派遣会社のホームページ制作ガイド|マージン率等の公開義務・許可番号・派遣先と登録スタッフの三層設計【2026年版】

記事についての開示: この記事はシタミ編集部が作成しています。記事内に自社サービス「シタミ」の紹介を含みます。労働者派遣法・職業安定法・派遣元指針に関する記述は2026年9月時点のe-Gov法令検索および厚生労働省の公式資料に基づいていますが、法的助言ではありません。個別の掲載可否や運用は、必ず所轄の都道府県労働局(需給調整事業部門)や顧問社労士にご確認ください。
派遣会社のホームページは、一般的な会社のホームページとは前提が違います。法律が「自社サイトに何を載せるか」を実質的に決めているからです。労働者派遣法は派遣元事業主に対し、マージン率をはじめとする一定の情報を関係者に提供する義務を課し、厚生労働省の指針はその方法として「常時インターネットの利用」を原則としています。デザインが良くても、この法定情報が抜けたサイトは労働局の指導対象になり得ます。
この記事は派遣会社を探している求職者や派遣先向けではなく、労働者派遣事業の許可を受けている、または受けようとしている事業者の方が自社サイトを作る/作り直すための実務ガイドです。何を法律上載せるべきか、派遣先(法人)と登録スタッフ(求職者)の導線をどう分けるか、いくらかかり誰に頼むのかを、条文・施行規則・指針・厚生労働省の公式資料にあたって整理しました。
なお人材紹介(職業紹介事業)は労働者派遣とは別の制度で、サイト設計の論点も異なります。本記事は労働者派遣に限定し、紹介予定派遣のように両方の許可が関わる場合だけ触れます。また、一般企業が自社の社員を採用するための採用サイトは採用サイト制作の完全ガイドに、その制作会社選びは採用サイト制作会社の選び方に譲ります。
この記事でわかること
- 派遣会社のサイトは「法定情報公開層」「派遣先向け(BtoB)層」「登録スタッフ向け(BtoC)層」の三層で考えると、載せる場所と更新頻度が決まる
- 労働者派遣法第23条第5項と施行規則第18条の2が定める8項目の情報提供義務は「法律上の義務」、常時インターネットで提供するのは「派遣元指針の原則」、雇用安定措置の実績と教育訓練計画の掲載は「望ましい」の3段階。この区別を正確に押さえると、盛りすぎも抜けも防げる
- 登録スタッフを募集する求人ページには職業安定法第5条の4の「的確表示」が直接かかる。募集主の6情報と「派遣労働者として雇用する旨」を求人1件ごとのテンプレに入れる
- 2026年10月1日施行の改正で、雇入れ時・派遣時の明示事項に「待遇の相違の説明を求めることができる旨」が加わる。登録スタッフ向けページに待遇説明の窓口を置く根拠になる
- 派遣会社固有の費用増分は3つ(お仕事検索機能・年1回の法定情報更新・求人を正確かつ最新に保つ運用)。作り方4択の5年TCOはこの3つで差がつく
派遣会社のホームページが一般的な制作ガイドで作れない理由
派遣会社のホームページとは、派遣先に対する営業窓口であり、登録スタッフに対する募集媒体であり、同時に法律が求める情報提供の場でもある三役の表示物です。一般的な業種のサイトが「見た目と導線」で評価されるのに対し、派遣会社のサイトは掲載内容そのものが労働者派遣法と職業安定法の規制対象になり得る点が決定的に違います。
市場は大きく、事業所は多い
厚生労働省の集計によれば、派遣労働者数は令和7年6月1日現在で約201万人(前年比5.0%増)、集計対象の事業所数は44,110です(出典: 厚生労働省「労働者派遣事業の令和7年6月1日現在の状況(速報)」PDF)。令和6年度の事業報告集計では派遣先件数が約86万件、年間売上高は9兆9,005億円、派遣料金の平均は8時間換算で26,257円(消費税込み)、派遣労働者の賃金の平均は同16,735円でした(出典: 厚生労働省「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」2026年3月31日公表、PDF)。
4万を超える事業所が同じ制度の下で競っている以上、派遣先も登録スタッフも「どの派遣会社を選ぶか」を比べています。そのとき最初に見られるのがホームページであり、法律が公開を求める数字(マージン率など)は、選ばれる根拠にも、避けられる理由にもなります。
三層構造で考える
本記事では、派遣会社のサイトを次の三層で整理します。読者別の二層(派遣先向け・登録スタッフ向け)に、法律が求める「法定情報公開層」を重ねたものです。層ごとに「誰が読むか」「法律が何を求めるか」「更新頻度」が違うため、最初に分けておくと設計も運用も迷いません。
| 層 | 主な読者 | 法律上の位置づけ | 更新頻度の目安 |
|---|---|---|---|
| 法定情報公開層 | 派遣労働者・派遣先・労働局 | 労働者派遣法第23条第5項の情報提供義務(指針で常時インターネットが原則) | 年1回(事業年度ごと)+労使協定の更新時 |
| 派遣先向け(BtoB)層 | 人事・現場責任者・購買 | 直接の掲載義務はないが、派遣先の受入れルール(期間制限・離職後1年など)の説明が営業上の説得材料になる | 四半期〜半年 |
| 登録スタッフ向け(BtoC)層 | 求職者・登録スタッフ | 職業安定法第5条の4の的確表示、労働条件の明示ルール、派遣元指針の個人情報保護 | 求人は随時(正確・最新に保つ義務) |
用語の約束を2つ置きます。本記事では、応募前の求職者と登録済みの人をまとめて「登録スタッフ」と呼びます。また条文の略称として、労働者派遣法を「法」、同施行規則を「規則」、同施行令を「施行令」、派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針(平成11年労働省告示第137号)を「派遣元指針」と書きます。職業安定法とその施行規則は「職安法」「職安法規則」です。
法律が「自社サイトへの掲載」を事実上求めている情報(法第23条第5項)
派遣元事業主は、労働者派遣事業を行う事業所ごとに、派遣労働者の数、労働者派遣の役務の提供を受けた者の数、マージン率、教育訓練に関する事項、その他厚生労働省令で定める事項について情報の提供を行わなければなりません(法第23条第5項)。これが法定情報公開層の根拠条文です。
提供すべき8項目
法律本体と規則第18条の2第3項を合わせると、提供すべき情報は次の8項目になります。厚生労働省もこの8項目を「情報提供が必要な事項」として整理しています(出典: 厚生労働省・都道府県労働局リーフレット「派遣元事業主の皆さまへ 人材サービス総合サイトを積極的にご活用ください!」PDF)。
| # | 提供すべき事項 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 | 派遣労働者の数 | 法第23条第5項 |
| 2 | 派遣先の数(役務の提供を受けた者の数) | 法第23条第5項 |
| 3 | 労働者派遣に関する料金の額の平均額 | 規則第18条の2第3項第1号 |
| 4 | 派遣労働者の賃金の額の平均額 | 規則第18条の2第3項第2号 |
| 5 | マージン率 | 法第23条第5項・規則第18条の2第2項 |
| 6 | 労使協定の締結状況(締結しているか否か。締結している場合は協定対象派遣労働者の範囲と協定の有効期間の終期) | 規則第18条の2第3項第3号・第4号 |
| 7 | 教育訓練に関する事項(キャリア形成支援制度) | 法第23条第5項 |
| 8 | その他労働者派遣事業の業務に関し参考となる事項 | 規則第18条の2第3項第5号 |
マージン率の算定は規則第18条の2第2項が定めており、前事業年度の「派遣労働者1人1日当たりの派遣料金の平均額」から「同じく賃金の平均額」を差し引き、料金の平均額で割ります。事業所単位が原則ですが、他の事業所と一体的な経営を行っている場合はその範囲内で算定することも妨げられません。
「義務」「原則」「望ましい」を書き分ける
ここが一番盛りやすく、また抜けやすいところです。条文と指針の文言を3段階に分けて読みます。
| 段階 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 法律上の義務 | 上記8項目の「情報の提供」。方法は「インターネットの利用その他の適切な方法」 | 法第23条第5項・規則第18条の2第1項 |
| 指針の原則 | 「常時インターネットの利用により、広く関係者、とりわけ派遣労働者に必要な情報を提供することを原則とすること」 | 派遣元指針第2の16 |
| 望ましい | 労働者派遣の期間の区分ごとの雇用安定措置の実績、教育訓練計画を「インターネットの利用その他の適切な方法により」提供 | 派遣元指針第2の16後段 |
つまり、法律の文言は「情報の提供」であり、規則はインターネット以外の方法も許容しています。「常時インターネット」は派遣元指針が定める原則で、2021年(令和3年)4月1日から適用されています(出典: 厚生労働省「派遣会社のマージン率等について」ページ)。本記事では、この構造を正確に書いたうえで、実務上は「自社サイトに常設する」を前提に設計することを勧めます。派遣元指針は労働局の指導の基準であり、原則から外れる合理的な理由を示すのは難しいと考えるためです。
人材サービス総合サイトに載せれば自社サイトは不要か
厚生労働省が運営する「人材サービス総合サイト」には、8項目を直接入力して掲載申込みができる機能があります。労働局のリーフレットは「自社のホームページのみならず」総合サイトの積極的な活用を求めており、両方に載せる運用が想定されています。
実務上の答えは「両方」です。総合サイトは労働局や派遣先の担当者が許可番号や事業所を検索する場所であり、自社サイトは登録スタッフや派遣先が実際に見る場所です。どちらか一方では、派遣元指針が言う「広く関係者、とりわけ派遣労働者に」という要請を満たしにくくなります。総合サイトへの掲載は、自社サイトの更新と同じタイミングで行うと運用が揃います。
載せていない事業所はどれくらいあるか
令和6年度の事業報告集計(表12)によれば、マージン率等の情報提供の手法として「インターネット」を挙げた事業所は33,942所で、提出事業所数に占める割合は77.5%でした。「書類の備え付け」は20,405所(46.6%)、「その他」は1,455所(3.3%)です(複数回答。出典: 前掲「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」)。
原則化から4年前後を経た令和6年度の時点でも、2割超の事業所がインターネットでの提供に至っていないことになります。裏返せば、正しく載せてあるだけで、派遣先の担当者にも登録スタッフにも「きちんと運営している会社」と映るということです。
載せなかったらどうなるか
法第23条第5項の違反に直接の罰金や拘禁刑を定めた条文はありません。労働者派遣法の罰則規定(法第58条から第62条)のうち、違反する条文を列挙する第59条から第61条は無許可営業や届出義務違反などを対象としており、第23条第5項はそこに含まれていません。
ただし処分の対象にはなります。厚生労働大臣は法令違反に対して指導・助言を行い(法第48条第1項)、適正な派遣就業の確保に必要があれば改善命令を出せます(法第49条第1項)。さらに、法律またはこれに基づく命令に違反したときは許可の取消しや事業停止命令の対象になり得ます(法第14条第1項第2号・第2項)。「即違法で罰金」ではなく「指導から始まり、放置すれば許可に響く」という理解が正確です。派遣元指針に反する状態は法第48条第1項の指導・助言の対象になり得るので、公開ページが無い状態は放置しないでください。
更新運用と掲載テンプレ
数値は前事業年度の実績なので、事業年度が終わって事業報告書(法第23条第1項)をまとめた時点で差し替えます。年1回の更新を、事業報告書の提出と同じ担当者・同じ期限で管理すると漏れません。労使協定の更新時には8項目の6番も併せて更新します。
公開ページに載せる項目の並びは、次のテンプレをそのまま使えます。8項目に、読者が誤解しないための補足を足した形です。
- 事業所名・所在地・許可番号(事業所ごとにページまたはブロックを分ける)
- 対象期間(例: 2025年4月1日〜2026年3月31日の実績)
- 派遣労働者の数/派遣先の数(前事業年度の数値)
- 派遣料金の平均額/派遣労働者の賃金の平均額(1人1日当たり。8時間換算が一般的。消費税込みか否かを明記)
- マージン率と、その計算式((料金平均−賃金平均)÷料金平均。小数点以下1位未満を四捨五入)
- マージンに含まれる費用の説明(派遣元が負担する社会保険料、有給休暇の費用、教育訓練費、募集費、事業運営費など)
- 労使協定方式か派遣先均等・均衡方式か。協定方式の場合は協定対象派遣労働者の範囲と有効期間の終期(年月日)
- キャリア形成支援制度(教育訓練の体系、キャリアコンサルティングの窓口)
- 雇用安定措置の実績(望ましい事項として)
このうち「マージンに含まれる費用の説明」は法律上の必須項目ではありませんが、厚生労働省自身がマージンには社会保険料や教育訓練費等が含まれると説明しています。率だけを載せると「その分が会社の利益」と誤解され、応募が減る原因になります。数字と説明を必ず対で載せてください。
派遣先向け(BtoB)層に書くべきこと
派遣先向け層に法律上の掲載義務はありません。ただし、派遣先の担当者が知りたいのは「この会社に頼んで問題にならないか」であり、派遣先側の受入れルールを先回りして説明することが最も効く営業コンテンツになります。法人向け導線の一般論はBtoBサイトの作り方と共通するので、ここでは派遣固有の内容に絞ります。
許可番号は「派遣先の確認義務」に応える情報
派遣先は、許可を受けた派遣元事業主以外から労働者派遣の役務の提供を受けてはなりません(法第24条の2)。無許可で派遣事業を行った側は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です(法第59条第2号)。したがって派遣先の担当者は、取引前に許可の有無を確認します。
許可番号をホームページに載せることを直接命じる条文は、本記事の調査時点で見当たりません。しかし人材サービス総合サイトでは許可番号による検索が可能で、派遣先はそこで照合します。会社概要とフッターに許可番号を常設し、総合サイトの検索と一致させておくのが実務標準です。許可の有効期間は初回が3年、更新後は5年です(法第10条第1項・第4項)。更新のたびに有効期間の表記を見直してください。
なお、2015年(平成27年)の改正(同年9月30日施行)で届出制の特定労働者派遣事業は廃止され、経過措置も2018年9月29日で終了しています。古いサイトに残る「特定労働者派遣事業 届出受理番号」の表記は、そのままでは現行制度と合いません。
派遣先が気にする4つのルールを説明ページにする
| ルール | 内容 | 根拠 | ページでの扱い |
|---|---|---|---|
| 事業所単位の期間制限 | 同一の事業所で派遣可能期間(3年)を超えて受け入れるには、過半数労働組合等の意見聴取が必要 | 法第40条の2第1項〜第4項 | 「3年ルール」の解説と延長手続の流れ |
| 個人単位の期間制限 | 同一の組織単位で同一の派遣労働者を3年を超えて受け入れられない | 法第40条の3 | 同上(無期雇用派遣は対象外である旨も) |
| 離職後1年以内の受入れ禁止 | 派遣先を離職して1年以内の人を、その派遣先に派遣できない | 法第40条の9第1項 | 「元社員を派遣で戻したい」という相談への回答 |
| 日雇派遣の原則禁止 | 日々または30日以内の期間を定めて雇用する労働者の派遣は原則禁止。政令で定める業務、60歳以上、学生、本人または世帯の収入が規則で定める額(500万円)以上などの場合が例外 | 法第35条の4、施行令第4条、規則第28条の3 | 短期ニーズへの対応範囲を明記 |
これらは派遣先の義務や制限であって派遣元の掲載義務ではありませんが、「よくある質問」として1ページにまとめておくと、営業担当が説明する手間が減り、法令を理解している会社として信頼されます。派遣先向けのFAQに載せる文面は、労働局の公式資料の表現に合わせてください。
同一労働同一賃金の方式を明記する
派遣先が派遣元を選ぶとき、待遇決定の方式は実務上の重要事項です。派遣先均等・均衡方式(法第30条の3)では派遣先が比較対象労働者の待遇情報を派遣元に提供する必要があり、労使協定方式(法第30条の4)ではその負担が軽くなります。令和7年6月1日現在、無期雇用派遣労働者874,747人のうち843,039人、有期雇用派遣労働者1,134,347人のうち1,053,767人が協定対象であり、労使協定方式が大勢です(出典: 前掲「令和7年6月1日現在の状況(速報)」)。
自社がどちらの方式かは法定情報公開層の必須項目(8項目の6番)であると同時に、派遣先向けページで「派遣先にお願いする手続き」を説明する起点になります。両方の層で表記を揃えてください。
料金の載せ方
派遣料金をサイトに載せるかどうかは営業判断で、法律上の義務はありません。ただし派遣料金の額の明示義務は派遣労働者に対して定められており(法第34条の2)、料金と賃金の関係はマージン率として公開されます。派遣先向けページに「料金の考え方」(職種別の目安レンジ、料金に含まれる費用、社会保険料や有給休暇費用の位置づけ)を載せる場合は、法定情報公開層のマージン率と矛盾しない説明にしてください。派遣先が両方のページを見比べることを前提に書きます。
登録スタッフ向け(BtoC)層①:求人ページに効く職安法の的確表示
派遣会社が自社サイトで登録スタッフを募集する行為は、職安法上の「労働者の募集」に当たります。求人ページには労働者派遣法とは別に職安法の表示ルールがかかります。
虚偽・誤解を生じさせる表示の禁止と、正確・最新に保つ義務
労働者の募集を行う者は、広告等により募集に関する情報を提供するときは、虚偽の表示または誤解を生じさせる表示をしてはならず(職安法第5条の4第1項)、その情報を正確かつ最新の内容に保たなければなりません(同条第2項)。ここでいう「広告等」には、職安法規則第4条の3第1項により、インターネットを通じた提供が含まれます。虚偽の広告で労働者の募集を行った場合は、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象です(職安法第65条第9号)。
サイト運用に直結するのは第2項です。終了した求人を消さない、時給や勤務地が変わったのに直さない、という状態がそのまま「最新の内容に保っていない」に該当し得ます。求人1件ごとに「掲載日」または「情報の時点」を表示し、締切や充足で非公開にする運用を決めておいてください。厚生労働省の求人企業向けリーフレットも、掲載した時点を明示するなど正確かつ最新の内容に保つ義務があると注意しています。
求人ページに必ず入れる「6情報」
厚生労働省は、インターネットやSNSを含む広告等で労働者を募集するときは、募集主の氏名(または名称)・住所・連絡先・業務内容・就業場所・賃金の6情報を必ず表示するよう求めています。同ページのQ&Aでは、住所はビル名・階数・部屋番号まで、連絡先は電話番号・メールアドレス・自社サイトの問い合わせフォームのいずれかを記載すること、そして会社サイトの募集要項へのリンクだけでは足りず、広告等自体に6情報を記載することが示されています(出典: 厚生労働省「労働者の募集広告の表示について」ページ)。
自社サイトの求人ページ自体が「広告等」なので、求人一覧のカードや個別ページのテンプレに6情報を固定項目として持たせます。SNSや求人検索サイトに転載するときも、リンクだけでなく6情報を本文に入れてください。
明示すべき労働条件と「派遣労働者として雇用する旨」
労働者の募集に当たっては、従事すべき業務の内容、賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければなりません(職安法第5条の3第1項)。明示すべき事項は職安法規則第4条の2第3項が列挙しており、2024年4月1日施行の改正で「業務内容の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」「有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間または更新回数の上限を含む)」が追加されました(出典: 厚生労働省リーフレット「募集時などに明示すべき労働条件が追加されます!」PDF)。
派遣会社に固有なのは同項第8号の「労働者を派遣労働者として雇用しようとする旨」です。求人ページには「雇用形態: 派遣労働者(派遣元は当社)」のように、派遣先に直接雇用されるのではないことが分かる表記を入れます。紹介予定派遣の場合は雇入れ時にその旨を明示する義務があるため(法第32条第1項)、求人段階から表記を揃えておきます。
求人ページのNG/OK対照表
| 書きがちな表記 | 問題点 | 置き換え |
|---|---|---|
| 「大手メーカーで正社員採用!」(実態は派遣) | 雇用形態の誤認。派遣労働者として雇用する旨の明示に反する | 「雇用形態: 派遣労働者(派遣元は当社)/派遣先: 大手メーカー」 |
| 「時給1,500円〜2,000円」で下限の案件がない | 誤解を生じさせる表示 | 実際に募集中の条件を案件ごとに記載 |
| 掲載日なし・終了案件が残っている | 正確かつ最新に保つ義務 | 掲載日と「募集終了」の運用を固定 |
| 「未経験でも月収30万円可能」 | 前提条件が不明で誤解のおそれ | 「月収例: 時給1,400円×8時間×21日+残業20時間の場合」 |
| 「単発1日OK」を一律に訴求 | 日雇派遣は原則禁止 | 政令業務または例外要件(60歳以上等)に該当する場合に限る旨を併記 |
| 会社名・住所を伏せて「勤務地: 都内」のみ | 6情報の欠落 | 募集主の名称・住所(階数まで)・連絡先を固定表示 |
一般的な求人表現の注意点は採用サイト制作の完全ガイドの法令準拠NG表現の章にまとめています。派遣固有の論点は上表で足りますが、派遣先名を出す場合の取り決めは派遣先との契約で確認してください。
登録スタッフ向け(BtoC)層②:登録フォーム・待遇説明の窓口・キャリア形成支援
登録スタッフ向け層は応募数を左右する層ですが、ここにも派遣元指針と2026年10月の改正が関わります。
登録フォームで聞いてよいこと・聞いてはいけないこと
派遣元事業主は、派遣労働者となろうとする者を登録する際、本人の希望・能力・経験に応じた就業機会の確保を図る目的の範囲内で個人情報を収集することとされています(派遣元指針第2の11(1)イ)。人種・民族・社会的身分・門地・本籍・出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項、思想および信条、労働組合への加入状況は、特別な業務上の必要性がある場合を除き収集してはなりません(同)。収集は本人から直接、または本人の同意の下で行うことも求められます(同ロ)。
Webの登録フォームは「聞けるものは全部聞く」設計になりがちです。一次登録は氏名・連絡先・希望職種・希望勤務地・経験の概要に絞り、詳細な経歴や資格は面談または本登録の段階で取得する二段階設計にすると、派遣元指針にも応募率にも合います。本籍や家族構成を必須項目にしているフォームは今すぐ見直してください。
派遣先に「選ばせる」見せ方をしない
派遣元事業主は、紹介予定派遣の場合を除き、派遣先が派遣労働者を特定することを目的とする行為に協力してはなりません(派遣元指針第2の13(1))。登録スタッフの顔写真や履歴書を派遣先向けページで公開し、派遣先に選ばせる設計は、この趣旨に反するおそれがあります。派遣先向けには「対応できる職種・スキル・稼働可能人数」といった集合的な情報を見せ、個人を特定できる情報は出さないのが基本です。
一方、スタッフ本人の体験談や声を登録スタッフ向けページに載せることは差し支えありません。本人の同意と、退職後の掲載取り下げの運用を決めておいてください。
2026年10月1日施行の改正と「待遇説明の窓口」
2026年(令和8年)4月28日に労働者派遣法施行規則と派遣元指針・派遣先指針・同一労働同一賃金ガイドラインの改正が公布され、同年10月1日から施行・適用されます。派遣元事業主については、雇入れ時・派遣時の明示事項に「待遇の相違の内容および理由等について説明を求めることができる旨」が追加されます。改正後の派遣元指針は、派遣労働者から説明の求めがない場合でも、労働契約の更新の際等に、待遇の相違の内容および理由等について説明を求めることができることを周知すること等が望ましいとしています(改正派遣元指針第2の9(5))。
出典は鹿児島労働局「令和8年10月1日より派遣労働者の同一労働同一賃金が改正されます」ページと、日本人材派遣協会「(2026年10月1日施行予定)労働者派遣法施行規則および関係告示が公布されました」ページ、および厚生労働省告示第200号(派遣元指針の一部改正)です。
この明示は文書の交付等で行うもので、ホームページへの掲載が義務づけられたわけではありません。ただし、登録スタッフ向けページに「待遇について説明を求める窓口」(派遣元責任者の連絡先や相談フォーム)を置いておくと、周知の手段として機能し、応募者にも誠実さが伝わります。派遣元責任者は苦情処理や相談機会の確保を担う法定の担当者ですから(法第36条第3号・第5号)、その存在を登録スタッフ向けページで示すのは自然です。
キャリア形成支援は「制度」として見せる
派遣元事業主には、派遣労働者が段階的かつ体系的に技能と知識を習得できるよう教育訓練を実施する義務と、求めに応じて職業生活の設計に関する相談の機会を確保する義務があります(法第30条の2)。これは法定情報公開層の8項目の7番(教育訓練に関する事項)と重なります。登録スタッフ向けページでは「入職時研修」「職種別研修」「キャリアコンサルティング」の3段を制度として図示し、公開層の記載と同じ文言にしてください。制度を持っていること自体が、応募理由になります。
ホームページ、できてから決めませんか?
業態別マトリクス:何を前面に出すか
派遣会社と一口に言っても、派遣先に効くコンテンツと登録スタッフに効くコンテンツは業態で変わります。5つの業態で整理します。
| 業態 | 派遣先に効くコンテンツ | 登録スタッフに効くコンテンツ | 法定層・法務の注意点 |
|---|---|---|---|
| 一般事務・オフィス系 | 対応職種の幅、就業開始までの日数、労務手続きの代行範囲 | お仕事検索、勤務地・時間の条件、在宅可否、福利厚生 | 雇用安定措置と期間制限の説明を厚く |
| 紹介予定派遣 | 直接雇用に至る流れと期間、紹介手数料の考え方 | 「正社員を目指せる」導線、選考の流れ | 職業紹介の許可(無料職業紹介は届出)も必要。求人に紹介予定派遣である旨を明示 |
| 専門職特化(IT・研究・医療事務など) | 技術領域の実績、スキルマップ、無期雇用派遣の比率 | 案件のレベル感、スキルアップの研修、資格支援 | 日雇派遣の政令業務との関係を整理 |
| 地域密着 | エリア×職種ごとの供給力、地元企業の導入事例 | 通勤圏内の案件、拠点の場所と登録会 | 事業所ごとの情報公開 |
| 製造系 | 製造業務専門派遣元責任者の配置、安全衛生の体制、工程別の対応力 | 寮・送迎・日払いなどの条件、未経験からの研修 | 製造業務専門派遣元責任者の選任(人数基準あり) |
各業態の補足
一般事務・オフィス系は有期雇用派遣が中心で、派遣先からは「3年を超えたらどうなるか」、登録スタッフからは「契約が切れたらどうなるか」を必ず聞かれます。派遣先向けには期間制限と延長手続、登録スタッフ向けには雇用安定措置(法第30条)の内容を、それぞれの層に同じ事実を別の言葉で置きます。
紹介予定派遣は、派遣元事業主が職安法等の許可を受けて、または届出をして職業紹介を行うことを前提にした仕組みです(法第2条第4号)。会社概要には労働者派遣事業の許可番号と有料職業紹介事業の許可番号を並べます。派遣先による面接など、派遣労働者を特定することを目的とする行為は紹介予定派遣では例外的に認められますが、範囲は労働局の資料で確認し、通常の派遣の求人と混ぜて書かないでください。
専門職特化では、ソフトウェア開発・機械設計・通訳翻訳・研究開発など、施行令第4条第1項が定める業務は日雇派遣の例外に当たります。短期・スポットの案件を出す場合は、該当する業務であることを求人側で明示すると、登録スタッフの誤解も労働局からの照会も減ります。無期雇用派遣の比率は派遣先にとって期間制限の対象外という意味を持つので、数字で示すと効きます。
地域密着は、法定情報公開が事業所単位である点をそのまま強みにできます。拠点ごとに情報公開ページとエリアページを対にし、「この地域にこれだけの派遣先と登録スタッフがいる」という事実を、法定の数字で裏づける構成です。
製造系は、製造業務に従事する派遣労働者が100人以下なら1人以上、100人を超え200人以下なら2人以上の製造業務専門派遣元責任者を選任する必要があります(規則第29条)。派遣先向けページで責任者体制と安全衛生の連絡調整を示すと、製造現場の担当者が最も気にする点に先回りできます。日払い・週払いを訴求する場合は、賃金の支払方法の記載と日雇派遣の原則禁止との関係を混同されないよう、雇用期間が31日以上であることを求人に明記してください。
派遣会社ホームページの必須コンテンツ一覧(コピペチェックリスト)
三層に共通する土台として「会社概要・信頼層」を加えた4ブロックで、最低限そろえるページと項目です。
法定情報公開層
- 「労働者派遣法第23条第5項に基づく情報提供」ページ(事業所ごと)
- 8項目(上の掲載テンプレの順)
- マージンに含まれる費用の説明と計算式
- 対象期間と更新日
- 人材サービス総合サイトへの掲載(自社サイトと同時更新)
- フッターからの常設リンク
会社概要・信頼層(三層共通の土台)
- 商号・所在地(ビル名・階数まで)・電話・メール・問い合わせフォーム
- 労働者派遣事業の許可番号(紹介予定派遣・人材紹介を行う場合は職業紹介の許可番号も)
- 派遣元責任者の設置と相談窓口
- プライバシーポリシー(登録スタッフ情報の利用目的、第三者提供の範囲)
- 加入団体・認定(日本人材派遣協会の会員、優良派遣事業者認定など該当するもの)
派遣先向け(BtoB)層
- サービス一覧(登録型派遣/紹介予定派遣/無期雇用派遣など)
- 対応職種・業種・エリアと供給力
- 導入までの流れ(問い合わせ→ヒアリング→契約→就業開始)
- 派遣先の受入れルールFAQ(3年ルール・離職後1年・日雇派遣・待遇決定方式)
- 導入事例(派遣先名の掲載可否は契約で確認)
- 問い合わせ・資料請求フォーム
登録スタッフ向け(BtoC)層
- お仕事検索(職種×勤務地×条件)
- 求人テンプレ(6情報/雇用形態: 派遣労働者/変更の範囲/更新基準/掲載日)
- 登録の流れと登録会(オンライン可否)
- 二段階の登録フォーム
- 福利厚生・社会保険・有給休暇の説明
- キャリア形成支援制度(研修体系・キャリアコンサルティング)
- 待遇について説明を求める窓口
- スタッフの声(本人同意・取り下げ運用付き)
サイト全体の品質項目はホームページの品質チェック項目に、コーポレートサイトとしての基本構成はコーポレートサイトの作り方にまとめています。
作り方4択の比較と5年TCO
作り方は大きく4つです。費用相場の一般論はホームページ制作の費用相場に譲り、ここでは派遣会社固有の増分に絞ります。増分は「お仕事検索機能を持つか」「法定情報の年次更新」「求人ページを正確・最新に保つ運用」の3つです。
| 手段 | 初期費用の目安 | 月額の目安 | 派遣会社としての向き不向き |
|---|---|---|---|
| ノーコードで自作 | 0〜5万円 | 1,000〜5,000円 | 法定層・信頼層・派遣先向けの小さなサイトなら成立。求人一覧は手動更新になるため件数が多いと運用が破綻しやすい |
| AIツールで生成 | 0〜3万円 | 0〜3,000円 | たたき台向き。法定情報と求人の表記は自社で点検し、生成文をそのまま公開しない |
| フリーランスに依頼 | 10万〜80万円 | 0〜2万円 | 小規模サイト向き。派遣法・職安法の知識は期待せず、原稿と表記の責任を自社に置く |
| 中小の制作会社に依頼 | 30万〜150万円 | 1万〜5万円 | 最も一般的。求人検索機能や求人CMSを含めると上限側に寄る |
自作の詳細はノーコードでのホームページ作成、AI活用はAIでのホームページ制作にまとめています。人材派遣専門の制作サービスもありますが、各社の価格差が大きく公開値も自社価格であって相場ではないため、ここでは目安を示しません。
5年で見るとどうなるか
TCO(総保有コスト)とは、初期費用・月額・更新費用を数年分積み上げた総額のことです。派遣会社では、法定情報の年1回更新に加えて求人ページの更新が常時発生するため、「更新を誰がどの単価でやるか」で総額が決まります。
| 手段 | 初期 | 月額×60ヶ月 | 更新代行(法定情報年1回+求人テンプレ調整年1回想定) | 5年総額の目安 |
|---|---|---|---|---|
| ノーコードで自作 | 3万円 | 18万円 | 0円(自社対応) | 約21万円 |
| AIツールで生成 | 2万円 | 6万円 | 0円(自社対応) | 約8万円 |
| フリーランスに依頼 | 50万円 | 60万円 | 30万円 | 約140万円 |
| 中小の制作会社に依頼 | 100万円 | 180万円 | 60万円 | 約340万円 |
※ 初期費用は上表レンジの中位付近を丸めた想定値、月額と更新代行は一般的な目安として置いた想定値です。求人1件ごとの掲載作業を制作会社に都度依頼する場合は、この表とは別に件数×単価が加わります。特定のサービスの価格ではありません。維持費の内訳はホームページの維持費・ランニングコストで解説しています。
制作費に補助金を充てられる可能性もあります。要件と時期は年度ごとに変わるため、小規模事業者持続化補助金とホームページで最新の考え方を確認してください。
派遣会社が制作会社を選ぶときの3つの質問
制作会社選びの一般的な基準はホームページ制作会社の選び方に譲り、固有の質問だけ挙げます。
- 求人を自社で追加・更新・非公開にできますか。 職安法の「正確かつ最新」を守れるかは、この一点で決まります。都度依頼が前提の見積りは、運用費が読めません。
- 法定情報公開ページと求人テンプレの項目設計は誰が担当しますか。 制作会社が派遣法・職安法を知っている必要はありませんが、本記事の8項目と6情報を「固定項目」として実装してもらう必要があります。
- 事業所が増えたとき、事業所ごとの情報公開ページを追加する費用はいくらですか。 法定情報は事業所単位です。拠点展開の計画があるなら先に聞いておきます。
シタミの料金プランは料金ページで確認できます。対話に答えるとサイトの形になるところまでは無料で試せるため、社内で企画を通す前のたたき台づくりに使えます。
公開までの手順(法定層から作る7ステップ)
一般的な制作の流れはホームページ制作の流れに譲り、派遣会社に固有の順序だけ示します。
- 事業報告書の数値を確定する。 前事業年度の派遣労働者数・派遣先数・料金平均・賃金平均・マージン率を、事業報告書と同じ数値で用意します。ここが起点です。
- 待遇決定方式と協定の情報を整理する。 労使協定方式なら対象範囲と有効期間の終期を、均等・均衡方式ならその旨を用意します。
- 法定情報公開ページを先に作る。 三層のうち最も内容が固まっており、労働局に見せられる状態が最初にできます。
- 会社概要・許可番号・派遣元責任者・プライバシーポリシーを固める。 人材サービス総合サイトの登録内容と表記を一致させます。
- 求人テンプレを設計する。 6情報・雇用形態・変更の範囲・更新基準・掲載日を固定項目にし、非公開の運用ルールを決めます。
- 派遣先向けページと登録スタッフ向けページを作る。 ファーストビューで「企業の方」「お仕事をお探しの方」に分岐させ、それぞれの導線を独立させます。
- 公開と同時に総合サイトを更新し、年次更新の担当と期限を決める。 事業報告書の提出期限と同じカレンダーに載せます。
ステップ1で決めておくこと
数値を用意する段階で、次の4点を先に決めると、公開ページと事業報告書と総合サイトの数字がずれません。
- 対象期間。 「前事業年度」を年月日で書きます。決算期が3月でない会社は、暦年や年度と混同されないよう明示します。
- 算定の単位。 事業所ごとが原則です。他の事業所と一体的な経営を行っている場合はその範囲で算定できます(規則第18条の2第2項ただし書)が、どの事業所を束ねたかをページに書いておきます。
- 平均額の定義。 1人1日当たりの平均額で、8時間換算にするか、消費税を含むかを決めて表記に反映します。厚生労働省の集計は8時間換算・消費税込みです。
- 端数処理。 マージン率は小数点以下1位未満を四捨五入します(同条同項)。
集客設計:派遣先と登録スタッフで検索の入口が違う
派遣会社のサイトへの検索流入は、派遣先と登録スタッフでまったく別のクエリから来ます。ひとつのページで両方を狙うと、どちらにも刺さりません。
派遣先は「地域×職種×業務」で探す
派遣先の担当者は「〇〇市 人材派遣 事務」「製造 派遣 △△県」のように、地域と職種で検索します。エリアページと職種ページを分け、それぞれに「対応範囲」「就業開始までの日数」「導入事例」を置きます。派遣先向けの受入れルールFAQは、「派遣 3年ルール 延長」「派遣 離職後1年」のような制度クエリの受け皿にもなり、法令に詳しい会社としての認知を作ります。
登録スタッフは「職種×勤務地×条件」で探す
登録スタッフは「〇〇駅 派遣 事務 時短」「派遣 未経験 製造 寮あり」のように条件で探します。求人検索の絞り込み軸をそのまま検索クエリに合わせ、条件ごとの一覧ページが検索結果に出るようにします。「派遣会社 ホームページ」のような広い語で検索すると上位は大手派遣会社の公式サイトで埋まり、Googleはその語を「派遣会社のサイトを探す求職者の検索」と解釈しています。中小の派遣会社が広い語で戦っても勝ち目は薄く、条件の細かい組み合わせで拾うのが現実的です。
求人検索エンジンとJobPosting
求人1件ごとのページに構造化データ(JobPosting)を入れると、Googleの求人検索面に出る可能性があります。実装方法は採用サイト制作の完全ガイドのJobPosting実装の章に譲ります。派遣固有の注意は、雇用形態の値と本文の「派遣労働者として雇用する旨」を一致させることと、募集終了時に構造化データも確実に落とすことです。表示中の求人が実際には終了しているという状態は、職安法の「最新」にも構造化データのガイドラインにも反します。
AI検索に拾われる書き方
AI Overviewのような生成型の検索結果は、「派遣会社のマージン率の公開は義務か」「派遣の3年ルールとは」といった制度の質問に対して、条文と数字を明示したページを引用する傾向があります。法定情報公開ページと派遣先向けFAQで、根拠条文・数値・出典を1文の中で対にして書いておくと、この引用枠を取りやすくなります。基本的な考え方はホームページSEOの基礎とホームページ集客の方法にまとめています。
公開後は、表示速度・SEO・アクセシビリティ・ベストプラクティスの自動診断を品質チェッカーで確認できます。求人ページはページ数が増えやすいので、テンプレの段階で診断しておくと後の修正が減ります。
うまくいかないときの失敗診断表
| 症状 | 考えられる原因 | 打ち手 |
|---|---|---|
| 派遣先からの問い合わせが来ない | トップが登録スタッフ向けに寄り、法人向け導線が埋もれている | ファーストビューで「企業の方」「お仕事をお探しの方」に分岐させ、法人向けページに受入れルールFAQと導入の流れを置く |
| 登録は来るが稼働に結びつかない | 求人の条件表記と実態がずれている。一次登録で聞きすぎて離脱 | 求人テンプレを6情報+変更の範囲で統一し、登録フォームを二段階にする |
| 労働局の指導で情報提供ページを指摘された | 法定情報公開ページが無い、または数値が前々年度のまま | 事業報告書と同じ担当・同じ期限で年次更新を固定する |
| マージン率を載せたら応募が減った | 率だけを載せ、社会保険料や教育訓練費が含まれる説明が無い | 計算式と内訳の説明を数字と対で載せる |
| 求人検索面に出ない、または古い求人が出続ける | JobPostingの雇用形態と本文が不一致。終了求人の構造化データが残っている | 非公開時に構造化データも落とす運用。雇用形態の値を「派遣労働者」の明示と揃える |
| 大手と同じデザインにしたら埋没した | 供給力で勝負すると大手に負ける。地域・職種・業態の特化が見えない | 業態別マトリクスに沿って前面に出す情報を絞り、エリア×職種ページで拾う |
よくある質問(FAQ)
派遣会社のホームページ制作費用の相場はいくらですか?
派遣会社のホームページにマージン率を載せる義務はありますか?
マージン率を公開すると応募が減りませんか?
人材サービス総合サイトに載せれば自社サイトには載せなくてよいですか?
許可番号はホームページに載せなければいけませんか?
派遣料金を派遣先向けページに載せてもよいですか?
人材紹介と派遣を両方やっている場合、サイトは分けるべきですか?
派遣会社のホームページは自分で作れますか?
まとめ:今日から始める3ステップ
派遣会社のホームページ制作は、デザインの前に法定情報公開層を設計するとうまくいきます。最後に、今日から動ける順序に整理します。
- 事業報告書の数値で法定情報公開ページを作る。 8項目を事業所ごとにそろえ、マージン率には計算式と内訳の説明を添えます。人材サービス総合サイトにも同じ内容を載せます。
- 求人テンプレに6情報と「派遣労働者として雇用する旨」を固定する。 掲載日と募集終了の運用を決め、正確かつ最新に保てる体制にします。
- 派遣先向けと登録スタッフ向けの導線を分ける。 ファーストビューで分岐させ、派遣先には受入れルールFAQ、登録スタッフには二段階の登録フォームとキャリア形成支援制度を置きます。
そのうえで集客は、派遣先は地域×職種、登録スタッフは職種×勤務地×条件で積み上げるのが、規制と両立する最短ルートになります。ホームページ制作全体の考え方はホームページ作成の完全ガイドも参考にしてください。