グループホームのホームページ制作ガイド|介護保険GHと障害者GHで変わる掲載義務・料金表記・3つの導線【2026年版】

記事についての開示: この記事はシタミ編集部が作成しています。記事内に自社サービス「シタミ」の紹介を含みます。法令に関する記述は2026年9月時点のe-Gov法令検索で条文本体を確認したものですが、法的助言ではありません。指定基準の運用や上乗せの取扱いは指定権者(市町村・都道府県)によって異なるため、個別の掲載可否は必ず所轄の指定権者にご確認ください。
グループホームのホームページを作ろうとして最初につまずくのは、デザインでも費用でもありません。「グループホーム」という言葉が、法律の違う2つの施設を指している、ということです。
ひとつは介護保険法にもとづく認知症対応型共同生活介護(介護保険法第8条第20項)。もうひとつは障害者総合支援法にもとづく共同生活援助(障害者総合支援法第5条第18項)。どちらも日常会話では「グループホーム」と呼ばれますが、根拠法が違い、指定を出す役所が違い、そしてホームページに関して求められることが違います。
この違いは表面的なものではありません。たとえば「重要事項をウェブサイトに載せる義務があるか」という問いの答えは、介護保険のグループホームなら「省令に原則として掲載せよという規定がある(ただし情報公表システムでの公表で足りる)」、障害者グループホームなら「省令に規定がない」と、根拠からして分かれます。この記事は、その分岐を条文の番号まで示したうえで、載せるべき内容・料金ページの書き方・3つの集客導線・費用の考え方までを通しで整理したものです。
この記事でわかること
- 自分の事業所が2つの制度のどちらのグループホームなのかを3問で確定させる方法
- 2025年4月から変わったホームページ関連の2つのルールと、そのうち情報公表システムで足りるのはどちらか
- 情報公表システムに登録していれば自社サイトは不要なのか、という役割分担の答え
- 運営規程の法定項目からページ構成を逆算する方法(2制度それぞれのコピペチェックリスト付き)
- 受け取れる費用の列挙が制度で違うため、料金ページの書き方も変わるという論点
- 入居募集(空室)・見学・採用の3導線の設計。世話人56,472人という実データから逆算した採用ページ
- 「虚偽又は誇大」にあたる表現のNG/OKと、その根拠条文が制度で分かれること
- 制作手段4軸の費用感と、自作で足りるケース・足りないケースの線引き
介護施設のホームページ全般の考え方(入居検討者と採用の二軸設計、施設種別ごとの違い、写真同意など)は、親ガイドの介護施設のホームページ制作完全ガイドで扱っています。本記事は、その中でもグループホームという1業態に固有の制度対応へ絞って深掘りする位置づけです。
まず確認:あなたのグループホームは2つの制度のどちらか
グループホームとは、少人数が共同で生活する住まいで支援を受ける形態の総称であり、日本の制度上は介護保険法の認知症対応型共同生活介護と障害者総合支援法の共同生活援助という別々の2つのサービスを指します。以降の説明はすべてこの2列で進むので、まず自分がどちらかを確定させてください。本記事では前者を「介護保険のグループホーム」、後者を「障害者グループホーム」と呼び、表では紙幅の都合で「介護保険GH」「障害者GH」と略します。
2つの制度の対照表
| 比較軸 | 介護保険のグループホーム | 障害者グループホーム |
|---|---|---|
| 制度上の名称 | 認知症対応型共同生活介護 | 共同生活援助 |
| 根拠法・条文 | 介護保険法 第8条第20項 | 障害者総合支援法 第5条第18項 |
| 条文が定める内容 | 要介護者であって認知症であるもの(その者の認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く)について、共同生活を営むべき住居において入浴・排せつ・食事等の介護その他の日常生活上の世話および機能訓練を行う | 障害者につき、主として夜間において、共同生活を営むべき住居において相談、入浴、排せつ若しくは食事の介護その他の日常生活上の援助を行い、又はこれに併せて、居宅における自立した日常生活への移行を希望する入居者につき、移行および移行後の定着に関する相談等の援助を行う |
| 運営基準(省令) | 指定地域密着型サービス基準(平成18年厚生労働省令第34号)第5章 | 指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第16章 |
| サービス区分 | 地域密着型サービス | 障害福祉サービス(訓練等給付) |
| 主な指定権者 | 市町村 | 都道府県・指定都市・中核市 |
| 対象者 | 認知症のある要介護者 | 障害者 |
| 情報公表制度 | 介護サービス情報公表制度(介護保険法 第115条の35第1項) | 障害福祉サービス等情報公表制度(障害者総合支援法 第76条の3第1項) |
| 検索ポータル | 介護サービス情報公表システム(厚生労働省) | 障害福祉サービス等情報検索(独立行政法人福祉医療機構 WAM NET) |
条文の項番は間違えやすいところです。障害者総合支援法第5条の第17項は自立生活援助で、共同生活援助は第18項です。事業所案内や重要事項説明書で条文を引用する場合は、必ず現行条文で確認してください。
3問での自己判定
- 指定を受けた役所はどこですか。市町村(保険者)なら介護保険のグループホーム、都道府県・指定都市・中核市なら障害者グループホームである可能性が高い。
- 請求の相手はどこですか。国保連への請求が「地域密着型介護サービス費」なら介護保険側、「訓練等給付費」なら障害福祉側。
- 配置している職種は何ですか。計画作成担当者・介護従業者なら介護保険側、サービス管理責任者・世話人・生活支援員なら障害福祉側。
日中サービス支援型の障害者グループホーム、サテライト型住居、認知症対応型共同生活介護と他サービスの多機能事業所など、実際にはさらに細分化されます。複数の事業を1つの法人で運営している場合は、ホームページも事業ごとにページを分けるのが原則です。制度が違えば載せるべき情報も更新頻度も違うため、1ページに混ぜると次章以降の義務対応が破綻します。
数字で見る2つのグループホーム
| 項目 | 介護保険のグループホーム(認知症対応型共同生活介護) | 障害者グループホーム(共同生活援助) |
|---|---|---|
| 事業所数 | 14,341事業所 | 14,241事業所 |
| 前年からの増減 | +79事業所(+0.6%) | +890事業所(+6.7%) |
| 利用者 | — | 185,349人(9月末日現在の利用実人員) |
| 主な経営主体 | 営利法人(会社)55.8%、社会福祉法人24.2%、医療法人14.9%、NPO法人3.8% | — |
事業所数は厚生労働省「令和6(2024)年 介護サービス施設・事業所調査の概況」(令和6年10月1日現在、公表 令和7年12月19日)および「令和6(2024)年 社会福祉施設等調査の概況」(同、公表 令和7年12月17日)による。表中の「—」は、当該調査に対応する公表項目がないもの。
事業所数はほぼ同数なのに、増加率は10倍以上違います。介護保険のグループホームは全国で約1万4千か所からほぼ横ばい、つまり新設が少なく、既存の事業所どうしで入居者と職員を取り合う成熟市場です。一方の障害者グループホームは1年で890か所増えており、近隣に新しい事業所が次々にできる前提でホームページを設計する必要があります。同じ「グループホームのホームページ」でも、前者は「長く選ばれ続ける」ための情報整備、後者は「新設が並ぶ中で見つけてもらい、違いを説明する」ための情報整備が主眼になります。
また、介護保険のグループホームは経営主体の55.8%が営利法人(会社)です。「社会福祉法人だから広報は控えめに」という前提は、実態としては過半に当てはまりません。
2025年4月から変わったルールと、もともとある公表義務
2024年に公布された2つの省令改正により、2025年4月1日から、グループホームのホームページに関係する義務が両制度で新たに動き出しました。しかも内容が制度ごとに違います。ここが本記事の中心です。
介護保険のグループホーム:ウェブ掲載は「原則として」義務、ただし情報公表システムで足りる
指定地域密着型サービス基準第108条は、認知症対応型共同生活介護の事業について第3条の32(掲示)を準用しています。その第3条の32は3つの項からなります。
- 第1項:事業所の見やすい場所に、運営規程の概要、従業者の勤務の体制その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を掲示しなければならない
- 第2項:重要事項を記載した書面を事業所に備え付け、いつでも関係者に自由に閲覧させることにより、第1項の掲示に代えることができる
- 第3項:原則として、重要事項をウェブサイトに掲載しなければならない
この第3項は、令和6年1月25日厚生労働省令第16号によって新設されました。同省令の附則第2条は、施行日から令和7年3月31日までの間は第3条の32第3項の適用について「削除」と読み替える経過措置を置いていました。裏を返せば、令和7年(2025年)4月1日からは、この第3項がそのまま適用されているということです。
つまり介護保険のグループホームは、2025年4月以降、重要事項をウェブサイトに掲載することが原則として求められています。
⚠️ ただし、この義務だけを理由にホームページを新設する必要はありません。厚生労働省老健局は、介護サービス情報公表システムにおいて重要事項の公表を行ったことをもって、指定地域密着型サービス基準第3条の32第3項のウェブサイト掲載を行ったとみなして差し支えないとしています(「介護保険最新情報」Vol.1322・令和6年10月18日「『介護サービス情報の公表』制度の施行について」一部改正について(通知))。 この通知は同基準を省令番号と条文番号で名指ししており、指定権者ごとの判断ではなく全国一律の取扱いです。公表システムに重要事項を登録済みであれば、この義務については対応済みと整理できます。
本記事がそれでも自社ホームページを勧めるのは、義務がそこにあるからではありません。次章以降で扱う会議記録・評価結果の公表、空室状況の更新、見学予約や採用応募の受付といった、公表システムでは代替できない用途があるためです。
同じ改正は、訪問看護や通所介護など居宅サービスでも行われています。すでに対応済みの事業者向けの解説は訪問看護ステーションのホームページ制作ガイドやデイサービスのホームページ制作ガイドにありますが、本記事の論点は「その改正が地域密着型サービスであるグループホームにも及んでいるのか」であり、答えは第108条の準用によって及んでいる、です。
障害者グループホーム:地域連携推進会議の記録公表が努力義務から本義務へ
障害者グループホームには、上のようなウェブサイト掲載の規定がありません。指定障害福祉サービス基準第213条が準用する第92条(掲示)は2つの項しかなく、第1項が事業所の見やすい場所への掲示、第2項が書面備付けと自由閲覧による代替を定めるだけで、ウェブサイト掲載に相当する項が存在しないのです。
その代わり、障害者グループホームには介護保険側にない義務があります。第210条の7(地域との連携等)です。
- 第2項:利用者およびその家族、地域住民の代表者、共同生活援助について知見を有する者ならびに市町村の担当者等により構成される協議会(地域連携推進会議)を開催し、おおむね1年に1回以上、事業の運営に係る状況を報告するとともに、必要な要望、助言等を聴く機会を設けなければならない
- 第3項:地域連携推進会議の開催のほか、おおむね1年に1回以上、構成員が事業所を見学する機会を設けなければならない
- 第4項:第2項の報告、要望、助言等についての記録を作成するとともに、当該記録を公表しなければならない
- 第5項:外部の者による評価およびその実施状況の公表(またはこれに準ずる措置として都道府県知事が定めるもの)を講じている場合には、第2項から第4項までを適用しない
この規定は令和6年1月25日内閣府・厚生労働省令第3号で導入されましたが、同令附則第2条により、令和7年3月31日までは「設けるよう努めなければならない」「公表するよう努めなければならない」と読み替える経過措置がありました。したがって2025年4月1日から、開催・見学機会・記録の公表がいずれも本来の義務になっています。同附則は外部サービス利用型(第213条の22で第210条の7を準用)と日中サービス支援型(第213条の10)も対象としているため、3つの類型が同時に本義務化されています。
⚠️ 日中サービス支援型の障害者グループホームには、第210条の7は準用されません(第213条の11の準用は第210条の6までで止まります)。同じ内容を独立に定める第213条の10が適用され、さらに同条第6項で協議会等への定期報告と評価が加わります。自社サイトに根拠条文を掲げる場合は、この類型の違いに注意してください。報告と評価の結果も、次章以降で設計する公表ページにまとめておくと運用が一本化できます。
「公表しなければならない」と条文が言う以上、その公表先が必要です。掲示板や事業所内の備付けでも形式上は成り立ちますが、地域住民や利用希望者が読める状態を安定的に作るなら、自社ホームページに公表ページを1本持つのが最も確実で、運用も軽くなります。
介護保険のグループホームには改正前から別の「公表」義務がある
介護保険側にウェブ掲載義務があることは前述しましたが、実は「公表」義務も別に存在します。第108条が準用する第34条(地域との連携等)です。
- 第1項:利用者、利用者の家族、地域住民の代表者、市町村の職員または地域包括支援センターの職員、認知症対応型共同生活介護について知見を有する者等により構成される協議会(運営推進会議)を設置し、活動状況を報告し、評価を受けるとともに、必要な要望、助言等を聴く機会を設けなければならない
- 第2項:第1項の報告、評価、要望、助言等についての記録を作成するとともに、当該記録を公表しなければならない
第34条第1項は本来「おおむね六月に一回以上」ですが、第108条の読み替え規定により、認知症対応型共同生活介護では「六月」が「二月」に置き換わります。すなわちおおむね2か月に1回以上の開催です。障害者グループホームの年1回と比べると、6倍の頻度になります。
さらに介護保険のグループホームには、第97条第8項があります。自らその提供するサービスの質の評価を行うとともに、定期的に「外部の者による評価」または「運営推進会議における評価」のいずれかを受けて、それらの結果を公表し、常にその改善を図らなければならない、という規定です。
2制度の義務対照表
| 論点 | 介護保険のグループホーム | 障害者グループホーム |
|---|---|---|
| 重要事項の掲示 | 義務(第108条→第3条の32第1項) | 義務(第213条→第92条第1項) |
| 書面備付け+自由閲覧による代替 | 可(同第2項) | 可(同第2項) |
| 重要事項のウェブサイト掲載 | 原則として義務(同第3項)/2025年4月1日から適用。ただし情報公表システムでの公表で足りる(Vol.1322) | 省令に規定なし |
| 会議体 | 運営推進会議(第108条→第34条第1項) | 地域連携推進会議(第210条の7第2項) |
| 開催頻度 | おおむね2か月に1回以上(第108条で「六月」→「二月」に読み替え) | おおむね1年に1回以上 |
| 構成員による事業所見学 | 規定なし | おおむね1年に1回以上(第210条の7第3項) |
| 会議記録の公表 | 義務(第34条第2項) | 義務(第210条の7第4項)/2025年4月1日から本義務 |
| 評価結果の公表 | 義務(第97条第8項・外部評価または運営推進会議評価) | 外部評価+公表を行えば会議の規定が適用除外(第210条の7第5項) |
| 虚偽・誇大広告の禁止 | 第108条→第3条の34(広告) | 第213条→第37条第2項(情報の提供等) |
| 情報提供の努力義務 | — | 第37条第1項 |
この表が示しているのは、どちらの制度でも「公表しなければならない」情報が定期的に発生するということです。ホームページを「集客の道具」としてだけ見ていると見落としますが、グループホームにとってのホームページはまず公表義務の受け皿であり、その上に集客と採用が乗ります。この順序で設計すると、後から情報を継ぎ足す作りにならずに済みます。
情報公表システムとホームページの役割分担
「情報公表システムに登録しているのだから、自社のホームページは要らないのでは」という質問は、両制度で共通してよく出ます。結論から言えば、重なるのは重要事項の掲載だけで、それ以外は役割が違います。
制度も、ポータルも、2つある
| 項目 | 介護サービス情報公表制度 | 障害福祉サービス等情報公表制度 |
|---|---|---|
| 根拠 | 介護保険法 第115条の35第1項 | 障害者総合支援法 第76条の3第1項 |
| 対象 | 指定地域密着型サービス事業者を含む介護サービス事業者 | 指定障害福祉サービス事業者等 |
| 報告先 | 事業所所在地を管轄する都道府県知事 | 事業所所在地を管轄する都道府県知事 |
| 公開ポータル | 介護サービス情報公表システム(厚生労働省) | 障害福祉サービス等情報検索(WAM NET・独立行政法人福祉医療機構) |
| 制度開始 | 2006年 | 2018年4月 |
介護保険法第115条の35第1項は、指定地域密着型サービス事業者を含む介護サービス事業者に対し、サービス提供を開始しようとするときなどに、介護サービス情報を都道府県知事に報告することを義務づけています。障害者総合支援法第76条の3第1項も、指定障害福祉サービス事業者等に同趣旨の報告義務を定めています。どちらも「決められた様式で、決められた項目を、行政に報告する」制度です。
何が代替でき、何ができないか
| 目的 | 情報公表システム | 自社ホームページ |
|---|---|---|
| 定型項目の届出・公開 | ○(制度の本体) | × |
| 事業所間の横並び比較 | ○(検索・絞り込みができる) | △ |
| 重要事項のウェブ掲載義務(介護保険側) | ○(システムでの公表をもって掲載を行ったとみなして差し支えないとされている) | ○(自社サイトで行うことも可) |
| 会議記録・評価結果の公表 | ×(掲載枠がない) | ○ |
| 空室状況のタイムリーな更新 | ×(更新頻度が制度に縛られる) | ○ |
| 見学予約・問い合わせの受付 | × | ○ |
| 写真・動画で暮らしの様子を伝える | × | ○ |
| 求人・採用情報 | △(項目としては一部あり) | ○ |
| 更新のタイミング | 年次・随時(制度の定める時期) | 任意(必要なときに) |
情報公表システムは、制度が決めた項目を、比較可能な形で並べる場所です。書式が統一されているからこそ比較できるのであり、その裏返しとして、事業所ごとの事情や日々変わる情報を載せる場所ではありません。
自社ホームページは、自分の言葉で説明し、変化を反映し、行動を受け止める場所です。
判断の目安:定型項目の届出と、介護保険側の重要事項のウェブ掲載は情報公表システムで完結させる。そのうえで、会議記録・評価結果の公表、変動する情報(空室・行事・お知らせ)、行動を促す導線(見学予約・問い合わせ・応募)を自社サイトに置く。この分担であれば、二重管理にならずに両方が機能します。複数の事業を運営していて情報公表の報告先や様式が分かれる場合は、訪問介護のホームページ制作完全ガイドの制度対応の章もあわせて確認してください。
ホームページに載せる必須コンテンツ(掲示項目から逆算する)
グループホームのホームページに何を載せるかは、ゼロから考える必要がありません。運営規程に定めるべき事項が省令で列挙されており、その「概要」が掲示すべき重要事項の中身になるからです。掲示項目を出発点にすれば、抜け漏れのないページ構成が機械的に作れます。
運営規程の法定項目(2制度の対照)
| # | 介護保険のグループホーム(第102条) | 障害者グループホーム(第211条の3) |
|---|---|---|
| 1 | 事業の目的及び運営の方針 | 事業の目的及び運営の方針 |
| 2 | 従業者の職種、員数及び職務内容 | 従業者の職種、員数及び職務の内容 |
| 3 | 利用定員 | 入居定員 |
| 4 | サービスの内容及び利用料その他の費用の額 | サービスの内容並びに支給決定障害者から受領する費用の種類及びその額 |
| 5 | 入居に当たっての留意事項 | 入居に当たっての留意事項 |
| 6 | 非常災害対策 | 緊急時等における対応方法 |
| 7 | 虐待の防止のための措置に関する事項 | 非常災害対策 |
| 8 | その他運営に関する重要事項 | 事業の主たる対象とする障害の種類を定めた場合には当該障害の種類 |
| 9 | — | 虐待の防止のための措置に関する事項 |
| 10 | — | その他運営に関する重要事項 |
介護保険側が8号、障害福祉側が10号です。障害福祉側には「事業の主たる対象とする障害の種類」(第8号)が独立して置かれている点が特徴で、これはホームページでも重要な項目になります。知的障害・精神障害・身体障害・難病のうち何を主な対象としているかは、相談支援専門員や本人・家族が最初に確認する情報だからです。
もう一点、運営規程の項目ではないものの書く価値が高いのが、一人暮らしへの移行支援です。共同生活援助の定義(障害者総合支援法第5条第18項)は、日常生活上の援助に併せて、居宅における自立した日常生活への移行を希望する入居者に対し、移行および移行後の定着に関する相談等の援助を行うことまでを含んでいます。退居後の暮らしをどう考えているかは本人・家族・相談支援専門員の関心が高いので、支援内容のページに1節置いてください。
ページ構成への変換
| 運営規程の項目 | 対応するページ/セクション | 書くときのポイント |
|---|---|---|
| 事業の目的及び運営の方針 | 私たちについて/理念 | 抽象的な理念文で終わらせず、1日の過ごし方に落として書く |
| 従業者の職種、員数及び職務内容 | 体制・スタッフ紹介 | 職種名だけでなく夜間の配置が分かるように。採用ページとも連動 |
| 利用定員/入居定員 | ホーム概要 | 住居ごとに定員が違う場合は住居単位で表記 |
| サービスの内容 | 支援内容/1日の流れ | 写真と併せる。医療的ケアの可否は明記 |
| 利用料・受領する費用 | 料金 | 次章で詳述。制度で列挙が違う |
| 入居に当たっての留意事項 | 入居の流れ/よくある質問 | 持ち込み可能な物、面会、外泊などの実務ルール |
| 非常災害対策 | 安全への取り組み | 訓練の実施状況を年次で更新すると信頼につながる |
| 緊急時等における対応方法(障害福祉) | 医療連携・緊急時対応 | 協力医療機関との連携体制 |
| 主たる対象とする障害の種類(障害福祉) | ホーム概要/対象となる方 | 相談支援専門員が最初に見る項目。トップから1クリックに |
| 虐待の防止のための措置 | 安全への取り組み/苦情相談窓口 | 委員会・指針・研修の実施を事実ベースで |
| その他運営に関する重要事項 | 重要事項説明書(PDF)/苦情窓口 | 掲示・備付けとの整合を取る |
公表義務に対応するページ
前章までの内容から、次のページを追加します。一般的なホームページ制作の解説には出てこない、グループホーム固有のページです。
介護保険のグループホームの場合
- 運営推進会議の記録(第34条第2項)— おおむね2か月に1回以上の開催に対応して、年6回分が積み上がる想定でページを設計する
- 外部評価または運営推進会議による評価の結果(第97条第8項)
- 重要事項(第3条の32第3項。ただし前章のとおり情報公表システムでの公表で足りるため、自社サイトへの掲載は任意。自社サイトにも置く場合は、システム側と記載内容が食い違わないよう更新のタイミングを揃える)
障害者グループホームの場合
- 地域連携推進会議の記録(第210条の7第4項)— 年1回以上
- 構成員による見学の実施記録(第210条の7第3項に対応。条文上の公表義務は第2項の報告等が対象だが、実施したことを併せて示すと分かりやすい)
- 外部評価を実施している場合はその結果(第210条の7第5項の適用除外を選ぶ場合)
コピペチェックリスト
公開前に、次の項目が自社サイトのどこにあるかを埋めてください。空欄が残るページが、そのまま制作会社に渡す要件になります。
| 項目 | 介護保険GH | 障害者GH | 自社サイトの掲載先 |
|---|---|---|---|
| 事業所名・所在地・電話番号 | 必須 | 必須 | |
| 運営法人名・法人種別 | 必須 | 必須 | |
| 指定番号・指定権者 | 必須 | 必須 | |
| 運営規程の概要(重要事項) | 情報公表システムで対応可(自社サイトへの掲載は任意) | 必須(掲示。ウェブは任意) | |
| 従業者の職種・員数・夜間体制 | 必須 | 必須 | |
| 定員・住居数 | 必須 | 必須 | |
| 主たる対象とする障害の種類 | — | 定めた場合は必須 | |
| 支援内容・1日の流れ | 必須 | 必須 | |
| 料金の内訳 | 必須 | 必須 | |
| 入居の条件・流れ | 必須 | 必須 | |
| 協力医療機関・協力歯科医療機関 | — | 必須(第213条→第92条第1項の読み替え) | |
| 苦情相談窓口(事業所・市町村・国保連等) | 必須 | 必須 | |
| 非常災害対策 | 必須 | 必須 | |
| 虐待防止の取り組み | 必須 | 必須 | |
| 会議記録の公表ページ | 必須(年6回想定) | 必須(年1回以上) | |
| 評価結果の公表 | 必須 | 外部評価を選ぶ場合 | |
| 空室状況 | 推奨 | 推奨 | |
| 見学・体験の申し込み導線 | 推奨 | 推奨 | |
| 採用情報 | 推奨 | 推奨 | |
| プライバシーポリシー | 推奨 | 推奨 |
料金ページの設計 — 受け取れる費用の内訳は制度で変わる
グループホームの料金ページは「家賃・食費・光熱費」と一括りに書かれがちですが、利用者から受け取れる費用として省令が列挙している項目は、2つの制度で異なります。列挙の違いは、そのまま料金表の作り方の違いになります。
省令の列挙を並べる
| 区分 | 介護保険GH(第96条第3項) | 障害者GH(第210条の4第3項) |
|---|---|---|
| 1号 | 食材料費 | 食材料費 |
| 2号 | 理美容代 | 家賃 |
| 3号 | おむつ代 | 光熱水費 |
| 4号 | 前3号のほか、提供される便宜のうち日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、利用者に負担させることが適当と認められるもの | 日用品費 |
| 5号 | — | 前各号のほか、提供される便宜に要する費用のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、支給決定障害者に負担させることが適当と認められるもの |
| 事前説明・同意 | 第96条第4項(あらかじめ利用者またはその家族に内容と費用を説明し、利用者本人の同意を得る) | 第210条の4第5項(あらかじめ支給決定障害者に内容と費用を説明し、同意を得る) |
| 領収証の交付 | 介護保険法第42条の2第9項→第41条第8項(省令ではなく法律の側) | 第210条の4第4項 |
障害者グループホームでは「家賃」と「光熱水費」が号として明示列挙されているのに対し、介護保険のグループホームの列挙は食材料費・理美容代・おむつ代の3つで、家賃や光熱水費は明示されていません。介護保険のグループホームで居住に係る費用を受け取る場合は、第4号(前3号以外で、日常生活においても通常必要となる費用のうち、利用者に負担させることが適当と認められるもの)に位置づけて運営規程に定め、説明と同意を得る整理になります。
⚠️ 領収証の交付義務は、介護保険のグループホームでは省令ではなく法律の側にあります。介護保険法第42条の2第9項が第41条第8項を準用しており、指定地域密着型サービス事業者にも領収証の交付義務が及びます。基準省令だけを探しても見つからないので注意してください。
補足給付は障害者グループホームだけの論点
障害者グループホームの家賃には、もうひとつ制度が重なります。障害者総合支援法第34条第1項の特定障害者特別給付費(いわゆる補足給付)です。同項は、共同生活援助に係る支給決定を受けた障害者のうち一定の要件を満たす者(特定障害者)が共同生活援助を行う住居に入居して特定入所等サービスを受けたときに、食事の提供に要した費用または居住に要した費用について特定障害者特別給付費を支給すると定めています。
そして指定障害福祉サービス基準第210条の4第3項第2号は、この給付費が事業者に代理受領された場合、家賃の月額から支給があったものとみなされた特定障害者特別給付費の額を控除した額を限度として受け取れる、と括弧書きで規定しています。
つまり障害者グループホームの料金ページでは、「家賃の額」と「実際に本人が負担する額」が一致しないことがある、という説明が必要になります。ここを書かないと、見学前に問い合わせが集中するか、逆に「高い」と誤解されて検討候補から外れます。
料金ページの書き方テンプレート
どちらの制度でも共通して守りたい形は次の3層です。
- 介護保険/障害福祉サービスの自己負担(所得等により変わる旨を明記し、断定的な金額を避ける)
- 実費として受け取る費用の内訳(省令の号に対応させて項目を立てる。障害者グループホームなら家賃・光熱水費を独立項目に)
- 合計の目安と、変動する条件(食事の提供回数、外泊時の扱い、医療費など事業所外の費用は含まない旨)
そのうえで、次の一文を必ず添えてください。「実際の金額は、要介護度/障害支援区分、所得の状況、利用するサービスの組み合わせによって変わります。ご契約前に重要事項説明書でご説明します」。省令が事前の説明と同意を求めている以上、ホームページの数字は最終確定額ではなく目安であることを明示するのが正確であり、かつ次章で扱う誇大広告のリスクも下げます。
⚠️ 料金の目安を載せるとき、他事業所との比較や「地域で最安」といった表現を添えるのは避けてください。根拠を示せない優良性・有利性の表示は、後述する省令の禁止規定に加えて景品表示法の問題にもなります。
3つの導線設計 — 入居募集・見学・採用
グループホームのホームページには、目的の違う3つの導線が同居します。トップページから3つの入口を等しく見せる設計が、結果として一番迷いを減らします。
導線1:入居募集(空室情報)
空室情報は、グループホームのホームページで最も検索需要が確認できるコンテンツです。DataForSEO Labs で2026年9月に実測したところ、「障害者グループホーム 空き状況」は月間480回検索されており、上位に出ているページが外部サイトから集めているリンクは平均1.8サイト分しかありませんでした。長年かけて被リンクを積み上げた大手サイトが押さえている領域ではなく、新しいページでも入り込む余地が残っているということです。
地域名を含む複合語も同様で、「東京都 障害者グループホーム 空き状況」が月間320回、「横浜市 障害者グループホーム 空き情報」が320回、「千葉県 障害者グループホーム 空き状況」が260回といずれも実需があり、上位ページのリンク元は、実測できた語では1.2〜6.1サイト分にとどまります。つまり「空室ページを1枚持ち、地域名を含めて正しく書く」だけで拾える流入が実在するということです。
空室ページで必要なのは次の要素です。
- 住居ごと・部屋ごとの空き状況(「空きあり/要相談/満室」の3段階で十分。人数まで書くと更新が重い)
- 最終更新日(これが無いと情報の信頼性が落ちる。日付だけでも自動表示にすると運用が楽)
- 待機の可否と、待機登録の方法(満室でも問い合わせにつながる)
- 受け入れ条件(性別、対象となる障害の種類、医療的ケアの可否、区分の目安)
- 問い合わせ先(電話とフォームの両方。相談支援専門員からの連絡が多いため、平日日中の電話は必須)
⚠️ 空室ページは「更新が止まると害になる」唯一のページです。更新できる体制が作れないなら、具体的な空き数ではなく「随時ご相談ください」の常設ページにするほうが、古い情報を晒すより信頼を損ないません。
導線2:見学・家族向け情報
入居の意思決定をするのは本人だけではありません。介護保険のグループホームでは家族が、障害者グループホームでは家族に加えて相談支援専門員が、実質的な入口になります。両者は見る場所が違います。
家族が見るもの:写真で分かる暮らしの様子、1日の流れ、食事、居室の広さと設備、面会や外泊のルール、料金、医療的な対応、緊急時の連絡体制。
相談支援専門員・ケアマネジャーが見るもの:受け入れ条件、空き状況、対象となる障害の種類や要介護度、加算の体制、医療連携の内容、担当者の連絡先と受付時間、書類のやり取りの方法。
この2種類を1ページに混ぜると、どちらも読みづらくなります。「ご家族の方へ」と「支援関係者の方へ」を分けたうえで、共通する情報(空室・料金・体制)は同じ数字を参照する構造にしてください。数字が二重管理になると、更新のたびに片方だけ古くなります。
見学導線では、次の3点が反響を左右します。
- 申し込み方法を複数用意する(電話・フォーム・メール。高齢の家族は電話、支援専門員はメールを好む傾向がある)
- 見学で何ができるかを事前に書く(所要時間、見られる場所、本人同行の可否、体験利用の有無)
- 返信までの目安時間を明記する(「3営業日以内にご連絡します」)
グループホームのホームページ、できてから決めませんか?
導線3:採用
グループホームの採用ページは、職種ごとに読者がまったく違います。ここで役立つのが実データです。
厚生労働省「令和6(2024)年 社会福祉施設等調査の概況」によれば、共同生活援助事業の常勤換算従事者数は総数110,028人で、その内訳は世話人56,472人、生活支援員35,409人、サービス管理責任者9,976人、看護師329人、その他7,842人となっています(令和6年10月1日現在)。
世話人が全体の半数以上を占めます。障害者グループホームの採用ページで最初に設計すべきは、管理者でもサービス管理責任者でもなく、世話人の募集ページです。世話人は福祉の資格を必須としない職種であることが多く、未経験・地域在住・短時間勤務の応募者が主な読者層になります。専門用語で書かれた求人は、この層には届きません。
職種別の設計指針は次のとおりです。
| 職種 | 主な読者 | ページで伝えるべきこと |
|---|---|---|
| 世話人(障害者GH) | 未経験・地域在住・主婦層・シニア層 | 1日の具体的な仕事内容、シフトの実例、資格不要である旨、研修体制、通勤圏 |
| 生活支援員 | 福祉系の経験者・有資格者 | 支援の方針、対象となる障害の種類、チーム体制、キャリアパス |
| 介護従業者(介護保険GH) | 介護経験者・初任者研修修了者 | 夜勤の頻度と体制、ユニットの人数、認知症ケアの考え方、資格取得支援 |
| サービス管理責任者・計画作成担当者 | 有資格者・転職検討層 | 裁量の範囲、法人の展開方針、書類業務の負荷と支援体制 |
| 看護師 | 兼務・パート希望層 | 勤務形態の柔軟性、対応する医療的ケアの範囲、オンコールの有無 |
夜間の勤務がある業態である以上、夜勤・宿直の体制を隠さずに書くことが、結果的にミスマッチによる早期離職を減らします。採用サイトそのものの作り方は採用サイトの作り方で扱っているので、求人票の書き方や応募導線の設計はそちらを参照してください。
表現のNG/OK — 虚偽・誇大広告の禁止
グループホームの広告表現には、2制度それぞれの省令に禁止規定があります。条文の置き場所が違うため、探しても見つからないことがあります。
根拠条文
介護保険のグループホームは、指定地域密着型サービス基準第3条の34(広告)を第108条で準用します。同条は、事業所について広告をする場合においては、その内容が虚偽又は誇大なものとしてはならないと定めています。
障害者グループホームは、指定障害福祉サービス基準第37条(情報の提供等)を第213条で準用します。同条は2つの項からなります。
- 第1項:利用しようとする者が適切かつ円滑に利用することができるように、事業の内容に関する情報の提供を行うよう努めなければならない
- 第2項:事業者について広告をする場合においては、その内容を虚偽又は誇大なものとしてはならない
条名が「広告」ではなく「情報の提供等」であるため、条文一覧を見出しで探すと見落とします。あわせて注目したいのが第1項です。障害者グループホームには、事業内容に関する情報提供の努力義務が条文として置かれているということであり、これはホームページを持つこと自体の後押しになります。
これに加え、どちらの制度でも景品表示法が一般法として適用されます。優良誤認(実際より著しく優良と示す表示)・有利誤認(取引条件を実際より著しく有利と示す表示)は、省令の禁止規定とは別に問題になります。
NG/OK 対照表
| NG例 | 何が問題か | OKな書き換え |
|---|---|---|
| 「地域No.1のグループホーム」 | 根拠のない優良性の表示 | 「2005年の開設以来、○○市で運営しています」 |
| 「認知症が改善します」 | 効果の保証・誇大 | 「認知症の方が、ご自分のペースで生活を続けられるよう支援します」 |
| 「必ず入居できます」 | 事実と異なる断定 | 「空室状況と受け入れ条件を確認のうえ、ご相談を承ります」 |
| 「業界最安の料金」 | 根拠のない有利性の表示 | 「料金の内訳はこちらのとおりです(家賃・食材料費・光熱水費…)」 |
| 「24時間看護師常駐」(実態は非常勤やオンコール) | 事実と異なる体制表示 | 「日中は看護師が勤務し、夜間はオンコールで対応します」 |
| 「医療的ケア対応可」(一部の行為のみ対応) | 範囲を示さない断定 | 「対応可能な医療的ケアは、○○・○○です。それ以外はご相談ください」 |
| 「アットホームな職場です」(採用ページ) | それ自体は違法でないが情報量ゼロ | 「常勤5名・非常勤8名。夜勤は月4回程度、2名体制です」 |
| 入居者の顔がはっきり分かる写真を同意なく掲載 | 個人情報・肖像権 | 撮影時に用途を説明して書面で同意を得る。後ろ姿・手元・引きの構図を使う |
⚠️ 体験談や口コミを掲載する場合、実在する家族・利用者のものであること、内容が事実であること、掲載の同意を得ていることの3点を満たしてください。効果や満足度を印象づける目的で編集すると、その編集自体が誇大表示と評価されうる領域に入ります。
高齢のご家族にも伝わるデザインの要点
グループホームのホームページの読者は、60〜80代の家族、相談支援専門員・ケアマネジャー、求職者の3層です。最も配慮が必要なのは1層目で、ここを基準に作れば他の2層も読めます。
- 文字サイズは本文16px以上、行間は1.8前後。スマートフォンでの閲覧が多数派になっているため、まずスマホ幅で読みやすいか確認する
- コントラストを確保する。淡いグレーの文字は「上品」に見えても、加齢に伴う視覚の変化がある読者には読めない
- 電話番号はタップで発信できるようにする。ヘッダーに常時表示し、受付時間を併記する
- 写真は「暮らしが分かるもの」を選ぶ。建物の外観だけでなく、居室・食堂・浴室・共有スペース・食事の実物。ただし個人が特定できる写真は同意を得たものだけ
- 専門用語には短い言い換えを添える(「区分」→「障害支援区分(支援の必要度を6段階で示すもの)」など)
- PDFだけで済ませない。重要事項説明書をPDFで置くのは必要ですが、それとは別にHTMLで読める要約を置く。スマホでPDFを読むのは負担が大きく、検索エンジンにも伝わりにくい
デザインの「おしゃれさ」を競う必要はありません。「グループホーム ホームページ」で検索すると美しい制作事例が並びますが、家族が探しているのは美しいサイトではなく、知りたいことが書いてあるサイトです。写真の質と情報の網羅性に予算を配分するほうが、反響につながります。
制作手段4軸と費用の考え方
グループホームのホームページを作る方法は、大きく4つです。詳細な費用相場や依頼先の比較はホームページ制作費用の相場と介護施設のホームページ制作完全ガイドにまとめてあるので、ここではグループホームに固有の判断軸だけを示します。
| 手段 | 初期費用の目安 | 月額の目安 | グループホームで向くケース | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 自作(無料ツール) | 0円〜 | 0〜2千円 | 1住居・空室更新も年数回・とりあえず公表先が要る | 独自ドメインが使えない・広告が入るツールは事業所サイトに不向き |
| ノーコードツール | 0〜10万円 | 1〜5千円 | 自分たちで空室と会議記録を更新したい | テンプレートの構造が業種に合わず、法定項目のページを足しにくいことがある |
| AI自動生成 | 0〜10万円 | 1千〜1万円 | 短期間で一通りのページを立ち上げたい | 生成された文章の事実確認は必須。制度の記述は必ず自分で直す |
| 制作会社に依頼 | 30〜150万円 | 5千〜3万円 | 複数住居・複数事業を運営、採用にも本腰を入れる | 更新を自分でできる仕組みが含まれるかを見積り時に確認 |
グループホーム固有の増分コスト
一般的な事業所サイトに対して、グループホームで追加になるのは次の3点です。見積りを比較するときはこの3点の扱いを揃えてください。
- 公表ページの運用:介護保険のグループホームは運営推進会議が年6回想定、記録の公表もその都度。自分で追加・更新できる仕組み(CMS)が無いと、毎回制作会社に依頼することになり、更新費が積み上がります。
- 空室情報の更新:週次〜月次の更新が現実的。ここも自社更新ができるかどうかで5年の費用が大きく変わります。
- 住居が増えたときのページ追加:障害者グループホームは新設の多い業態です(前述のとおり年+6.7%)。1住居あたりのページ追加費用を最初に確認しておくと、後で驚かずに済みます。
5年で見るとどうなるか
初期費用だけで比べると制作会社が高く見えますが、5年間の総額(初期+月額×60か月+更新依頼の実費)で見ると差は縮みます。逆に、自社更新ができない構成で制作会社に依頼すると、更新依頼の実費が積み上がって最も高くつくこともあります。判断の軸は初期費用がいくらかではなく、会議記録と空室を、誰が、いくらで、何回更新するかです。
ホームページ制作費に使える補助金については、ホームページ制作に使える補助金と小規模事業者持続化補助金でホームページを作るにまとめています。福祉分野の事業所は法人形態によって対象可否が変わるため、公募要領の対象者要件を必ず原文で確認してください。
公開までの進め方(5ステップ)
- 掲載情報の棚卸し(1〜2週間):運営規程・重要事項説明書・指定通知書を手元に出し、前掲のコピペチェックリストを埋める。この作業が全体の品質を決めます。
- 構成設計(1週間):公表義務のページ→必須コンテンツ→3導線の順に組む。集客ページから作り始めないこと。
- 写真撮影(1日):居室・食堂・浴室・共有スペース・外観・食事・スタッフ(同意を得た範囲で)。撮影前に利用者・家族への説明と同意取得を済ませる。
- 制作(3週間〜2か月):制度に関わる記述は、必ず自分たちで読み合わせる。制作会社が書いた法令の説明をそのまま公開しない。
- 公開後の初期運用(公開から1か月):問い合わせが来るか、電話が鳴るか、フォームが届くかを実際にテストする。フォームの送信テストは必ず自分で行う。
一般的な制作の流れはホームページ制作の流れ、制作会社の選定基準はホームページ制作会社の選び方に詳しくまとめています。
公開後の運用 — 止まらない更新体制とMEO・KPI
年間更新カレンダー
グループホームのホームページ運用でつまずくのは、「作った後に誰も更新しない」ことです。義務の発生タイミングにカレンダーを合わせると、更新が業務に組み込まれます。
| 時期 | 介護保険のグループホーム | 障害者グループホーム |
|---|---|---|
| 毎月〜隔月 | 運営推進会議の開催と記録の公表(おおむね2か月に1回以上) | — |
| 随時(週次目安) | 空室状況の更新 | 空室状況の更新 |
| 年1回 | 外部評価または運営推進会議評価の結果を公表 | 地域連携推進会議の開催と記録の公表/構成員による見学機会 |
| 年1回 | 重要事項の記載内容の見直し(報酬改定・体制変更の反映) | 重要事項・運営規程の見直し |
| 随時 | 職員体制の変更、指定内容の変更 | 職員体制の変更、指定内容の変更、対象となる障害の種類の変更 |
評価結果の公表について補足すると、第97条第8項は「定期的に」と定めるのみで頻度を指定していません。上の表の年1回は運用上の目安で、実際に求められる頻度は指定権者の定めによります。
担当者を1人決めて、この表を業務分掌に書き込んでください。「気づいた人が更新する」体制は必ず止まります。
MEO(地図検索)
「○○市 グループホーム」「○○区 障害者グループホーム」で探す家族と支援専門員は多く、Googleビジネスプロフィールの整備は費用対効果が高い施策です。事業所名・住所・電話番号をホームページと完全に一致させ、写真を定期的に追加し、開設時間と受付時間を正確に登録してください。ホームページ側でも所在地・電話番号をテキストで(画像ではなく)記載します。地域集客の考え方はホームページ集客の方法にまとめています。
KPI
見るべき数字は、集客と採用で分けます。
- 入居関連:空室ページの閲覧数、見学申し込み件数、電話の着信数、問い合わせから見学までの転換率
- 採用関連:採用ページの閲覧数、応募数、職種別の応募内訳、応募から面接までの転換率
- 制度対応:公表ページの更新が予定どおり実施されたか(実施率)
アクセス数そのものより、電話が鳴ったか、見学が入ったかを追ってください。グループホームの入居は年間数件〜十数件の世界であり、母数が小さい以上、率よりも件数と経路を見るほうが実態を反映します。
すでにサイトを持っていて成果が出ていない場合は、作り直す前にホームページのリニューアルで現状の診断方法を確認するのが先です。
AI自動生成という選択肢 — シタミの場合
ここまで見てきたとおり、グループホームのホームページで手間がかかるのは、デザインではなく情報を揃えて構造にすることです。運営規程の項目をページに割り付け、公表用のページを作り、3つの導線を分ける。この作業は、制作会社に頼んでも結局は事業所側が資料を出さなければ進みません。
シタミは、対話形式のヒアリングに答えるだけでホームページを自動生成するサービスです。業種と載せたい情報を伝えると、ページ構成と文章の下書きまでを生成します。グループホームのように載せる項目があらかじめ決まっている業態とは相性がよく、「何から書けばいいか分からない」で止まっていた状態を、たたき台のある状態まで一気に進められます。
ただし、制度に関わる記述は必ずご自身で確認してください。本記事で扱った条文の適用関係は、事業所の種別や指定権者の運用で変わります。生成された文章をそのまま公開するのではなく、運営規程・重要事項説明書と突き合わせて事実を確認する工程を必ず挟んでください。この確認は、どの制作手段を選んでも省略できません。
よくある失敗と対策
| 失敗 | 兆候 | 対策 |
|---|---|---|
| 2つの制度を混ぜて書いている | 「グループホームとは認知症の方が…」で始まるのに障害者向けの事業所 | 冒頭で制度を明示し、以降の記述を制度に揃える |
| 空室情報が古いまま | 最終更新日が半年前/「満室」のまま問い合わせが来ない | 更新できないなら数字を出さず「随時ご相談ください」に切り替える |
| 会議記録の公表ページが無い | 会議は開いているがサイトに記録が無い | 公表ページを1本作り、開催のたびに追記する運用にする(情報公表システムには記録そのものを載せる欄がない) |
| 重要事項がPDFだけ | スマホで開くと文字が小さく読めない | HTMLの要約ページを併設し、PDFは補助にする |
| 料金が「お問い合わせください」だけ | 見学申し込みが少ない | 内訳の項目と目安を示し、変動する条件を明記する |
| 採用ページが管理者募集だけ | 応募が来ない | 世話人・生活支援員から先に作る(従事者の半数以上を占める職種) |
| 更新を制作会社に依頼する構成 | 毎回見積りが出る/更新が後回しになる | 発注時にCMSで自社更新できる範囲を明確にする |
| 写真の同意を取っていない | 家族から指摘を受ける | 撮影前の書面同意を運用に組み込み、退去時の取り扱いも決めておく |
よくある質問(FAQ)
障害者グループホームも重要事項をホームページに載せる義務がありますか?
運営推進会議や地域連携推進会議の記録は、ホームページで公表してもよいですか?
情報公表システムに登録していれば、自社のホームページは不要ですか?
ホームページに空室状況を載せると、更新が追いつかなくなりませんか?
料金ページに家賃や食費はどこまで書くべきですか?
「地域で一番のグループホーム」とホームページに書いてはいけませんか?
グループホームのホームページ制作費用はいくらぐらいですか?
まとめ:今日から始める3ステップ
グループホームのホームページ制作は、制度を確定し、公表義務の受け皿を作り、その上に集客と採用を乗せるという順序で進めると、迷いなく形になります。
- 制度を確定する。自分の事業所が介護保険法第8条第20項の認知症対応型共同生活介護か、障害者総合支援法第5条第18項の共同生活援助かを、指定権者・請求区分・職種の3点で確認する。ここが曖昧なままだと、以降のすべてがずれます。
- 公表義務の棚卸しをする。介護保険側なら運営推進会議の記録(おおむね2か月に1回)と評価結果の公表。障害福祉側なら地域連携推進会議の記録と見学機会(2025年4月1日から本義務)。重要事項のウェブ掲載は情報公表システムで足りるので、自社サイトの骨格になるのは、システムでは載せられないこれらの公表物のほうです。
- 3つの導線を分けて作る。入居募集(空室)・見学・採用。特に障害者グループホームの採用は、従事者の半数以上を占める世話人から設計してください。
介護施設のホームページ全体の設計思想と依頼先ごとの費用比較は介護施設のホームページ制作完全ガイドにまとめています。事業所の規模や運営体制に合わせて読み分けてください。