
  • 居室・食事・一日の流れの写真:暮らしの雰囲気は文章より写真が雄弁です。実際の居室、食事の一例、レクリエーション、季節の行事などを具体的に見せます。
  • 見学予約・電話・アクセス:スマホから1タップで電話・予約フォームに届く導線と、指で操作できる地図を用意します。
  • スタッフ紹介・安心の取り組み:医療連携、感染症対策、看取りの方針など、家族が不安に感じるポイントに先回りして答えます。

採用(求職者)向けに必要なページ

採用ページは会社案内の付け足しではなく、独立した「入口」として設計します。求職者が見たいのは待遇と働くイメージの二つです。給与や勤務体制といった条件面はもちろん、「この職場で自分がやっていけそうか」という感覚を、写真と職員の言葉で伝えられるかどうかが応募を左右します。とくに介護は、人間関係や職場の雰囲気が定着に直結する仕事です。数字の待遇だけでなく、チームで支え合う様子や、失敗しても学べる環境であることが伝わると、未経験者の応募のハードルが下がります。最低限そろえたいのは次の内容です。

  • 募集職種・給与・勤務体制:夜勤の回数やシフトの組み方、賞与や手当など、応募前に一番知りたい条件を具体的に。
  • 職員インタビュー・一日の仕事:実際に働く人の言葉と写真で、職場の雰囲気と仕事の流れを伝えます。
  • 教育・研修・資格支援:未経験者の定着を後押しする体制は、応募のハードルを下げます。
  • エントリー・見学の応募導線:スマホで完結する応募フォームと、気軽な職場見学の受け皿を用意します。
  • 働きやすさの実績:勤続年数や離職率の改善など、根拠のある数字は信頼を生みます(社内で確認できる範囲で正直に)。

両方を支える運営情報とスマホ設計

二軸のコンテンツを支える土台が、運営情報の整合とスマホ最適化、そしてアクセシビリティです。前述のとおり介護施設は情報公表制度の対象であり、公式サイトの記載が公表情報と食い違わないよう、料金や定員などの基本情報は更新ルールを決めておきます。加えて、家族世代・シニア層が読むことを踏まえ、文字サイズを大きめに、配色のコントラストを十分に取り、電話導線を常に画面内に置く設計が有効です。こうした「作った後に効いてくる」要素は、依頼先を選ぶ段階で要件として伝えておくと、後戻りが減ります。

もう一つ、二軸のコンテンツを混在させないための情報設計も大切です。トップページから「入居をお考えの方へ」「採用情報」といった入口を明確に分け、それぞれの読者が迷わず自分向けのページに進めるようにします。入居検討者のページに求人情報が混ざっていたり、採用ページに料金の話が出てきたりすると、どちらの読者にとっても分かりにくくなります。ナビゲーション(メニュー)の設計段階で、二つの読者の動線を紙に描いて確認しておくと、公開後に「探しているものが見つからない」という離脱を防げます。この動線設計は、デザインの前に決めておくべき土台であり、制作会社との最初の打ち合わせで共有したい要件です。介護以外の業種でも二軸設計の考え方は共通で、たとえば訪問介護のホームページ制作ガイドデイサービスのホームページ制作ガイドでも、集客と採用・掲載義務への対応を軸に整理しています。自施設の形態に近い記事を選んで読み分けると効率的です。

施設種別で変わる訴求ポイント

同じ「介護施設のホームページ制作」でも、特養・老健・介護付き有料老人ホーム・グループホームでは、家族が知りたいことと訴求の力点が変わります。 自施設の種別に合わせて内容を作り分けると、比較のなかで選ばれやすくなります。

特別養護老人ホーム(特養)は、費用が比較的抑えられる公的施設として人気が高い一方、申込から入居までの待機や、要介護度などの入居条件が家族の関心事です。ホームページでは、入居対象・申込の流れ・待機の考え方をていねいに説明し、「まず何をすればよいか」を示すと親切です。看取りへの対応方針も、家族が安心材料として重視します。

介護老人保健施設(老健)は、在宅復帰を目指すリハビリ拠点という性格が家族に伝わりにくいことが多いため、リハビリ体制・在宅復帰支援・医療との連携を前面に出すと差別化できます。入所期間の目安や、退所後の生活イメージまで示せると、他施設との違いが明確になります。

介護付き有料老人ホームは、費用が民間ならではの幅を持つため、入居一時金と月額費用の内訳を透明に見せることが信頼につながります。居室のグレードや食事・レクリエーション・イベントといった「暮らしの質」を写真で具体的に伝え、費用に見合う価値を感じてもらう設計が有効です。

グループホームは、認知症の方が少人数で暮らす家庭的な環境が特徴です。ここでは規模の大きさより「馴染みの関係のなかで穏やかに暮らせる」という点を、日常の写真やスタッフの関わり方で伝えます。認知症ケアの考え方を分かりやすく言葉にできると、家族の不安に寄り添えます。

施設種別は、載せる情報だけでなく費用感にも影響します。たとえば介護付き有料老人ホームのように料金プランや居室グレードが多彩な施設は、料金ページや写真ページの作り込みが増えるため、標準〜本格レンジ(50万〜300万円)に寄りやすくなります。一方、グループホームや単独の小規模施設は、伝えるべき情報が絞られる分、名刺代わり〜標準レンジで十分なことも多いです。つまり「自施設の種別では、家族が何を一番知りたいか」を先に定めると、必要なページ数と費用の見当が同時につきます。見積もりを取る前に、種別ごとの訴求ポイントを1枚のメモに整理しておくと、制作会社との会話がかみ合いやすくなります。

デイサービスや訪問系を併設している場合は、それぞれの入口を分けつつ、法人としての一貫した安心感を示すのが理想です。事業形態ごとの設計は、デイサービスのホームページ制作ガイド訪問看護ステーションのホームページ制作ガイドでも解説しているので、併設サービスがある施設は読み分けて参考にしてください。複数事業を一つの法人サイトにまとめるか、事業ごとに分けるかは、更新体制と検索での見つかりやすさの両面で判断が分かれるところなので、この点も制作会社に相談しておくとよいでしょう。

依頼先の選び方|4タイプを比較する

介護施設のホームページ制作の依頼先は、大きく「自作(ノーコード)」「フリーランス」「中小の制作会社」「介護特化の制作会社」の4タイプに分かれ、費用・自由度・運用のしやすさ・介護要件への理解が異なります。 それぞれの特徴と、向いているケース・向いていないケースを具体的に見ていきます。

自作(ノーコード)/フリーランス/中小制作会社/介護特化制作会社

まず全体像を比較表で示します。金額はいずれも2026年8月時点の一般的な目安で、実額は仕様と地域で変わるため、必ず見積もりでご確認ください(依頼先別の費用の考え方はホームページ制作の費用相場2026で内訳まで解説しています)。

依頼先タイプ初期費用の目安強み限界・注意向いている施設
自作(ノーコード)0〜10万円+月額0.1〜0.5万円低コストですぐ始められる。更新が自分でできるデザイン・SEO・二軸設計に限界。写真や原稿は自前単独の小規模施設で、まず名刺代わりのサイトが欲しい
フリーランス20〜60万円費用が柔軟。個別要望に対応しやすい品質・進行・保守が担当者依存。廃業リスク予算を抑えつつ、要件を自分で説明できる担当者がいる
中小の制作会社50〜150万円設計・デザイン・運用まで一括。実績が見える介護業界の理解は会社差。運用費が別途入居・採用の二軸を本格的に作り込みたい
介護特化の制作会社100〜300万円介護の集客・採用・情報公表への理解が深い費用は高め。得意分野の偏りを要確認複数施設・法人規模で、業界知見込みで任せたい

それぞれのタイプを、強み・限界・費用の目安・向き不向きの観点でもう少し具体的に見ていきます。

自作(ノーコード) の代表は、世界的に使われるWix、国産のペライチ、ドイツ発のJimdo、デザイン自由度の高い国産ツールSTUDIO、そして世界で最も使われるCMSであるWordPressなどです。ネットショップ寄りのBASEを入口にする施設もあります。強みは、テンプレートから短期間で公開でき、月額数百円〜数千円で運用できる手軽さと、更新を自分たちで完結できる点にあります。たとえばWixは公式サイトで「無料ホームページ作成」を掲げ、900種類以上のテンプレートやAIビルダーで初心者でも形にできると案内しています(2026年8月時点のWix公式の記載)。国産のペライチも公式サイトで「初期費用0円」「無料で試せる」とうたい、同社の比較表では制作会社に頼むと概ね50万〜100万円かかるところをツールで抑えられると説明しています(ペライチ公式の記載)。一方でSTUDIOやWordPressは自由度が高い分、二軸設計やスマホ最適化を自力でやり切るには一定の学習コストがかかります。限界は、入居×採用の二軸を作り分けたり、検索で上位を狙う構造にしたりするのが自力では難しいこと、そして写真撮影や原稿づくりがすべて自前になることです。費用の目安は初期0〜10万円+月額のサービス利用料ですが、これはサービス料金であって「作り込みの人件費」は含みません。プロに撮影や原稿を頼めばその分は別途かかります。向いているのは、単独の小規模施設で、まずは電話・見学予約の受け皿として名刺代わりのサイトが欲しいケース。逆に、採用にも本気で使いたい、更新を担う人手がない施設には向きません。なお料金・機能は改定されることがあるため、契約前に各サービスの公式ページで最新のプランをご確認ください。

フリーランス に頼む場合は、クラウドワークスランサーズ、デザイナー中心のココナラといったプラットフォーム、または知人の紹介で探すのが一般的です。クラウドワークスは国内最大級のクラウドソーシング・仕事依頼サービスで、幅広い制作者に発注できます(クラウドワークス公式の記載)。強みは費用の柔軟さと、個別要望に細かく対応してもらいやすい点。限界は、品質・進行管理・公開後の保守が担当者個人のスキルと稼働に依存し、廃業や連絡不通のリスクがゼロではないことです。費用の目安は20〜60万円ですが、これも担当者の実績によって幅が大きく、安さだけで選ぶと二軸設計やスマホ最適化が甘くなることがあります。プラットフォームで探す場合は、介護や採用サイトの制作実績、過去の評価、返信の速さを事前に確認し、できれば簡単な打ち合わせで意思疎通のしやすさを見てから決めると失敗が減ります。向いているのは、必要なページと目的を自分の言葉で説明でき、公開後の更新も社内で回せる施設。長期の保守や大規模改修を見据えるなら、契約時に引き継ぎ条件(データやドメインの受け渡し、担当者が対応できなくなった場合の連絡先)を書面で明確にしておく必要があります。

中小の制作会社 は、設計・デザイン・運用までを一括で任せられるのが強みです。実績がサイトで確認でき、担当者と打ち合わせを重ねながら進められる安心感もあります。限界は、介護業界特有の事情(情報公表制度・採用難・家族の心理)への理解が会社ごとに差があること、そして運用費が初期費とは別にかかることです。費用の目安は50〜150万円で、二軸をしっかり作り込みたい施設に向いています。自社の費用ナレッジ(ホームページ制作の費用相場2026)でも、中小制作会社への依頼は初期30万〜150万円が「最も一般的」な価格帯として整理されており、介護施設のような二軸設計を伴うサイトはこのレンジの中〜上限に収まりやすい傾向があります。逆に、名刺代わりの最小サイトで十分な場合は、費用が過剰になることもあります。介護の実績があるか、採用サイトを作った経験があるか、公開後の更新をどこまで担うかは、後述の質問で必ず見極めてください。会社の規模や得意分野(デザイン寄りか、集客・SEO寄りか)によって同じ予算でも仕上がりが変わるため、複数社の実績ページを見比べ、自施設が目指す方向性に近い制作実績を持つ会社を選ぶと、認識のズレが小さくなります。

介護特化の制作会社 は、介護の集客・採用・情報公表への理解が深く、業界の勝ちパターンを持っているのが強みです。限界は費用が高めになりやすいことと、会社ごとに得意分野(集客寄り/採用寄り)が偏る場合があることです。費用の目安は100〜300万円で、複数施設を運営する法人や、業界知見ごと任せたい施設に向いています。単独の小規模施設には費用面で過剰になりがちなので、自施設の規模と課題に照らして判断します。会社選びで迷うときは、依頼先タイプの全体像を扱ったホームページ制作の発注完全ガイドも参考になります(これらのサービス名・会社類型は代表例で、料金・提供範囲は各社公式で最新をご確認ください)。

向いているケース・向いていないケース

同じ「介護施設のホームページ制作」でも、施設の規模と社内体制で最適な依頼先は変わります。判断の目安は次のとおりです。

  • 自作が向いている:職員がサイト更新に前向きで、まずは電話・見学予約の受け皿があれば十分な小規模施設。逆に、採用にも本気で使いたい、写真や原稿を用意する余力がない場合は向きません。
  • フリーランスが向いている:必要なページと目的を自分の言葉で説明でき、公開後の更新も社内で回せる施設。長期の保守や大規模な改修を見据えるなら、継続性の面で慎重に。
  • 中小制作会社が向いている:入居導線と採用導線の両方を、設計から運用まで一括で任せたい施設。介護業界の理解度は会社ごとに差があるため、後述の質問で見極めます。
  • 介護特化の制作会社が向いている:複数施設を運営する法人や、情報公表・採用まで含めて業界知見ごと任せたい場合。予算に余裕があり、得意分野が自施設の課題と合致していることが前提です。

介護施設のホームページ制作費用の相場と内訳

介護施設のホームページ制作費用は、初期制作費(数万円〜300万円程度)と、公開後の運用・保守費(月額1〜5万円程度)に分けて考えるのが正解です。 「総額いくら」で比べるのではなく、何にいくらかかっているかの内訳で判断すると、見積もりの妥当性が見えてきます。

初期制作費の目安

初期制作費は、前掲の表のとおり依頼先タイプで大きく変わります。下の図は、4タイプの初期費用の目安レンジを横棒で並べて比較したものです。左にいくほど低コスト、右にいくほど介護要件への理解や作り込みに対応できる、という関係が視覚的につかめます。

依頼先タイプ別の初期費用の目安を比較した横棒グラフ。自作(ノーコード)は0〜10万円+月額、フリーランスは20〜60万円、中小の制作会社は50〜150万円、介護特化の制作会社は100〜300万円のレンジで、別途運用・保守費が月額1〜5万円ほどかかることを示している。

同じ「中小制作会社に50〜150万円」でも、内訳は以下のような要素で構成されます。

  • 設計・ディレクション費:サイト構成、二軸設計、要件整理。ここが薄いと見た目だけのサイトになりがちです。
  • デザイン・コーディング費:ページ数とデザインの作り込み度で変動します。
  • 写真・原稿制作費:介護施設は写真の質が成果を左右します。撮影を含むか、支給素材で作るかで金額が変わります。
  • CMS・フォーム等の機能費:更新用のCMS、問い合わせ・応募フォーム、空室状況の更新機能など。

金額の妥当性を判断する際は、複数社に同じ条件で見積もりを依頼して比較するのが確実です。比較の進め方はホームページ制作の相見積もり・見積もりガイドで、見積書のどこを見るかまで解説しています。なお、ここで示した金額はすべて自社の費用ナレッジと市場の一般的な水準に基づく2026年8月時点の目安であり、確定額ではありません。

運用・保守費とランニングの考え方

見落とされがちなのが公開後のコストです。ホームページは公開して終わりではなく、空室状況・料金・求人・写真を更新し続けてこそ成果が出ます。運用・保守費には、サーバー・ドメイン維持、CMSやセキュリティの更新、軽微な修正対応、必要に応じたコンテンツ更新の代行などが含まれ、月額1〜5万円程度が一般的な目安です。自作型ならこの多くを自分で担う代わりに月額のサービス利用料だけで済みますが、その分だけ社内の手間がかかります。

判断のポイントは「更新を誰がやるのか」を最初に決めることです。社内で回せるならCMSの使いやすさを、外部に任せるなら保守契約の範囲と費用を、見積もり段階で必ず確認してください。この「初期費+運用費」の総所有コストで比較すると、一見安い選択肢が長期では割高になるケースも見えてきます。

イメージをつかみやすいよう、規模別の見積もりパターンを目安として示します(いずれも2026年8月時点の参考値で、写真撮影の有無や地域で変動します)。

規模・目的のパターン初期費用の目安運用・保守の目安主な内容
まず名刺代わり(小規模・単独施設)0〜30万円月0.1〜1万円トップ・施設紹介・料金・問い合わせの最小構成
入居導線をしっかり(標準)50〜120万円月1〜3万円施設紹介・料金・写真・見学予約・アクセスを作り込み
入居+採用の二軸(本格)120〜300万円月3〜5万円二軸設計・撮影・CMS・空室/求人更新機能まで

「初年度の総額」で見ると、名刺代わりなら数万円〜30万円台、標準なら60万〜150万円、本格なら150万〜350万円程度が一つの見当になります。ここに社内の運用工数(誰かが更新する時間)も加味して、無理なく続けられる水準を選ぶのが失敗しないコツです。

費用を抑えつつ成果を落とさない工夫

限られた予算で成果を出すには、「全部を一度に作らない」段階的な進め方と、社内でできることの切り分けが効きます。 費用を削るために品質を落とすのではなく、優先順位で配分を変えるのがコツです。

一つ目は、優先軸から作ることです。入居率が課題なら入居導線を厚く、採用が課題なら採用ページを厚く作り、もう一方は最小構成で用意しておきます。あとから拡張できる設計にしておけば、成果を見ながら投資を追加できます。二つ目は、写真と原稿の内製です。撮影や原稿を全面的にプロに頼むと費用が上がりますが、日常の写真をスマホで撮りためたり、施設の想いをメモで渡したりするだけでも、制作側の工数が減り、見積もりに反映されます。三つ目は、更新を社内で回せる体制づくりです。軽微な更新まで外注すると運用費がかさむため、CMSの使い方を職員が覚えておくと、月々のコストを抑えられます。

四つ目は、初期に「全ページ」を作り込まず、成果に直結するページから公開する考え方です。トップ・施設紹介・料金・見学予約という核となるページを先に整え、行事ブログや詳細な採用コンテンツは公開後に足していく——この進め方なら初期費用を抑えつつ、早く問い合わせの受け皿を持てます。制作会社にも「まず最小構成で公開し、反応を見て拡張したい」と伝えると、フェーズを分けた見積もりを出してくれることがあります。大切なのは、後から拡張しやすい設計(CMSやページ追加のしやすさ)を最初に選んでおくことです。ここを軽視すると、増築のたびに作り直しが発生し、かえって総額が膨らみます。

補助金の活用も選択肢です。時期や自治体・国の施策によっては、小規模事業者の販路開拓やIT導入を支援する制度の対象になることがあります。ただし対象要件や公募時期は年度で変わるため、利用を検討する際は必ず各制度の公式窓口で最新の要件を確認し、申請に間に合うスケジュールで制作を進めてください。制作会社によっては補助金申請のサポート実績があるので、相談時に聞いてみるとよいでしょう。いずれにせよ、目先の安さだけで選ばず、初期費と運用費を合わせた総額と、公開後に更新し続けられるかで判断することが、結果的に一番の節約になります。

発注をスムーズにする社内準備

制作を依頼する前に、写真・原稿・基本情報を社内である程度そろえておくと、制作期間が短くなり、費用も抑えられます。 制作が長引く原因の多くは、施設側の素材待ちだからです。

まず用意したいのが写真です。居室・共用スペース・食事・レクリエーション・外観・スタッフの働く様子など、実際の施設が伝わる写真は成果を大きく左右します。プロ撮影を依頼するか、まずスマホで撮った素材を支給するかで費用が変わるため、どちらにするかを早めに決めます。入居者・利用者・職員が写る場合は、掲載の同意を得るルールも同時に整えます。

次に、掲載する基本情報の整理です。施設種別・定員・所在地・アクセス・料金の内訳・入居条件・提供サービス・医療連携先・沿革などを、最新の内容でまとめておきます。ここで、情報公表制度で公表している内容と食い違いがないかを確認しておくと、後の修正が減ります。採用に力を入れるなら、募集職種・給与・勤務体制・研修制度・福利厚生も併せて整理します。

原稿については、すべてを自分で書く必要はありません。制作会社が取材して書き起こしてくれる場合も多いので、見積もり時に「原稿は誰が書くのか」を確認します。ただし、施設の理念や大切にしていることは、担当者の言葉で伝えたほうが温度が伝わります。箇条書きのメモでよいので、「うちが他と違う点」「家族によく聞かれること」を書き出しておくと、取材がスムーズです。こうした準備は、次のステップの相見積もりの精度も高めます。

準備の総仕上げとしておすすめなのが、「作りたいサイトの要件メモ」を1枚にまとめておくことです。具体的には、サイトの目的(入居導線か採用か両方か)、想定するページ構成、写真撮影の有無、採用ページを含むか、公開後に誰がどこまで更新するか、希望する公開時期と予算感——このあたりを箇条書きで整理しておきます。この1枚があると、複数の依頼先に同じ条件で相談でき、返ってくる見積もりの差が「何の差なのか」を読み解けるようになります。逆に、この整理がないまま各社に相談すると、提案の前提がバラバラになり、金額だけを見比べても判断できません。時間にして半日ほどの作業ですが、ここを丁寧にやっておくと、その後の依頼先選びと制作の進行が驚くほどスムーズになり、結果として費用と手戻りの両方を減らせます。

失敗しない発注ステップ

介護施設のホームページ制作は、「目的と要件の整理→依頼先の比較→設計と試作の確認→本制作と公開→公開後の改善」という5ステップで進めると、認識のズレと手戻りを防げます。 それぞれのステップでやることを、順を追って確認します。

  1. 目的と要件を整理する:入居導線が主か採用導線が主か、あるいは両方かを決め、達成したい状態(問い合わせ件数・応募件数など)と社内の担当を明確にします。既存サイトがあれば、スマホ表示・電話導線・情報の古さなど課題を洗い出します。
  2. 依頼先を比較する:4タイプから候補を選び、同じ条件で相見積もりを取ります。介護施設や採用サイトの制作実績、公開後の運用体制を必ず確認します。
  3. 設計と試作を確認する:いきなり全ページを作らせず、サイト構成案とトップページのデザイン試作で方向性を判断します。この段階で写真撮影と原稿の準備を並行して進めると、後半が滞りません。
  4. 本制作と公開:全ページを制作し、公開前にスマホ表示・問い合わせフォームの動作・電話導線を検証します。料金や定員などの基本情報が公表制度の内容と食い違っていないかも確認して公開します。
  5. 公開後に改善する:公開はゴールではなく起点です。問い合わせ数・応募数・検索順位を確認し、写真・空室・求人を継続的に更新します。制作の一般的な流れをさらに詳しく知りたい場合はホームページ制作の流れも参考になります。

依頼先に伝えるべき・聞くべき質問を、発注前に用意しておくと比較がぶれません。たとえば「介護施設や採用サイトの制作実績はあるか」「スマホ表示とアクセシビリティにどう対応するか」「公開後の更新は誰がどこまで、月いくらで担うか」「写真撮影は含まれるか」「原稿は誰が書くのか」「情報公表制度との整合はどう担保するか」といった質問です。これらへの回答の具体性が、その依頼先の介護業界への理解度をよく表します。

相見積もりを取るときは、各社に同じ条件を伝えることが公平な比較の前提になります。ページ数の想定、撮影の有無、採用ページを含むか、公開後の運用範囲——これらがバラバラだと、金額だけを並べても意味がありません。あらかじめ「作りたいサイトの要件メモ」を1枚用意し、それを各社に渡して見積もってもらうと、金額の差が「何の差なのか」が見えてきます。安い見積もりには安い理由(撮影なし・ページ数少・運用別)が、高い見積もりには高い理由(二軸設計・撮影込み・手厚い運用)があるものです。金額の大小ではなく、自施設が必要とする範囲をカバーしているかで選ぶと、公開後に「思っていたのと違う」というズレを避けられます。試作段階で方向性に納得できない場合は、本制作に進む前に方針を見直すことも、大きな手戻りを防ぐ賢い判断です。

発注前に確認したい注意点

介護施設ならではの、発注前に押さえておきたい注意点を整理します。いずれも後から気づくと手戻りが大きいため、要件段階で共有しておきましょう。

  • 写真の同意と肖像権:入居者・利用者・職員が写る写真は、掲載前に本人または家族の同意を得ます。同意の取得ルールと、同意が取れない場合の代替(後ろ姿・イメージ写真など)を決めておきます。
  • 情報公表制度との整合:料金・定員・サービス内容など、制度で公表される情報と公式サイトの記載を一致させ、変更時に両方を更新する運用を作ります。
  • アクセシビリティ:家族世代・シニア層が読むことを踏まえ、文字サイズ・配色コントラスト・タップしやすいボタンを確保します。読みにくいサイトは離脱を招きます。
  • 表現の適正さ:「日本一」「絶対に安心」といった過度な断定や、医療・効果に関する誇大な表現は避けます。事実に基づく具体的な記述のほうが、かえって信頼されます。
  • 保守と引き継ぎ:ドメイン・サーバー・CMSの管理権限を自施設で保有し、担当者が代わっても更新できる状態にしておきます。フリーランスや一部の会社では、この引き継ぎが弱点になりがちです。

公開後に成果を出す運用とSEOの考え方

介護施設のホームページは、公開後に「地域名+施設種別」で検索されたときに見つかり、情報が新しく保たれている状態を維持することで、はじめて問い合わせと応募につながります。 制作そのものより、公開後の運用のほうが成果を左右する、と言っても言い過ぎではありません。

まず押さえたいのが、地域に根ざした検索で見つけてもらう工夫です。介護施設を探す家族は「◯◯市 特養」「◯◯区 介護付き有料老人ホーム」のように、地域名と施設種別を組み合わせて検索します。そのため、サイト内に施設の所在地・対応エリア・アクセス情報を明確に書き、Googleビジネスプロフィール(地図情報)を整えておくと、地図検索からの流入が期待できます。ページのタイトルや見出しにも、地域名と施設種別、そして「見学」「空室」「料金」といった家族が使う言葉を自然に含めておくと、検索意図に合致しやすくなります。

次に、情報の鮮度です。空室状況・料金・行事の様子・求人情報は、更新が止まった瞬間から信頼を失います。とくに空室情報と求人情報は「今どうなっているか」が命なので、社内で簡単に更新できるCMSを選ぶか、保守契約に更新代行を含めておきます。ブログやお知らせ欄で、季節の行事やスタッフの日常を月に数回でも発信し続けると、施設の空気感が伝わり、検索でも評価されやすくなります。更新を続けられる体制があるかどうかは、依頼先を選ぶ段階で必ず確認しておきたいポイントです。

最後に、成果の確認です。公開後は、問い合わせ件数・見学予約数・応募数といった「実際に増えてほしい数字」と、検索順位やアクセス数を定期的に見比べます。アクセスは増えているのに問い合わせが増えないなら導線の問題、そもそもアクセスが少ないなら検索での見つかりやすさの問題、と切り分けられます。数字を見ながら写真や文言を少しずつ改善していく——この地道な運用が、半年・一年後の差になります。公開後の改善まで見据えた制作の流れはホームページ制作の流れでも解説していますので、あわせて確認してください。

介護施設のホームページでよくある失敗と回避策

発注段階で知っておくと避けられる、介護施設サイトにありがちな失敗を挙げます。いずれも「作る前の判断」で防げるものです。

  • 見た目重視で導線が弱い:デザインは立派でも、電話ボタンや見学予約が目立たず、問い合わせに至らないケース。回避策は、スマホ画面のどこに問い合わせ導線を置くかを最初に決め、試作段階でタップのしやすさを確認することです。
  • 写真がイメージ素材ばかり:フリー素材の笑顔の写真ばかりで、実際の施設の様子が分からないケース。家族は「本物の空気感」を見たいので、居室・食事・行事の実写真を用意します。撮影を制作費に含めるか、支給できるかを見積もり時に決めておきます。
  • 採用ページが会社案内の付け足し:採用に本気で使いたいのに、募集要項を1ページ置いただけで終わっているケース。回避策は、採用を独立した入口として設計し、職員の声・研修・応募導線をそろえることです。
  • 公開後に放置される:作って満足し、空室も求人も古いまま止まるケース。これが最も多い失敗です。回避策は、公開前に「誰が・何を・どの頻度で更新するか」を決め、更新しやすいCMSか保守契約を選ぶことです。
  • 管理権限が制作者任せ:ドメインやサーバーの管理を制作者が握ったまま連絡が取れなくなり、更新も移管もできなくなるケース。回避策は、契約時に管理権限を自施設で保有し、引き継ぎ手順を明文化しておくことです。

これらはいずれも、依頼先の技術力というより「発注時の要件と運用設計」で決まります。だからこそ、この記事の前半で触れた要件整理と、依頼先への質問が効いてきます。

もう一点、意外と見落とされるのが「公開後に誰がサイトの窓口になるか」です。制作が終わると、日々の更新依頼や不具合対応の連絡役が必要になります。ここが曖昧だと、更新したい情報があっても止まってしまい、せっかくのサイトが古びていきます。施設内で更新担当と、制作会社への連絡窓口を一人決めておくだけで、公開後の運用は驚くほどスムーズになります。小さな施設ほど「片手間で誰かが」になりがちですが、月に一度でも更新の時間を業務に組み込むと、サイトは生き続けます。ホームページは建物と同じで、建てて終わりではなく、住みながら手入れをしていくもの——この感覚を発注時から関係者で共有しておくことが、長い目で見た成功のカギになります。

発注判断の要点まとめ

ここまでの内容を、発注判断の観点で整理します。介護施設のホームページ制作で成果を出す鍵は、次の四点に集約されます。

第一に、入居検討者(家族)と採用(求職者)の二軸で設計すること。目的の異なる二つの読者を意識し、それぞれの意思決定に必要な情報と導線を用意します。第二に、スマホ表示を判断基準にすること。家族はスマホで施設を比較し、電話や見学予約に1タップで届くかどうかが問い合わせ数を左右します。第三に、依頼先は費用だけでなく総所有コストと運用体制で選ぶこと。初期費が安くても、更新できず放置されれば成果は出ません。第四に、情報公表制度との整合や写真同意など、介護特有の注意点を要件段階で押さえること。

これらは、いずれも「作る前の判断と準備」で決まります。逆に言えば、この段階を丁寧にやっておけば、どの依頼先を選んでも大きく外すことはありません。自施設の規模・課題・社内体制に照らして、無理なく続けられる形を選んでください。判断に必要な材料が揃ったら、次は具体的な相談と見積もりの段階です。

状況別の読み分け早見表

自施設の状況に応じて、この記事のどこから読み、次に何をすればよいかを整理しました。当てはまる状況から読み進めてください。この記事は発注判断に向いていますが、運営情報公表の詳細な対応手順や採用設計の深掘りは親ガイド側が向いているため、目的に応じて読み分けてください。

当てはまる状況次に読むセクション・アクション
そもそも介護施設サイトの全体像から知りたい親ガイドの介護施設のホームページ制作完全ガイドを先に読む
どこに頼むか(自作か会社か)で迷っている本記事「依頼先の選び方|4タイプを比較する」を読む
費用が妥当か・総額の見当をつけたい本記事「費用の相場と内訳」+費用相場2026を読む
複数社の見積もりを比較したい相見積もり・見積もりガイドで見積書の見方を確認する
施設ではなく訪問介護・通所の設計を知りたい訪問介護デイサービスの記事へ読み分ける
すぐに具体的な相談・見積もりに進みたいこの記事末尾の相談・無料サイト診断の導線へ進む

介護施設のホームページ制作を相談したい方へ

入居検討者と採用の二軸で、費用感と作るべきページを一緒に整理します。既存サイトの課題出しから対応可能です。まずはお気軽にご相談ください。

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介護施設のホームページ制作チェックリスト

発注前・発注中に確認したい項目をチェックリストにまとめました。上から順に自施設の状況を確認してみてください。

  • 目的が明確か(入居導線・採用導線・両方のどれを主にするか決めた)
  • 達成したい状態を数値で置いたか(問い合わせ件数・応募件数など)
  • スマホ表示を基準に判断する前提を関係者で共有したか
  • 入居検討者向けの必須ページ(特徴・料金・写真・見学導線)を洗い出したか
  • 採用向けの必須ページ(募集要項・職員の声・応募導線)を洗い出したか
  • 依頼先4タイプから候補を絞り、同条件で相見積もりを取ったか
  • 制作実績と公開後の運用体制を確認したか
  • 費用を「初期費+運用保守費」の総額で比較したか
  • 写真の同意・肖像権のルールを決めたか
  • 料金・定員などを情報公表制度の内容と整合させる運用を決めたか
  • ドメイン・サーバー・CMSの管理権限を自施設で保有する契約にしたか
  • 公開後に誰が何をどの頻度で更新するかを決めたか

チェックが埋まらない項目があれば、そこが発注前に詰めるべき論点です。とくに「更新を誰がやるか」と「総所有コスト」は、公開後の満足度を大きく左右します。

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よくある質問

介護施設のホームページ制作の費用相場はいくらですか?
初期制作費は依頼先で幅があり、2026年8月時点の目安で自作(ノーコード)が0〜10万円+月額、フリーランスが20〜60万円、中小制作会社が50〜150万円、介護特化の制作会社が100〜300万円程度です。加えて公開後の運用・保守費が月額1〜5万円程度かかるのが一般的です。実額は仕様と地域で変わるため、複数社に同条件で見積もりを取り、初期費と運用費の総額で比較してください。詳しくは費用相場2026(/blog/hp-cost)で内訳まで解説しています。
制作会社・フリーランス・自作のどれを選ぶべきですか?
小規模で名刺代わりのサイトが欲しいなら自作(WixやペライチなどのノーコードやCMS)、費用を抑えつつ要件を自分で説明できるならフリーランス、入居と採用の二軸を設計から運用まで任せたいなら中小制作会社、複数施設で業界知見ごと任せたいなら介護特化の制作会社が目安です。判断軸は『採用にも本気で使うか』『社内で更新を回せるか』『長期の保守を見据えるか』の3点です。
入居者向けと採用向け、どちらを優先すべきですか?
喫緊の課題が入居率なら入居導線を、人材確保なら採用導線を優先します。ただし介護施設のサイトは両方の入口になるため、初回の制作時に両軸の骨組みを入れておくと、後から追加するより割安です。予算が限られる場合は、まず優先軸を厚く作り、もう一方は最小構成で用意しておくと拡張しやすくなります。
ホームページに必ず載せるべき内容は何ですか?
入居検討者向けには、施設種別と特徴、料金・入居条件・空室状況、居室や食事など暮らしの写真、見学予約・電話・アクセス、医療連携や安心の取り組みです。採用向けには、募集職種・給与・勤務体制、職員インタビュー、研修体制、スマホで完結する応募導線です。加えて、料金や定員などは情報公表制度の内容と整合させておきます。
制作期間はどれくらいかかりますか?
ページ数や写真撮影の有無で変わりますが、小規模なら数週間、二軸をしっかり作り込む場合は2〜3か月が一つの目安です。期間を左右するのは主に写真と原稿の準備なので、依頼先が決まったら早めに撮影日程と原稿の担当を決めておくと、全体がスムーズに進みます。
補助金は使えますか?
時期や自治体・国の施策によっては、小規模事業者向けの販路開拓やIT導入を支援する制度の対象になる場合があります。ただし対象要件や公募時期は年度で変わるため、利用を検討する際は必ず各制度の公式窓口で最新の要件を確認してください。制作会社に補助金活用の実績があるかを聞いておくのも有効です。
公開した後の運用は誰がやればよいですか?
空室状況・料金・求人・写真の更新を続けることが成果に直結するため、公開前に更新担当と頻度を決めておきます。社内で回すならCMSの使いやすさを、外部に任せるなら保守契約の範囲と月額費用を確認します。この運用体制の設計まで含めて相談できる依頼先を選ぶと、公開後に放置されるリスクを避けられます。施設内に更新担当と制作会社への連絡窓口を一人ずつ決めておくと、日々の更新が滞りません。
既存サイトのリニューアルと新規制作、どちらがよいですか?
スマホ表示が崩れる、問い合わせ導線がない、採用ページが無い、情報が数年古いといった構造的な課題があるなら、二軸で設計し直す全面リニューアルのほうが結果的に安くつくことが多いです。一方、写真や文言が古いだけ、料金表示がずれているだけなら、部分改修や運用での更新で十分な場合もあります。まず現状サイトをスマホで見て、家族や求職者の目線で『知りたいことにたどり着けるか』を確認し、詰まる箇所を改善対象にするとよいでしょう。
スマホ対応やアクセシビリティは本当に必要ですか?
必要です。総務省の情報通信白書では2024年の端末別インターネット利用率でスマートフォンがパソコンを上回っており、家族世代の多くはスマホで施設を調べます。文字が小さい、ボタンが押しにくい、電話番号がタップできないといったサイトは、それだけで問い合わせを逃します。家族世代・シニア層が読むことを踏まえ、文字サイズ・配色コントラスト・タップしやすいボタンを確保しておくことが、結果的に問い合わせ数を左右します。

本記事の情報について: 最終更新は2026年8月7日です。制作費用と依頼先タイプの目安は、自社のホームページ制作ナレッジと市場の一般的な水準に基づく参考値で、確定額ではありません。介護サービス情報公表制度の趣旨と根拠(介護保険法第115条の35〜44)は厚生労働省の公式ページ、インターネット利用の数値(2024年 個人85.6%・スマホ74.4%)は総務省 情報通信白書、人材不足感69.1%などの数値は介護労働安定センターの令和6年度 介護労働実態調査の各公式ページを確認して記載しました。制度・統計・料金は改定されることがあるため、実際の判断にあたっては各出典の公式窓口で最新情報をご確認ください。費用感の相談や既存サイトの課題整理をご希望の場合は、制作の相談窓口または料金プランもご利用いただけます。

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