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居酒屋のホームページ作成ガイド|深夜営業の届出・飲み放題の表示・宴会キャンセル料まで【2026年版】

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居酒屋のホームページ作成ガイド|深夜営業の届出・飲み放題の表示・宴会キャンセル料まで【2026年版】

記事についての開示: この記事はシタミ編集部が作成しています。記事内に自社サービス「シタミ」の紹介を含みます。風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)・酒税法・酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律・消費税法・景品表示法・消費者契約法・特定商取引法・労働基準法・二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律に関する記述は2026年9月時点のe-Gov法令検索の条文本体を基本とし、運用については警察庁・消費者庁・農林水産省・国税庁の公表資料を参照していますが、法的助言ではありません。届出の要否、表示の可否、営業時間の取扱いは、必ず所轄の警察署・保健所および消費者庁の窓口にご確認ください。

居酒屋のホームページには、他の飲食店にはない事情が3つあります。団体で予約が入ること、売っているものの中心が酒であること、そして営業時間が夜に伸びることです。

この3つは、いずれもホームページの書き方に直接影響します。宴会のキャンセル料を何日前から何パーセントと書けるのか。「シャンパン」「純米酒」「地鶏」「フレッシュ」という名称を、実態と違う意味で使っていないか。飲み放題の条件を書き切れているか。深夜0時をまたいで営業するとき、届出が要るのはどんな店で、要らないのはどんな店か。ところが、居酒屋のホームページを扱う記事を上位から順に読んでも(2026年9月時点)、この3つに触れているものは1本もありません。1位から順に「デザイン12選」「作成4ステップ」「デザイン10選」と並び、法令の話は上位3記事すべてで出てきません。

この記事は、デザイン事例集ではありません。居酒屋という業種でホームページが担うべき役割を、条文と行政通達と公的統計から組み立て直したものです。

飲食店に共通する必須コンテンツ・料理写真の撮り方・予約システム4択の比較・グルメサイトとの役割分担・費用相場については飲食店のホームページ作成完全ガイドで扱っているため、この記事では居酒屋に固有の論点に集中します。


この記事でわかること

  • 居酒屋の集客でホームページが担う6つの役割と、集客の入口を期待してはいけない理由
  • 深夜0時以降も営業するなら営業所ごとに届出が必要になる条件と、「シメの麺類を出しているから不要」が通らない理由。さらに届出を出しても営業できない禁止地域があり、その違反は無届より重いこと。そして罰金より実務で効く営業停止(最大6か月)は、深夜営業の有無を問わず許可を持たない居酒屋すべてにかかりうること
  • 0時以降にカラオケを勧めたりスポーツ観戦で応援させたりすると、届出ではなく許可の対象になる境界
  • 22時以降は18歳未満の立入りが制限され、20歳未満には酒類を提供できないという、年齢の違う2本の線。さらに深夜の客引きも同じ条で禁じられていること
  • 主食の除外に乗らない店が22時を過ぎて酒を出すなら、0時前に閉めていてもかかる従業者名簿と年齢確認の義務(いずれも100万円以下の罰金)
  • 「純米酒」「シャンパン」「フレッシュ」「地鶏」を書くときの景品表示法上の境界(消費者庁のQ&Aと対照)と、価格を税込で書く義務(消費税法63条・免税事業者を除く)
  • 宴会のキャンセル料を消費者契約法9条に沿って設計する方法と、一律設定が危ない理由
  • 「お酒、お持ち帰りできます」の一文が酒税法上の免許の要否を変えてしまう構造と、通販を始めたときにサイトに義務づけられる3つの表示(位置と文字サイズまで指定されています)
  • 18歳未満のアルバイトをホールに入れられる時間が、労働基準法だけを見ると誤る理由
  • 制作手段4パターンの5年間の総額と、忘年会シーズンに合わせた更新運用

居酒屋のホームページは「集客の入口」ではない

居酒屋のホームページとは、食べログ・ホットペッパーグルメ・Googleマップ・Instagramが構造上引き受けられない情報と手続きを置くための場所です。新規客が店を「見つける」入口そのものは、すでにこの4つに移っています。そこを取り戻そうとしてホームページを作ると、ほぼ確実に失敗します。

主戦場はすでに4つの外部サービスにある

理由は単純で、この4つはそれぞれ強い専門性を持っているからです。食べログとホットペッパーグルメは検索と比較と予約の導線を持ち、Googleマップは位置と営業時間と経路を持ち、Instagramは今日の様子を流す速度を持っています。同じ土俵で戦っても、後発の自社サイトが勝てる要素はありません。

ホームページが担う6つの役割

ではホームページは何をするのか。外部サービスが構造的に置けない情報を引き受けるのが役割です。

役割内容ホームページでなければ難しい理由
① 宴会・コースの提示人数帯別のコース内容、飲み放題の対象銘柄、追加料金、席のレイアウトグルメサイトのコース枠は文字数と項目が固定で、条件の細部を書き切れない
② 予約条件の明示予約可能人数、貸切の最低人数、キャンセル料の区分、当日の連絡先契約条件にあたるため、自社が管理する場所に置く必要がある
③ 団体・法人の受け皿請求書払い、領収書の宛名、幹事向けの資料、下見の受付法人幹事は必ず屋号で検索して自社サイトを確認する
④ 採用仕込みの時刻、1日の流れ、シフトの実際、深夜帯の扱い求人媒体の定型フォーマットに収まらない
⑤ 恒久情報の置き場店の成り立ち、こだわり、産地、系列店の一覧一度書けば参照され続ける。SNSでは流れて消える
⑥ 取材・卸・催事の窓口メディア対応、仕入れ先からの連絡、イベント出店の相談予約電話と混線させたくない問い合わせを分けられる

居酒屋固有なのは①②③

このうち①②③が居酒屋固有です。カフェやラーメン店には「20名で貸切、幹事が法人、キャンセル料の取り決めが要る」という取引がほとんど発生しません。カフェのホームページでSNSとどう役割を分けるかはカフェのホームページの作り方に、ラーメン店の行列や限定メニューの扱いはラーメン屋のホームページ作成ガイドにまとめています。

言い換えると、居酒屋のホームページは「宴会の受付窓口」として設計するのが最も費用対効果が高いということです。1人客・2人客はグルメサイトとGoogleマップで足ります。ホームページが効くのは、金額が大きく、条件が複雑で、事前の合意が必要な取引です。

集客の考え方そのものはホームページ集客の基本で扱っています。


いまホームページに投資してよい局面か ―― 自店の数字で決める

作るべきかどうかは、業界平均ではなく自店の数字で決まります。ただし、判断の前提として知っておくと有利な構造変化が1つあります。

酒は「量」から「質」へ移っている

国税庁の「酒のしおり(令和8年7月)」によると、清酒の課税数量は昭和48年度のピーク時177万キロリットルから、令和6年度には約38万キロリットル(375,984キロリットル。年度ベースの課税数量)まで減っています。3割以下です。ところが同じ資料で、清酒の課税移出数量をタイプ別に見ると様相が変わります。普通酒は減少傾向にある一方、純米酒や純米吟醸酒は平成25酒造年度の9.2万キロリットルから令和6酒造年度の10.5万キロリットルへ、約14.6パーセント増加しているとされています(ここから先は酒造年度ベースの課税移出数量で、上の年度ベースの課税数量とは集計の基準が違います。数量は万キロリットル単位に丸めた表示なので、丸める前の数値で計算した増加率とは端数がずれます)。

構成比で見ると、この対比はもっとはっきりします。同資料の「付表2 特定名称酒のタイプ別課税移出数量の推移表」に載っている範囲(平成26酒造年度から令和6酒造年度)で計算すると、清酒全体の課税移出数量が567,209キロリットルから381,731キロリットルへ約33パーセント減るあいだに、純米吟醸酒の構成比は6.5パーセントから12.9パーセントへ、ほぼ倍増しています。総量が3分の2に縮むなかで、高付加価値帯だけが割合を伸ばしているわけです。

この2つの数字が意味するのは、飲む総量は落ちているが、選んで飲む層は増えているということです。居酒屋の現場に翻訳すると、「安い」「たくさん」で集めるより、「何を置いているか」で選ばれる比重が上がっている。銘柄・産地・造りを書くことに、経済的な合理性があるわけです。

そして後述するとおり、その「何を置いているか」の書き方は景品表示法の射程に入ります。銘柄を書く理由と、書き方を間違えたときのリスクは、同じ場所にあります。

投資してよいかを3問で判定する

質問はいいいえ
Q1. 月に1件以上、10名を超える宴会・貸切の問い合わせがあるか次へホームページより先にGoogleビジネスプロフィールの整備を
Q2. 幹事から「コース内容」「キャンセル料」「席のレイアウト」を毎回口頭で説明しているか次へグルメサイトのコース枠で足りている可能性が高い
Q3. 求人を年に1回以上出しているか、または今後1年で出す予定があるか作る価値が高い①宴会の提示と②予約条件のためだけの小さなサイトで足りる

3問すべてが「はい」なら、ホームページは電話対応の時間を削る道具として元が取れます。1問目が「いいえ」なら、先にやることがあります。


深夜0時以降も開けるなら、営業所ごとに届出が要る

居酒屋のホームページを作るとき、デザインより先に確認すべきことがあります。自店が「深夜酒類提供飲食店営業」に当たるかどうかです。当たる場合、サイトに営業時間を「〜翌2:00」と書く前に、公安委員会への届出が必要になります。

なお、0時以降に客へ遊興をさせる店は、この届出ではなく別の許可の対象になります。まず自店がどちらの枠組みに入るかを切り分けてください。

「深夜」は午前0時から午前6時まで

風営法33条1項は、こう定めています。

酒類提供飲食店営業を深夜において営もうとする者は、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する公安委員会に、次の事項を記載した届出書を提出しなければならない。

ここでいう「深夜」は日常語ではありません。同法13条1項が括弧書きで「深夜(午前零時から午前六時までの時間をいう。以下同じ。)」と定義しており、この定義が法全体に及びます。つまり23時59分に閉めるなら届出は不要で、0時を1分でもまたぐなら対象になり得るということです。「夜遅くまで営業しているから」ではなく、0時という明確な時刻で切れます。

ただし、ここで早合点しないでください。届出の期限を決めるのは午前0時ですが、風営法上の義務が始まる時刻はもう1つ、午後10時です。33条6項は「酒類提供飲食店営業(午前六時から午後十時までの時間においてのみ営むものを除く。)」という括り方をしており、この括りを名宛人とする別の義務があります(後述の採用の項で扱います)。「0時前に閉めるから風営法は関係ない」は、届出については正しく、この別の義務については誤りです。

「うちはシメのラーメンを出しているから対象外」は通らない

ここからが本題です。「酒類提供飲食店営業」を定義しているのは、風営法2条13項4号の括弧書きです(13項自体は接客業務受託営業の定義規定で、4号はその委託元業態の1つとして置かれています)。

飲食店営業(…)のうち、バー、酒場その他客に酒類を提供して営む営業(営業の常態として、通常主食と認められる食事を提供して営むものを除く。以下「酒類提供飲食店営業」という。)

警察庁の解釈運用基準(第11・7)も、「酒類提供飲食店営業」とは「飲食店営業のうち、バー、酒場その他客に酒類を提供して営む営業(営業の常態として、通常主食と認められる食事を提供して営むものを除く。)」をいう、と同じ範囲で説明しています。定義そのものに時間の要素はありません。時間で切っているのは、前に見た33条6項のような別の条文の側です。

括弧書きに除外があります。主食を出している店は、深夜に酒を出しても「酒類提供飲食店営業」に当たらないという構造です。ここだけを読むと、「うちはご飯ものも麺類も置いているから対象外だ」と結論したくなります。

ところが、この除外の輪郭は条文からは読み取れません。書かれているのは警察庁の通達のほうです。「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準について」(令和8年7月1日付け警察庁丙保発第3号、丙人少発第22号)は、「営業の常態として」の解釈について3点を挙げています。

ア 営業時間中客に常に主食を提供している店であることを要し、例えば、1週間のうち平日のみ主食を提供する店、1日のうち昼間のみ主食を提供している店等は、これに当たらない。

イ 客が飲食している時間のうち大部分の時間は主食を提供していることを要し、例えば、大半の時間は酒を飲ませているが、最後に茶漬を提供するような場合は、これに当たらない。

ウ 「通常主食と認められる食事」とは、社会通念上主食と認められる食事をいい、米飯類、パン類(菓子パン類を除く。)、めん類、ピザパイ、お好み焼き等がこれに当たる。

イが決定的です。「大半の時間は酒を飲ませているが、最後に茶漬を提供するような場合」は除外に当たらないと、通達が名指しで否定しています。シメのお茶漬け、シメのラーメン、〆パフェの前の焼きおにぎり。典型的な居酒屋の営業形態は、ほぼそのままこの例に当てはまります。

さらに同じ通達は、「酒類を提供して営む」とはアルコール分1度以上の飲料を客に提供して営むことをいい、提供する酒類の量の多寡を問わないとしています。「うちはほとんど食事メインで、酒は少ししか出ない」という言い分は、量を理由にする限り効きません。

条文だけを読むと除外に乗れそうに見え、通達まで辿ると乗れないと分かる。この落差が、居酒屋のホームページ記事で一度も説明されてこなかった部分です。

届出が要るかの判定フロー

質問はいいいえ
Q0. 午前0時以降、客に遊興をさせるか(勧奨・合いの手・呼び掛けを伴うもの)届出ではなく特定遊興飲食店営業の許可の対象(この節の「0時以降に客へ遊興をさせるなら、届出ではなく許可」で扱います)次へ
Q1. 午前0時以降も営業するか次へ届出は不要
Q2. アルコール分1度以上の飲料を提供するか(量は問わない)次へ対象外
Q3. 営業時間中、常に主食を提供しているか(平日のみ・昼のみは不可)次へ届出が必要
Q4. 客が飲食している時間の大部分で主食を提供しているか(シメだけは不可)除外に当たり得る届出が必要

Q3とQ4の両方が「はい」のときだけ除外に当たり得ます。どちらかが「いいえ」なら届出の対象です。実務上、一般的な居酒屋はQ4で「いいえ」になります。最終的な判断は所轄の警察署に確認してください。

営業所ごとに、10日前までに

条文が「営業所ごとに」と書いている点も重要です。2店舗あれば2件、3店舗あれば3件、それぞれ所轄の公安委員会へ届け出ます。本社でまとめて1件、ではありません。この帰結はサイトの構造に影響するので、後の多店舗の項で扱います。

届出書に記載するのは、氏名または名称および住所(法人はこれに加えて代表者の氏名)、営業所の名称および所在地、営業所の構造および設備の概要の3点です。提出期限は施行規則103条3項により、深夜における営業を開始しようとする日の10日前までとされています。届出をしないまま深夜に営業した場合、55条6号により50万円以下の罰金の対象になります。

届出を出しても営業できない地域がある ―― 33条4項

届出を出せば必ず深夜営業できるわけではありません。33条4項は、都道府県が政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、地域を定めて、深夜において酒類提供飲食店営業を営むことを禁止することができるとしています。多くの自治体が住居が集まる地域を禁止地域に指定しており、そこでは届出の有無にかかわらず深夜営業ができません。この条例に違反した場合の罰則は51条1項10号の1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金(併科あり)で、届出を出さなかった場合(55条6号・50万円以下の罰金)より重い罪です。

条例の施行時にすでに届出を出して深夜営業していた営業には33条5項の経過措置がありますが、警察庁の解釈運用基準(第29・3)によれば、営業所の新築・移築・増築等をすると適用がなくなります。サイトに「〜翌2:00」と書く前に、出店・移転の段階で所轄の警察署に禁止地域を確認してください。

0時以降に客へ遊興をさせるなら、届出ではなく許可

0時をまたいで酒を出し、かつ客に遊興をさせる店は、届出ではなく許可の対象です。

風営法2条11項は「特定遊興飲食店営業」を、ナイトクラブその他設備を設けて客に遊興をさせ、かつ客に飲食をさせる営業(客に酒類を提供して営むものに限る)で、午前6時後翌日の午前0時前の時間においてのみ営むもの以外のもの(接待をする店のように風俗営業に該当するものは除かれます)、と定義しています。ちなみに、除かれる側に落ちたら軽くなるわけではありません。接待(2条3項の「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」)をすれば2条1項1号の風俗営業となり、3条1項の許可が必要で、無許可営業は49条1号の5年以下の拘禁刑もしくは1000万円以下の罰金(併科あり)、法人は57条1項1号により3億円以下の罰金です。これに当たると31条の22により営業所ごとに公安委員会の許可が必要で、無許可営業は50条4号の2年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金(併科あり)です。無届の50万円とは桁が違います。なお許可を取ると、営業所ごとの管理者の選任(31条の23が準用する24条1項。違反は55条5号・50万円以下の罰金)など、許可営業としての義務が別途かかります。

問題は「遊興」の輪郭で、これも条文には書かれていません。警察庁の解釈運用基準は、営業者側の積極的な行為によって客に遊び興じさせる場合が規制対象だとしたうえで、当たる例と当たらない例を並べています。居酒屋に関係するものを抜き出すと、境界はこうなります。

行為遊興に当たるか
カラオケ装置を設け、客に歌うことを勧奨し、歌に合わせて照明の演出・合いの手を入れ、または歌を褒めはやす当たる((2)⑤)
カラオケ装置を設け、客が自分から歌うことを要望した場合にマイクや歌詞カードを手渡し、または装置を作動させる当たらない((3)②)
スポーツ等の映像を客に見せるとともに、客に呼び掛けて応援等に参加させる当たる((2)⑥)
スポーツ等の映像を単に客に見せる(客自身が応援等を行う場合を含む)当たらない((3)⑤)
歌手がその場で歌う歌、バンドの生演奏等を客に聴かせる当たる((2)②)
単にテレビの映像や録音された音楽を流す当たらない((1)ア)

なお通達はいずれの類型についても「不特定の客」を要件に置いています。会員制や貸切のイベントは別に考える必要があります。

分かれ目は、店が声をかけたか、盛り上げたかです。同じカラオケでも、勧めて合いの手を入れれば許可が要り、頼まれてマイクを渡すだけなら要りません。同じスポーツ中継でも、店が音頭を取って応援させれば許可が要り、流しているだけなら要りません。

なお同基準は、平素は遊興をさせていない深夜酒類提供飲食店営業のバー等が、関心の高い試合のときに反復継続の意思なくたまさか短時間だけ遊興をさせた場合には、営業としての継続性が認められないとしています。ただし同基準は続けて、短期間の催しでも2晩以上にわたって行われるものには継続性が認められるとしています。このセーフハーバーに乗るのは、文字どおり1晩限りの単発の場合です。ワールドカップやオリンピックのように複数の試合日にまたがる応援企画は、繰り返した時点で継続性が認められる側に入ります。さらに同基準は、1回につき1晩のみ開催される催しを繰り返す場合について、「引き続き6月以上開催されない場合」に限り継続性が認められず営業に当たらないとしています。トリガーは前回からの間隔で、法8条3号の「引き続き六月以上営業を休止し」の趣旨に鑑みたものです。年1回の年越しカウントダウンのような催しはこちらに乗りますが、月1回の企画を続けるような場合は間隔が6か月未満なので、継続性が認められる側です。

営業停止は、深夜に開けない店にもかかる

無届でも条例違反でも、実務で効くのは罰金より営業停止です。風営法34条1項は、飲食店営業者またはその代理人等が当該営業に関し法令またはこの法律に基づく条例の規定に違反し、善良の風俗もしくは清浄な風俗環境を害し、または少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるときに、公安委員会が必要な指示をすることができるとしています。2項は、著しくそのおそれがあるとき、またはこの法律に基づく処分に違反したときに、6か月を超えない範囲で営業の全部または一部の停止を命ずることができるとしています。停止命令に違反すると50条3号により2年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金(併科あり・57条1項2号で法人にも罰金刑)です。

名宛人に注意してください。34条が名指ししているのは「飲食店営業を営む者」です。深夜営業の有無も、主食の除外の可否も問いません。届出のいらない22時閉店の店にも、届出済みの店にも、0時前にカラオケを勧奨している店にもかかります。しかも1項の入口は「法令…の規定に違反した場合」なので、風営法違反に限られません。

ただし「飲食店営業」の定義(2条13項4号の括弧書き)は「前三号に掲げる営業に該当するものを除く」としており、この定義は「以下同じ」で法全体に及びます。前三号には接待飲食等営業と特定遊興飲食店営業が入るので、接待の許可を取った店(風俗営業者)は26条、特定遊興の許可を取った店は31条の25という、より重い取消・停止規定の側に移ります(どちらも許可の取消しがあり、34条2項にはありません)。許可を要しない一般の居酒屋は、例外なく34条の対象です。なお無許可で接待や遊興をしていた店についても、通達(第32・7(2))は、その行為だけをやめて飲食店営業を続けようとする場合には34条1項・2項で指示・停止ができるとしています。

なお深夜に営業する飲食店には、届出とは別に32条1項(営業所の構造・設備を国家公安委員会規則の技術上の基準に適合するように維持する義務)と32条2項(14条の照度・15条の騒音振動の準用。施行規則101条の数値は20ルクスで、20ルクス以下の照度で営業してはならない=20ルクスを超える明るさを保つ)もかかります。これらに直接の罰則はありませんが、違反は34条1項の指示や2項の営業停止の入口になります。2項は「著しく」おそれがあるときと処分違反のときを要件としており、1項の指示を経ずに直接停止を命じられる場合があります。

屋号を変えるときは、サイトより先に変更届

見落とされやすいのが変更届です。風営法33条2項は、届出事項に変更があったときも届出書の提出を求めており、その対象には営業所の名称が含まれています。期限は施行規則104条が42条を読み替えて準用しており、10日以内(法人の名称・住所・代表者の氏名に係る変更は20日以内)です。この変更届を出さなかった場合は56条3号により30万円以下の罰金の対象になります。

つまり、ホームページのリニューアルに合わせて屋号を変えると、公安委員会への変更届が発生します。サイトの公開日だけを決めて動くと、届出が後追いになります。リニューアルの工程表を引くときは、屋号変更の有無を最初に確認してください。ホームページ制作の進め方そのものはホームページ制作の流れにまとめています。

ホームページには何を書くか

届出そのものは行政手続なので、届出番号をサイトに掲載する義務はありません。書くべきなのは、営業時間の正確な表記です。

  • ラストオーダーと閉店時刻を分けて書く
  • 曜日で終了時刻が変わるなら曜日ごとに書く
  • 「〜翌2:00」のように日付をまたぐことが分かる書式にする
  • 「深夜はカラオケで盛り上がれます」「みんなで応援しましょう」と書くことは、遊興をさせていると対外的に表明することになる。書く前に、自店の運用に勧奨・合いの手・呼び掛けが含まれるかを確認する

営業時間はGoogleビジネスプロフィール・グルメサイト・自社サイトの3か所に存在し、最も更新が漏れるのが自社サイトです。年末年始や大型連休の変則営業を書いたまま戻し忘れる事故が起きやすいので、変則営業は本文に直接書かず、お知らせ欄に日付付きで出して期限が来たら消す運用にしてください。


客をめぐる3本の線 ―― 22時以降の入店、20歳未満への酒類、深夜の客引き

居酒屋のホームページに「お子様連れ歓迎」「ファミリーでどうぞ」と書く前に、客について確認しておくべき規制が3つあります。時間帯による立入りの制限、酒類提供の禁止、そして深夜の客引きです。前の2つは同じ22条1項でも号が違います。3つ目は年齢ではなく時間帯だけで効きます。

先に用語を1つ整理します。この記事では「未成年」という語を使いません。2022年4月の民法改正で成年年齢が18歳に引き下げられたため、「未成年」は18歳未満を指すようになり、飲酒の話で使うと18歳と19歳が漏れるからです。立入りの制限は18歳未満、酒類提供の禁止は20歳未満。年齢で引かれる線が2本あり、数字が違います。従業員についてはもう1本、別の線が引かれています(後述の採用の項で扱います)。

22時以降、18歳未満の客を店に入れられるか

風営法32条3項は、22条1項(3号を除く)を飲食店営業を営む者に準用しています。読み替えを反映した5号は、次の内容になります。

午後10時から翌日の午前6時までの時間において18歳未満の者を営業所に客として立ち入らせることを禁じる。ただし保護者が同伴する18歳未満の者を客として立ち入らせる場合を除く。

ここは注意が必要です。同じ通達の第28・3は、この禁止に対する除外として施行規則102条の営業しか挙げておらず、保護者同伴の除外に触れていません。通達本文だけを読むと「22時以降は保護者同伴でも不可」と誤読します。読み替え後の条文には除外が明記されているので、条文本体を正とするのが正確です。

除外される業態もあります。施行規則102条は、①営業の常態として通常主食と認められる食事を提供して営む飲食店営業、②それ以外で茶菓類以外の飲食物を提供して営む飲食店営業(酒類を提供して営むものを除く)を挙げています。②の括弧書きについて、通達第28・3は「このような飲食物を提供する飲食店営業であっても、午後10時以後酒類を提供する場合(自動販売機による販売を含む。)は、同号に規定する飲食店営業から除かれる」としています。22時以降に酒を出す店は②には乗れません。①に乗れるかどうかは、主食の除外で見た「常に」「大部分の時間」の判定と同じです。一般的な居酒屋は、どちらにも当たらないと考えておくのが安全です。

20歳未満への酒類・たばこの提供は時間帯を問わず禁止

22条1項6号は読み替えなしで準用されます。すなわち営業所で20歳未満の者に酒類またはたばこを提供することは、時間帯にかかわらず禁じられます。

これとは別に、二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律が営業者に2つの義務を課しています。

営業者ニシテ其ノ業態上酒類ヲ販売又ハ供与スル者ハ二十歳未満ノ者ノ飲用ニ供スルコトヲ知リテ酒類ヲ販売又ハ供与スルコトヲ得ス(1条3項)

営業者ニシテ其ノ業態上酒類ヲ販売又ハ供与スル者ハ二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ防止ニ資スル為年齢ノ確認其ノ他ノ必要ナル措置ヲ講ズルモノトス(1条4項)

1条4項が年齢確認を法律上の措置として求めている点が重要です。単なる自主的な取り組みではありません。1条3項に違反した場合、3条1項により50万円以下の罰金が科され、4条の両罰規定により法人にも同額の罰金が科され得ます。

これとは別に、風営法22条1項5号・6号の違反そのものにも罰則があります。同法51条1項4号は、22条1項4号から6号まで(32条3項において準用する場合を含む)の違反について1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその併科を定めており、57条1項2号により法人にも罰金刑が科され得ます。22時以降に18歳未満の客を入れることも、20歳未満に酒を出すことも、この範囲に入ります。

深夜の客引きは、22条1項1号・2号で禁じられる

32条3項が準用するのは4号・5号・6号だけではありません。1号・2号も準用対象です(除かれるのは3号だけです)。1号は当該営業に関する客引き、2号は客引きのために道路その他公共の場所で人の身辺に立ちふさがりつきまとうことで、いずれも「当該営業(深夜における営業に限る。)」という読み替えを受けます。違反は53条1号により6か月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその併科です。

3本目のこれだけは年齢と無関係に、深夜営業であることだけで効きます。深夜帯に店頭で声かけをしている店は、その運用自体と、求人ページの業務内容の書き方(後述の採用の項で扱います)を見直してください。

サイトにはこう書く

法令上、これらをホームページに掲載する義務はありません。しかし書いておくと、来店前の期待値のずれとトラブルを減らせます。

書く場所文面の型
店舗情報の近く「22時以降、18歳未満のお客様のご入店は保護者同伴の場合に限らせていただきます」
ドリンクページの冒頭「20歳未満の方への酒類の提供はいたしません。年齢確認のため身分証のご提示をお願いする場合があります」
宴会・コースページ「20歳未満の方が含まれる場合は、ご予約時にお知らせください。ソフトドリンクのコースをご用意します」

3つ目が実務的に効きます。歓送迎会や部活動の打ち上げでは、幹事が20歳未満の参加者の有無を事前に伝えられずに当日もめることが起きます。予約フォームに人数と一緒に確認欄を置いておくだけで、現場の負担が大きく減ります。


メニューと価格の表示ルール

居酒屋のホームページで最も規制と接触するのが、ドリンクメニューとコースの記載です。理由は2つあります。酒には規格が定められた名称が多いことと、飲み放題という「条件つきの提供」を売っていることです。

まず、ホームページ自体が「表示」に当たる

景品表示法5条は、事業者が自己の供給する商品・役務の取引について、実際のものより著しく優良と示す表示(1号・優良誤認)や、取引条件が著しく有利と誤認される表示(2号・有利誤認)を禁じています。

問題は「表示」の範囲です。消費者庁「メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について」(平成26年3月28日。平成26年12月1日・平成28年4月1日一部改定)は、景品表示法の対象となる表示に「情報処理の用に供する機器による広告その他の表示(インターネット、パソコン…)」を明示的に含めています。店頭のメニュー表だけでなく、ホームページに載せたドリンクリストも同じ規制の対象です。

しかも紙のメニューと違い、ホームページは更新が遅れます。仕入れ先を変えたのにサイトの銘柄表記が古いまま、という状態が起きやすい。ここが居酒屋特有のリスクです。

そしてその古いままを放置しないこと自体が、法律上の義務です。景品表示法22条1項は、事業者に対し、商品または役務の内容に係る「表示に関する事項を適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講じなければならない」と定めています。後の項で「閑散期に表示の棚卸しを」と書きますが、これは運用のコツである前に、この22条1項が求めている措置そのものです。

違反したときの帰結も押さえておいてください。措置命令のほかに、8条1項の課徴金があります。額は課徴金対象期間の売上額に100分の3を乗じて得た額です。ただし同項ただし書により、事業者が表示の問題を「知らず、かつ、知らないことにつき相当の注意を怠つた者でないと認められるとき」、または算定した課徴金の額が150万円未満であるときは、納付を命ずることができないとされています。前者について、22条1項の管理体制を実際に回していたかどうかが効いてきます。さらに48条は、優良誤認・有利誤認にあたる表示をしたときの100万円以下の罰金を定め、49条1項2号により法人にも罰金刑が科され得ます。

価格は税込で書く ―― 消費税法63条

表示が規制の対象だとして、価格をどう書くかには、景品表示法とは別の義務がかかります。消費税法63条はこう定めています。

事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)は、不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等(…)を行う場合(専ら他の事業者に課税資産の譲渡等を行う場合を除く。)において、あらかじめ課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の価格を表示するときは、当該資産又は役務に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格を表示しなければならない。

ホームページのメニューやコース料金は「不特定かつ多数の者」に向けてあらかじめ価格を表示する行為なので、これに当たります。免税事業者を除き、税込価格の表示が求められます。税別価格を併記すること自体は妨げられませんが、税込価格が主たる表示になるようにしてください。この義務は、以下で見る飲み放題の料金にも、お通しにも、コース料金にも等しくかかります。

消費者庁のQ&Aと、居酒屋のメニューを突き合わせる

同資料は具体的なQ&Aを載せています。居酒屋のホームページに直接当たるものを抜き出すと、次のようになります。

表示実際に提供しているもの消費者庁の回答居酒屋での典型例
「純米酒」醸造アルコールなどを使用して製造された清酒問題となる(Q-33)日本酒リストの分類を実物と照合していない
「シャンパン」スパークリングワイン問題となる(Q-34。措置命令の実例あり)飲み放題の上位プランやコースの乾杯用
「フレッシュジュース」既製品・紙パックのジュース問題となる(Q-35)サワー・カクテルの割り材の説明
「××地鶏」地鶏の定義に該当しない鶏肉問題となる(Q-6。措置命令の実例3件)焼き鳥・唐揚げのメニュー名
「鴨南蛮」合鴨肉問題とならない(Q-7前段)一般的な料理名として確立しているため。ただし「マガモを使った」「高級鴨肉を使用」のように素材を強調した表示を加え、それが実際と違えば問題となる(Q-7後段)

最後の行を入れたのは、すべてが違反になるわけではないからです。判断の軸は、表示から一般消費者が受ける印象と実際との差について、それを知っていたらその料理に惹きつけられることは通常ないであろうと認められる程度の誇大表示といえるかどうかです。消費者庁はQ-7で、一般的な料理の名称として確立しているものであって、かつ、その食材がその料理に現に広く使われていることが社会的に定着している場合など、一般消費者がその料理等の選択においてそれらの食材の違いに通常影響されないと認められる場合には、料理の名称を単に表示するだけで直ちに問題となるものではないとしています。2つの要件が並んでいる点に注意してください。過度に萎縮する必要はありませんが、規格が定まっている名称は別です。

「地鶏」には数値の基準がある

焼き鳥を出す居酒屋にとって、地鶏の扱いは避けて通れません。地鶏肉には日本農林規格(平成11年6月21日農林水産省告示第844号、最終改正 平成27年8月21日農林水産省告示第2009号)があり、生産の方法について次の基準が定められています。

事項基準
素びな在来種由来血液百分率が50パーセント以上で、出生の証明ができるものを使用していること
飼育期間ふ化日から75日間以上飼育していること
飼育方法28日齢以降平飼いで飼育していること
飼育密度28日齢以降1平方メートル当たり10羽以下で飼育していること

この規格は任意の格付制度で、これを満たさない鶏肉の販売そのものが禁じられるわけではありません。問題になるのは、規格を満たさない鶏肉に「地鶏」と表示したときに、景品表示法上の優良誤認になり得るという点です。

「国産の銘柄鶏」と「地鶏」は別物です。銘柄鶏を仕入れているなら、サイトには銘柄名をそのまま書くのが正確で、「地鶏」という語に置き換える必要はありません。むしろ銘柄名のほうが検索されます。

飲み放題は「条件」を書き切る

飲み放題は、料理と違って提供の条件が価値の中身になります。ここを曖昧に書くと、優良誤認・有利誤認の両方に触れ得ます。書き切るべき項目は次のとおりです。

  • 制限時間(ラストオーダーが何分前か。延長の可否と料金)
  • 対象銘柄(生ビールが対象か、銘柄指定か、プレミアム対象は別料金か)
  • 対象外の銘柄(明示しないと「全部飲めると思った」というずれが生まれる)
  • 適用条件(人数の下限、コース料理とのセット必須か、一部の人だけ付けられるか)
  • 料金(消費税法63条により税込価格で。サービス料が別途かかるならその率)

とくに「生ビール付き」と書いておきながら、実際には特定銘柄の発泡酒や新ジャンルだったという状態は避けてください。ビール類は税率改正の影響で商品構成が動いており、仕入れ先の変更で中身が入れ替わることがあります。サイトの表記は仕入れの実態に合わせて棚卸ししてください。

二重価格には根拠が要る

「通常5,000円のコースが今なら3,500円」のような比較対照価格つきの表示は、景品表示法5条2号の有利誤認に触れ得ます。「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」(平成12年6月30日公正取引委員会。最終改定 平成28年4月1日消費者庁)は、比較対照価格が最近相当期間にわたって販売されていた価格であることを求めており、その判断基準を数値で示しています。

一般的には、二重価格表示を行う最近時(最近時については、セール開始時点からさかのぼる8週間について検討されるものとするが、当該商品が販売されていた期間が8週間未満の場合には、当該期間について検討されるものとする。)において、当該価格で販売されていた期間が当該商品が販売されていた期間の過半を占めているときには、「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とみてよいものと考えられる。ただし、前記の要件を満たす場合であっても、当該価格で販売されていた期間が通算して2週間未満の場合、又は当該価格で販売された最後の日から2週間以上経過している場合においては、「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とはいえないものと考えられる。

宴会コースに当てはめると、セール開始からさかのぼる8週間のうち、そのコースを販売していた期間の過半にわたって実際に5,000円で売っていた実績が要ります(そのコースの販売期間が8週間未満なら、その期間で判断されます)。忘年会向けに新設したコースには、その実績が存在しません。したがって新設コースに「通常5,000円→3,500円」と書くことはできません。宴会シーズンの早期予約割引を出すときは、「早割」「◯月◯日までのご予約」のように期間で表現するほうが安全で、しかも幹事に対する訴求力も落ちません。

注文していない料金 ―― お通し・チャージ・サービス料をどこに書くか

居酒屋で最も苦情が生まれやすいのが、注文していないのに発生する料金です。お通し、席料、チャージ、サービス料。これらは違法ではありませんが、事前に伝わっていなければ、来店客との間で「聞いていない」という争いになります。

法的には、価格の一部を目立たない形で示し、支払総額が実際より安いと誤認させる表示は景品表示法5条2号の有利誤認の問題になり得ます。それ以前に、来店後に初めて知らされる料金は、口コミサイトでの評価を確実に下げます。

ホームページに書く場合の型は次のとおりです。

項目書き方置く場所
お通し「お通し(1名様◯◯円・税込)を頂戴しております」メニューページの先頭とコースページの両方
席料・チャージ金額と、時間制か1回限りかを明記同上
サービス料「別途サービス料◯パーセントを頂戴します」。総額表示の例を1つ添えると親切宴会・コースページ
個室料発生する条件(人数・時間帯)とセットで席・個室の紹介ページ

コース料金を税別で書き、サービス料も別、お通しも別、という積み上げは、幹事が予算を組むときに最も嫌われます。「4,000円コース(税込・お通し込み・サービス料込み)」と書ける店は、それ自体が競争力になります。

食品表示やアレルゲンの扱いについてはパン屋のホームページ作成ガイドで詳しく整理しています。


「お酒、お持ち帰りできます」と書けるか

コロナ禍以降、酒の持ち帰りや通販を始めた居酒屋は少なくありません。ただし、サイトにこの一文を書くことは、営業の範囲を対外的に宣言することになります。

「もつぱら」の一語で、免許の要否が変わる

酒税法9条1項は、酒類の販売業をしようとする者は販売場ごとに所轄税務署長の免許を受けなければならないと定めたうえで、ただし書きで例外を置いています。

ただし、酒類製造者がその製造免許を受けた製造場においてする酒類…の販売業及び酒場、料理店その他酒類をもつぱら自己の営業場において飲用に供する業については、この限りでない。

居酒屋が免許なしで酒を出せているのは、この「酒場、料理店その他酒類をもつぱら自己の営業場において飲用に供する業」に当たるからです。

鍵は「もつぱら」という一語です。店内で開栓して飲んでもらうのは「自己の営業場において飲用に供する」に当たりますが、未開栓のボトルを持ち帰らせる、あるいは発送するとなると、その部分は自己の営業場での飲用ではなくなります。「もっぱら」の枠から外れれば、販売場ごとの酒類販売業免許が必要になり得ます。

したがって、サイトに書く前に整理すべきなのは次の区別です。

やろうとしていること確認すべきこと
店内で提供した酒の飲み残しを持ち帰ってもらう開栓済みで、販売行為とは別の扱い。所轄に確認
未開栓の日本酒・焼酎のボトルを販売する酒類販売業免許の要否を所轄税務署に確認
通信販売で全国に発送する通信販売酒類小売業免許など、販売形態に応じた免許の要否を確認
料理のテイクアウトのみで酒は扱わない酒税法の論点は生じない。食品衛生法側の確認を

免許を取った後、サイトに義務づけられる3つの表示

通信販売の免許を取れたとして、そこで終わりではありません。サイトに何を書くかが告示で決まっています。国税庁「二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準」(平成元年11月国税庁告示第9号、最終改正 令和元年6月国税庁告示第6号)7項は、酒類の通信販売を行う場合の表示を3つに分けて定めています。

場所表示すべき内容
広告・カタログ等(インターネット等によるものを含む)「20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されている」または「20歳未満の者に対しては酒類を販売しない」旨
申込書等(インターネット等により申込みを受ける場合には申込みに関する画面)申込者の年齢記載欄を設けた上で、その近接する場所に同旨
納品書等(インターネット等による通知を含む)「20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されている」旨

2つ目が実装に効きます。注文フォームに年齢の記入欄を設け、そのすぐ近くに文言を置くという、位置まで含めた指定です。フッターに一括で書いておく方式では満たせません。

なお、通信販売ではなく店頭で未開栓のボトルを売る場合は、同基準4項・5項が別途、酒類の陳列場所に「酒類の売場である」または「酒類の陳列場所である」旨と、「20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売しない」旨の表示(100ポイント以上の文字)を求めています。こちらはサイトではなく店内の話です。

文字の大きさにも定めがあります。同8項は「明瞭に表示するものとし、表示に使用する文字は、10ポイントの活字(インターネット等による場合には酒類の価格表示に使用している文字)以上の大きさの統一のとれた日本文字とする」としています。つまりウェブでは、価格表示より小さい文字で書いてはいけません。注意書きだからと小さくすると、それ自体が基準を外れます。

この表示基準は、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律86条の6第1項に基づく表示基準として告示されているものです。遵守しない酒類販売業者には同条3項により基準を遵守すべき旨の指示がされ得るほか、指示に従わないときは同条4項によりその旨が公表され得ます。「注意書きだから」で済む話ではありません。

なお通信販売を始めると、これとは別に特定商取引法11条の広告表示事項と12条の誇大広告等の禁止もかかります。表示すべき事項の内訳は占い師のホームページ作成ガイドで号ごとに整理しています。

ホームページに「お持ち帰りできます」と書いた時点で、その営業をしていると外部に表明したことになります。掲載前に所轄税務署へ確認してください。同じ構造の論点は、ラーメン店が自家製麺を包装販売する場合にも生じます(根拠法は食品衛生法です)。詳しくはラーメン屋のホームページ作成ガイドで扱っています。


宴会・団体予約の導線を設計する

3つの入口を、予約の種類で使い分ける

予約の入口は、電話・グルメサイト・自社フォームの3つです。1人客と宴会では最適な導線が違うので、分けて設計するのが基本になります。予約システムそのものの比較は飲食店のホームページ作成完全ガイドで扱っているため、ここでは宴会・団体に絞ります。

導線向いている予約手数料の考え方弱点
電話条件が複雑な貸切、当日の変更かからない営業中に出られない。言った言わないが残らない
グルメサイトのネット予約少人数、コースが定型の宴会予約1件ごと・1人ごとの送客手数料が発生する契約が一般的貸切・席のレイアウト・請求書払いのような個別条件を受けられない
自社サイトのフォーム大人数、貸切、法人、条件の相談送客手数料はかからない自分で導線を作る必要がある

金額の大きい予約ほど、自社フォームに寄せる価値が上がります。送客手数料は1件あたりで見ると小さく感じますが、単価の高い宴会に一律で乗ると効きます。

3層に分けて受ける

ただし「電話をやめてフォームに一本化する」のは失敗しやすい設計です。幹事は条件を詰めたいときに電話を使います。実務的には次の3層にするのが安定します。

  1. 一般の予約 … グルメサイトとGoogleマップの予約導線に任せる
  2. 宴会・コースの予約 … 自社サイトのフォームで受ける(人数・日時・コース・予算・20歳未満の参加者の有無・アレルギーや苦手な食材・請求書払いの要否を項目化)
  3. 貸切・法人・下見 … フォームから受けて、折り返し電話で詰める

フォームの項目設計で効くのは、幹事が上司や同僚に確認しないと答えられない項目を必須にしないことです。予算とコースの確定は後から詰められます。最初のフォームは、日時・人数の目安・連絡先の3点だけで送信できるようにしておくと、離脱が減ります。

居酒屋に必要なページ構成を、対話で組み立てられます

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宴会予約のキャンセルポリシーをどう書くか

宴会を受ける以上、キャンセル料の取り決めは必要です。ただし、書き方によっては、定めた額のうち一部を請求できなくなります。

消費者契約法9条1項1号の構造

消費者契約法9条1項1号は、次の条項について、超える部分を無効としています。

当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの

読むべき箇所は2つあります。ひとつは「平均的な損害の額」。もうひとつは「当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ」です。

後者が効いています。条文は、店が自分で設定した区分ごとに平均的な損害と比較する構造になっています。つまり「いつキャンセルされても100パーセント」のような区分のない一律設定は、この判断枠組みに素直に乗りません。前日と1か月前とでは店に生じる損害がまったく違うのに、同じ額を取ると定めているからです。

区分を作り、根拠を持っておく

実務的には、区分を刻むほど条項は守りやすくなります。食材の発注、人員の手配、他の予約を断ったかどうか。損害が積み上がるタイミングで区分を切るのが自然です。

区分の例考え方
◯日前まで食材の発注前・人員の追加手配前。損害はほぼ生じない
◯日前〜前々日発注済みの食材が発生。転用できるものとできないものを分ける
前日人員のシフトが確定。他の予約を断っている可能性がある
当日・無連絡席と人員と食材のすべてが空振り
人数の減少総キャンセルとは別の区分にする。減った人数分にのみ適用する

最後の行は忘れられがちですが、宴会で実際に多いのは総キャンセルより人数の減少です。「20名で予約したが当日は15名」の扱いを書いていないと、必ず現場で交渉になります。

もう1つ、2022年の改正で入った9条2項も押さえてください。

事業者は、消費者に対し、消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項に基づき損害賠償又は違約金の支払を請求する場合において、当該消費者から説明を求められたときは、損害賠償の額の予定又は違約金の算定の根拠…の概要を説明するよう努めなければならない。

努力義務ではありますが、請求するなら根拠を説明できる状態にしておくことが求められています。サイトに料率を書く前に、その料率が何から出てきたのかを店側で言語化しておいてください。書くこと自体より、書いた数字を説明できることのほうが重要です。

キャンセルポリシーをどこに置くか

キャンセルポリシーは予約フォームと同じページ、送信ボタンの手前に置いてください。別ページへのリンクだけでは、幹事が読まないまま予約を確定します。合意の実質を確保する意味でも、目に入る位置に置くべきです。


宴会シーズンに合わせた更新運用

居酒屋のホームページは、他の飲食店と違って更新の山が年に3回ある業種です。忘年会、新年会、歓送迎会。この3つは検索と問い合わせが集中する時期が決まっているため、更新を計画に落とせるという利点があります。

年3回の切り替えカレンダー

多くの店が失敗するのは、シーズンが始まってからコースページを作ることです。幹事が店を探し始めるのは、開催日の1〜2か月前です。12月の忘年会なら、10月には情報が要ります。

時期やることサイトの状態
9月下旬〜10月上旬忘年会コースの内容・料金・飲み放題条件を確定し、掲載。早割は「通常◯円→◯円」ではなく期間で表現する(二重価格の項を参照)忘年会ページ公開。トップに導線
11月予約状況に応じて残席の目安を更新。貸切可能日を明示「12月◯日以降は残席わずか」等
12月下旬忘年会ページを新年会ページに切り替え。年末年始の営業時間を告知変則営業をお知らせ欄に
1月中旬新年会ページを下げる。歓送迎会ページの準備新年会ページは削除せず、トップからの導線だけ外す
2月下旬〜3月上旬歓送迎会コースを掲載。年度末は法人の予約が増える請求書払いの案内を併記
4月下旬歓送迎会ページを下げる。通常のコースページに戻す通常コースをトップ導線に戻す
5月〜9月恒久情報の点検(メニューの銘柄、価格、営業時間、写真)表示の棚卸しをこの期間に

5月から9月の空白期間に、表示の棚卸しをまとめてやるのが実務的です。前に見たとおり、これは景品表示法22条1項が求める管理体制の実体でもあります。「メニューと価格の表示ルール」で見たドリンクの銘柄表記、価格の税込・税別、飲み放題の対象外銘柄。繁忙期には手が回らないので、閑散期に一度だけ確認します。

もう1つ、シーズンページの運用で重要なのは終わったページを残さないことです。1月に忘年会ページが検索結果に残っていると、店が更新していない印象を与えます。切り替えの作業を12月26日といった具体的な日付でカレンダーに入れてください。

ホームページに置かない情報を決める

「毎日の情報」をホームページに載せないことも大切です。本日のおすすめ、仕入れた魚、臨時休業。これらはSNSとGoogleビジネスプロフィールに任せ、ホームページには書き換えなくても正しいままの情報だけを置きます。更新が止まったサイトは、無いサイトより店の信用を下げます。


採用ページ ―― 深夜業と年齢の制約をどう書くか

居酒屋は慢性的な人手不足業種で、しかも夜に働くという条件が採用の難易度を上げています。求人媒体の定型フォーマットでは、この条件の実態が伝わりません。ホームページの採用ページが効くのは、まさにこの部分です。

そして居酒屋の求人には、書き方を間違えると法令に反する論点があります。年齢と時間帯の組み合わせです。ここは労働基準法だけを見ると誤ります。居酒屋では、従業員についても風営法が線を引いているからです。

18歳未満は、ホールに立てるかどうかで結論が変わる

まず労働基準法61条1項はこう定めています。

使用者は、満十八才に満たない者を午後十時から午前五時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によつて使用する満十六才以上の男性については、この限りでない。

同条3項は、交替制によって労働させる事業について、行政官庁の許可を受ければ午後10時30分まで労働させることができるとしています。ここだけを読むと、「交替制にすれば17歳の男性を深夜のホールに入れられる」と読めます。その読み方は誤りです。

前に見たとおり、風営法32条3項は22条1項(3号を除く)を飲食店営業を営む者に準用しています。準用されるのは5号と6号だけではありません。4号も準用対象です。読み替え後の4号は、営業所で午後10時から翌日の午前6時までの時間において18歳未満の者を客に接する業務に従事させることを禁じます(施行規則102条の営業を除く。一般的な居酒屋がこれに当たらないことは前に見たとおりです)。

根拠にした警察庁の解釈運用基準(第28・3)も、この2つを1文で並べて書いています。客の立入りについてはこの記述が保護者同伴の除外を落としていることを先に見ましたが、従業員の側については、この一文がそのまま効きます。

飲食店営業を営む者が、当該営業所で午後10時から翌日の午前6時までの時間において、18歳未満の者を客に接する業務に従事させ、又は客として立ち入らせることは禁止される。

つまり業務の中身で分岐します。

業務適用される規制18歳未満の22時以降
客に接する業務(ホール・レジ・案内・オーダー取り)風営法32条3項→22条1項4号一律に不可。労働基準法61条1項ただし書の「交替制の満16歳以上の男性」も、3項の許可による22時30分も使えません
客に接しない業務(洗い場・仕込み・清掃)労働基準法61条原則22時〜午前5時は不可。交替制の満16歳以上の男性は例外、交替制の事業は許可で22時30分まで

規制は3本かかりますが、終了時刻は2つに割れます。従業員のホール業務(風営法4号)と客の立入り(風営法5号)は午前6時まで、従業員一般(労働基準法61条1項)は午前5時まで。午前5時と午前6時のズレが、閉店作業の時間割に効きます。

罰則の重さも違います。労働基準法61条違反は同法119条1号により6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。一方、風営法22条1項4号違反にかかるのは、さきに見た51条1項4号の1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金(併科あり・57条1項2号で法人にも罰金刑)です。軽いほうの法律に合わせて設計すると、重いほうに触れます。

さらに採用実務に直接効く規定があります。51条2項は、22条1項3号・4号(32条3項準用を含む)の行為をした者は「当該十八歳未満の者の年齢を知らないことを理由として、前項の規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りでない」と定めています。つまり「本人が18歳以上だと言っていた」という弁明は、原則として通りません。なお、この規定が及ぶのは3号と4号で、5号(客の立入り)と6号(20歳未満への酒類提供)には及びません。

年齢の確認と従業者名簿は、法律上の義務

そして、その「確認しておく」は実務の工夫ではなく法律上の義務です。届出の項で予告したもう1つの時刻――午後10時――から始まる義務が、次の表の上3つです。4つ目の労働基準法57条1項は、時間帯にかかわらず18歳未満を使用する時点でかかります。

風営法36条の2と36条の名宛人には「33条6項に規定する酒類提供飲食店営業を営む者」が含まれます(条文は特定遊興飲食店営業者と並べて列挙しており、許可を取った店は主食の除外にも22時の起点にも関係なくかかります)。33条6項は「酒類提供飲食店営業(午前六時から午後十時までの時間においてのみ営むものを除く。)」なので、前に見た主食の除外に乗らない店が、午後10時を過ぎて酒を出す場合がこれに当たります。なお36条の従業者名簿だけは、主食の除外に乗る店でも、0時以降に営業するなら「深夜において飲食店営業(酒類提供飲食店営業を除く。)を営む者」として別途かかります。確認する事項は生年月日と国籍(日本国籍を有しない者は在留資格等)で、内閣府令で定める書類によります。風営法側の3つは、57条1項2号により法人にも罰金刑が科され得ます。

義務根拠対象保存罰則
生年月日・国籍の書類確認風営法36条の2第1項客に接する業務に従事させようとする者―54条4号・100万円以下
確認記録の作成・保存風営法36条の2第2項/施行規則108条同上退職日から3年54条5号・100万円以下
従業者名簿の備付け風営法36条/施行規則106条当該営業に係る業務に従事する者(通達第35・1(2)は「午後10時以降又は深夜において…従事する従業者のみならず、全ての従業者」と明記)退職日から3年54条3号・100万円以下
年齢を証明する戸籍証明書の備付け労働基準法57条1項満18歳未満の者―120条1号・30万円以下

これとは別に、37条は公安委員会が業務に関する報告・資料提出を求めることと、警察職員が営業所に立ち入ることを定めています。名宛人・立入対象には33条6項の酒類提供飲食店営業のほか、深夜において営業している飲食店営業の営業所が一般に含まれます(37条2項7号)。報告拒否・虚偽報告は54条6号、37条2項および38条の2第1項(少年指導委員の立入り)による立入りの拒否・妨害・忌避は54条7号で、いずれも100万円以下の罰金です。

主食の除外に乗らない店が22時を過ぎて酒を出すなら、0時前に閉めていても上の3つがかかります。採用ページに「18歳以上」と書くかどうか以前に、店の側で確認と記録の運用ができている必要があります。

したがって、高校生アルバイトを募集するなら、ホールのシフト終了時刻は22時と書くのが原則であり、22時以降のホールは18歳以上に限られます。「22時〜翌2時のホールスタッフ・高校生歓迎」という求人票は、それ自体が風営法に反します。

採用ページに書くべきこと

項目書き方の例
年齢と時間帯の対応「18歳未満の方はホール業務を22時までとさせていただきます(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律および労働基準法の定めによる)」
深夜手当22時以降の割増賃金の扱いを明記する(労働基準法の深夜業。前に見た風営法上の「深夜」=午前0時以降とは別の時間帯です)。時給の見え方が変わるため応募数に直結する
1日の流れ仕込みの開始時刻、ピークの時間帯、片付けと退勤の実際
終電・帰宅深夜帯のシフトがあるなら、交通費や送りの有無
シフトの実際週何日から、テスト期間の融通、当日の交代の仕組み
店頭での声かけ深夜帯の客引きは風営法22条1項1号・2号で禁じられているため、業務内容に含まれないことを明記する
前借金・身分証の預かり33条6項が準用する18条の2は、接客従業者に退職時に残債を直ちに完済することを条件として不相当に高額の債務を負担させることと、そうした債務を負わせた者の旅券等を保管することを禁じている。募集条件にこれらを書かない

深夜手当と帰宅手段の2つは、求人媒体の定型欄に収まらないのにいちばん聞かれる項目です。ここを書いてある店は、応募前の問い合わせが減ります。

採用サイト全般の作り方は採用サイトの作り方にまとめています。


多店舗・FC加盟店でのホームページ設計

店舗が増えたとき、サイトの構造で迷うのが「1サイトにまとめるか、店舗ごとに分けるか」です。居酒屋の場合、行政手続の側から答えが決まる部分があります。

前に見たとおり、深夜酒類提供飲食店営業の届出は営業所ごとで、名称の変更にも営業所ごとに変更届が要ります。つまり店舗は行政手続の単位としても独立しているわけです。

サイト設計への3つの帰結

この事実からサイト設計に落ちる帰結は3つあります。

  1. 店舗ページは店舗ごとに独立して持つ。営業時間・座席数・個室の有無・深夜営業の可否は店舗で違います。1ページにまとめると、どの店の情報か分からなくなります
  2. 営業時間は店舗ページに書き、トップにまとめて書かない。0時をまたぐ店とまたがない店が混在する場合、トップの一覧表記は必ず不正確になります
  3. 「全店で〇〇」と書かない。飲み放題の対象銘柄、貸切の可否、個室の有無は店舗差が出ます。取扱いのある店舗を明記してください

FC加盟店は「表示」の主体を確認する

FC加盟店の場合はもう1つ論点があります。本部のサイトと加盟店のサイトのどちらが「表示」の主体かという問題です。加盟店が独自にページを持ち、そこに書いた内容が実態と違えば、表示の責任は加盟店側にも生じ得ます。本部が用意したテンプレートをそのまま使う場合でも、自店で提供していないメニューやサービスの記載が残っていないかは加盟店自身が確認する必要があります。


載せるコンテンツとデザインの型

ここまで法令と運用を見てきたので、最後に中身の設計に戻ります。居酒屋のホームページに載せるものは、冒頭で分解した6つの役割から逆算すると自動的に決まります。新しい分類を持ち込む必要はありません。

役割から逆算した必須コンテンツ

役割(冒頭の①〜⑥)必要なページ・要素優先度
① 宴会・コースの提示コース一覧(人数帯別)、飲み放題の条件、料理写真最優先
② 予約条件の明示予約フォーム、キャンセルポリシー、席のレイアウト、価格帯とお通し・サービス料の明示、コース料金の税込表示最優先
③ 団体・法人の受け皿請求書払い、領収書の宛名、下見の受付高
④ 採用募集要項、1日の流れ、深夜帯の扱い中(募集時)
⑤ 恒久情報の置き場酒のラインナップ(銘柄名)、店内写真、店のなりたち、系列店の一覧高
⑥ 取材・卸・催事の窓口予約電話と分けた問い合わせ窓口低

営業時間・住所・電話番号・経路は、Googleビジネスプロフィールのほうが正確かつ速く届きます。ホームページ側で意味を持つのは、そこに載せられない粒度です。曜日別のラストオーダー、席数と個室の定員、貸切の最低人数、0時をまたぐ営業の書式。この4つだけは自社サイトで持ってください。

料理写真の撮り方や必須コンテンツの一般論は飲食店のホームページ作成完全ガイドにまとめています。

デザインの型は4つしかない

上位記事は「デザイン12選」「デザイン10選」と事例を並べますが、事例を眺めても自店に何が合うかは分かりません。並んでいるのは結果であって、選択の基準ではないからです。居酒屋のサイトデザインは、突き詰めると4つの型に収まります。

型特徴向いている店注意点
写真主導型大きな料理写真を全面に置く名物が明確な店、海鮮・焼き鳥写真の質がそのまま店の質に見える。撮影に投資が必要
和モダン型黒・墨・木目に白抜き文字。縦組みの見出し落ち着いた業態、日本酒に強い店文字が読みにくくなりやすい。スマホでの可読性を必ず確認
大衆・活気型赤・黄の高彩度、手書き風、価格を大きく大衆酒場、価格訴求の店情報量が増えすぎる。優先順位を決めて削る
1ページ完結型縦1枚に全情報。メニュー・地図・予約まで1店舗・小規模・開業直後情報が増えたときに破綻する。宴会を取るなら早めに分割

開業直後は1ページ完結型で始め、宴会の問い合わせが増えた時点でコースページを独立させるのが、最も無駄の少ない進め方です。

公開前チェックリスト

営業時間と届出

  • 営業時間が曜日別に書かれ、ラストオーダーと閉店が区別されている
  • 0時をまたぐ営業が「〜翌◯:◯◯」と分かる書式になっている
  • 0時をまたぐ営業を告知するなら、深夜酒類提供飲食店営業の届出を済ませている(営業開始の10日前まで)
  • 0時をまたぐ営業を告知するなら、所在地が条例の深夜営業禁止地域でないことを所轄警察署に確認済みである
  • カラオケの勧奨や応援企画を告知するなら、特定遊興飲食店営業の許可を確認済みである

表示と価格

  • コース料金・単品価格が税込価格で表示されている(消費税法63条。免税事業者を除く)
  • お通し・席料・チャージ・サービス料・個室料が事前に分かる場所に書かれている
  • 飲み放題の制限時間・対象銘柄・対象外銘柄・適用条件が揃っている
  • 早期予約割引を「通常◯円→◯円」の形で書いていない(新設コースには比較対照価格の販売実績がない。「早割」「◯月◯日まで」の期間表現にする)
  • 「純米酒」「シャンパン」「地鶏」「フレッシュ」の表記が実物と一致している

予約とキャンセル

  • 席数と個室の定員、貸切の最低人数が書かれている(Googleビジネスプロフィールが持てない粒度)
  • キャンセルポリシーが区分ごとに書かれ、予約フォームと同じページにある
  • 人数が減った場合の扱いが書かれている

年齢と採用

  • 20歳未満への酒類提供に関する記載がある
  • 主食の除外に乗らない店が22時以降も酒を出すなら、従業者名簿と年齢確認記録の運用がある
  • 22時以降の18歳未満の入店(保護者同伴に限る旨)が店舗情報の近くに書かれている
  • 求人ページに、18歳未満のホール業務が22時までと書かれている(22時以降のホールを含む募集条件になっていない)
  • 求人ページの業務内容に、深夜帯の客引き・店頭の声かけが含まれていない(風営法22条1項1号・2号)

酒類の通販

  • 酒類の通販をするなら、特定商取引法に基づく表記(法11条の広告表示事項)のページがある
  • 酒類の通販をするなら、販売ページ本体に20歳未満への販売をしない旨があり、申込画面では年齢記入欄の近くに同じ注意書きがあり、その文字が価格表示より小さくない
  • 酒類の通販をするなら、注文確認メール・納品書にも20歳未満の飲酒が法律で禁止されている旨がある(表示基準7項の3つ目。ここだけ画面ではなく通知テンプレート側の実装)

運用

  • 終了したシーズンページが残っていない
  • リニューアルで屋号を変えるなら、公安委員会への変更届の段取りがサイト公開日より前に入っている(変更後10日以内・30万円以下の罰金)

この23項目のうち、競合上位の記事が触れているのは営業時間の曜日別表記だけです。飲食店に共通する公開前チェックの一般項目は飲食店のホームページ作成完全ガイドにもまとめています。


制作手段4パターンと5年間の総額(TCO)

居酒屋のホームページは、ページ数が中程度で、更新は年3回のシーズン切り替えが中心です。したがって毎日の更新が要る業種ほど高機能である必要はなく、かといって1ページで足りるほど単純でもないという中間に位置します。

判断は初期費用ではなく5年総額で

以下はシタミ編集部が公開情報と一般的な相場から整理した目安です。実際の金額は仕様・地域・依頼先によって大きく変動します。

手段初期費用月額5年総額の目安更新の手間向いている店
① AIツールで作る0〜数万円0〜3,000円0〜21万円小開業前・1店舗・まず出したい店
② ノーコードツールで自作0〜3万円1,000〜3,000円6万〜21万円中(学習コストあり)シーズンページを自分で切り替えたい店
③ テンプレート+部分外注5〜30万円1,000〜5,000円11万〜60万円小〜中写真とデザインにこだわりたい店
④ 制作会社にフル外注20〜150万円5,000〜3万円(保守)50万〜330万円極小多店舗・FC・法人客が主力の店

居酒屋で見落とされやすいのがシーズンごとの更新費用です。忘年会・新年会・歓送迎会の切り替えを外注すると、年3回の作業費が発生します。1回1万円でも5年で15万円になり、④の保守費に上乗せされます。

したがって判断の分かれ目は、シーズンページを自分で切り替えられるかどうかです。切り替えられるなら②か③で十分で、切り替えられないなら④の保守契約に更新作業を含める形にしないと、毎年費用が積み上がります。契約前に「年3回のページ切り替えは保守に含まれるか」を必ず確認してください。

費用の内訳はホームページ制作費用の相場とホームページの維持費に、制作会社の選び方はホームページ制作会社の選び方にまとめています。補助金を使う場合はホームページ制作に使える補助金を参照してください。

写真だけは、どの手段でも投資する価値がある

居酒屋の料理写真は、ラーメンほど撮影が難しくない代わりに、点数が多いという別の難しさがあります。刺身、焼き鳥、揚げ物、鍋、日本酒。加えて店内の雰囲気カットが要ります。

居酒屋で点数が要るのは、宴会コースを人数帯別に売るからです。「4,000円コース」と「6,000円コース」の違いは文字では伝わりにくく、幹事は写真で比較します。コースごとの卓上写真が要る時点で、単品料理だけを撮る店より必要カット数が増えます。

現実的な最適解は、開業時か改装時に一度だけプロに入ってもらい、コースの卓上写真をコース数だけ、単品を10点前後、店内を5点前後押さえて5年使うことです。制作費を10万円削るより、撮影に5万円を回したほうが結果は良くなります。


失敗診断表:症状から原因を引く

症状考えられる原因打ち手
ホームページを作ったが来店が増えない集客の入口をホームページに期待している役割を6分解し、宴会の受付に絞る。入口はGoogleビジネスプロフィールとグルメサイトに任せる
宴会の問い合わせは来るが成約しないコース内容・料金の総額・キャンセル料が分からず、幹事が社内で決裁できない税込総額・お通し込み・サービス料込みで提示し、キャンセルポリシーを同じページに置く
当日に人数が減って揉める人数減少の扱いを書いていない総キャンセルとは別区分として明記する
キャンセル料を請求したら断られた区分のない一律設定で、根拠を説明できない損害の発生タイミングで区分を刻み、算定根拠を用意する
「聞いていない」と言われる料金があるお通し・サービス料が来店後にしか分からないメニューページとコースページの両方に事前表示する
「通常5,000円→3,500円」と書いた早割で指摘を受けた新設コースに比較対照価格の販売実績がない期間で表現する(「早割」「◯月◯日までのご予約」)
コース料金を税別で載せている税込表示が義務であることを知らない税込価格を主たる表示にする(消費税法63条。免税事業者を除く)
サイトの日本酒リストと実物が違う仕入れ変更がサイトに反映されていない閑散期に表示の棚卸しを年1回入れる
1月なのに忘年会ページが出てくるシーズンページの終了フローがない切り替え日をカレンダーに固定する
深夜営業を告知したら警察から連絡が来た届出をしていない(無届は風営法55条6号で50万円以下の罰金)、または条例の深夜営業禁止地域で営業している(51条1項10号・1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金)主食の提供実態と、所在地が禁止地域でないかを所轄警察署に確認する。放置すると34条1項の指示や2項の営業停止(最大6か月・指示を経ずに命じられる場合もある)に進み、停止命令違反は50条3号で2年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金
高校生アルバイトの応募が集まらない・シフトで揉める22時以降のホールを含む条件で募集している18歳未満のホール業務は22時までと明記する。風営法22条1項4号は交替制でも例外にならず、違反は51条1項4号で1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金(併科あり)
酒の通販を始めたら指摘を受けた免許の要否と、申込画面への表示義務を確認せずサイトに掲載した所轄税務署に販売形態を伝えて確認し、表示基準7項の3つの表示を入れる
深夜のカラオケや応援企画を告知したら許可を求められた0時以降に客へ遊興をさせており、届出ではなく特定遊興飲食店営業の許可が必要だった(無許可は50条4号・2年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金)勧奨・合いの手・呼び掛けをやめて「求められたら応じる」運用にするか、許可を取る
主食の除外に乗らない店で22時以降も酒を出しているが従業者名簿がない「0時前に閉めるから風営法は関係ない」と判断している36条・36条の2の起点は22時(主食の除外に乗る店は36条のみ・起点は0時)。名簿と年齢確認記録を整える(54条3〜5号・各100万円以下の罰金)
更新が半年以上止まっている毎日の情報をホームページに持たせている流れる情報はSNSとGoogleビジネスプロフィールへ移す

よくある質問(FAQ)

居酒屋のホームページ制作の費用相場はいくらですか?
手段によって大きく変わります。AIツールやノーコードツールで自作すると初期費用はほぼかからず月額0〜3,000円程度で、5年総額の目安は0〜21万円です。テンプレートに部分外注を組み合わせると5年で11万〜60万円、制作会社にフル外注すると50万〜330万円が目安になります。これらはシタミ編集部が公開情報と一般的な相場から整理した目安で、仕様や地域や依頼先によって変動します。居酒屋で特に注意すべきなのは、忘年会・新年会・歓送迎会のページを年3回切り替える作業費です。1回1万円でも5年で15万円になります。契約前に、年3回のシーズンページ切り替えが保守費用に含まれるかを必ず確認してください。
居酒屋のホームページは自分で作れますか?
作れます。1店舗で、コースが数種類で、宴会の受付と店舗情報が載っていれば足りる規模なら、ノーコードツールやAIツールで十分です。むしろ自作の利点は、シーズンごとのページ切り替えを自分でできることにあります。居酒屋は年3回の更新の山があるため、外注すると毎年その分の費用が積み上がります。逆に自作が向かないのは、多店舗展開していて店舗ごとに営業時間や設備が異なる場合と、法人客が主力でサイトの見え方が受注に直結する場合です。この2つに当てはまるなら外注を検討してください。
深夜0時以降も営業する居酒屋は、必ず届出が必要ですか?
原則として必要です。風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律33条1項は、酒類提供飲食店営業を深夜において営もうとする者は営業所ごとに公安委員会へ届出書を提出しなければならないと定めており、ここでいう深夜は同法13条1項の括弧書きにより午前0時から午前6時までを指します。例外は同法2条13項4号の括弧書きで、営業の常態として通常主食と認められる食事を提供して営むものは除かれます。ただし警察庁の解釈運用基準は、営業時間中客に常に主食を提供している必要があること、客が飲食している時間のうち大部分の時間は主食を提供している必要があることを求めており、大半の時間は酒を飲ませて最後に茶漬を提供するような場合はこれに当たらないと明記しています。したがってシメのご飯ものや麺類を出しているというだけでは除外に該当しません。届出は深夜における営業を開始しようとする日の10日前までに提出する必要があり、届出をしないまま深夜に営業すると同法55条6号により50万円以下の罰金の対象になります。なお、届出の期限を決めるのは午前0時ですが、主食の除外に乗らない店が22時を過ぎて酒を提供する場合は、0時前に閉めていても同法36条の従業者名簿と36条の2の年齢確認の義務がかかります。また同法33条4項に基づく都道府県の条例で深夜営業そのものが禁止されている地域では、届出の有無にかかわらず営業できません。さらに、0時をまたいで酒を提供し、かつ営業者側から客に歌うことを勧めたり応援に参加させたりして遊興をさせる場合は、同法2条11項の特定遊興飲食店営業に当たり、届出ではなく同法31条の22の許可が必要です。無許可営業は同法50条4号により2年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金の対象で、無届の50万円以下より重くなります。個別の判断は所轄の警察署にご確認ください。
ホームページに「飲み放題」と書くとき、注意すべき表示はありますか?
制限時間、対象銘柄、対象外の銘柄、適用条件、税込価格の5点を書き切ってください。なお消費税法63条により、免税事業者を除き、あらかじめ価格を表示するときは税込価格を表示する必要があります。飲み放題は提供の条件そのものが商品の中身なので、条件が曖昧だと実際より有利だと誤認される表示になり得ます。銘柄の名称にも注意が必要です。消費者庁のメニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方についてでは、醸造アルコールなどを使用した清酒を純米酒と表示すること、スパークリングワインをシャンパンと表示すること、既製品や紙パックのジュースをフレッシュジュースと表示することが、いずれも景品表示法上問題となるとされています。同資料は景品表示法の対象となる表示にインターネットによる表示を含めているため、店頭のメニュー表だけでなくホームページの記載も同じ規制の対象です。
宴会のキャンセル料をホームページに載せてよいですか?
載せて構いませんが、書き方に条件があります。消費者契約法9条1項1号は、解除に伴う損害賠償の額や違約金を定める条項について、当該条項において設定された解除の事由や時期等の区分に応じ、同種の契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分を無効としています。条文が区分に応じてと定めているため、いつキャンセルされても100パーセントというような区分のない一律設定は、この判断枠組みに素直に乗りません。食材の発注、人員の手配、他の予約を断ったかどうかといった損害が発生するタイミングで区分を刻んでください。また同条2項により、消費者から説明を求められたときは算定根拠の概要を説明するよう努める必要があります。料率を書く前に、その料率の根拠を店側で説明できる状態にしておいてください。人数が減った場合の扱いを総キャンセルとは別に定めておくことも重要です。
「日本酒お持ち帰りできます」とホームページに書いてもよいですか?
書く前に所轄税務署への確認が必要です。酒税法9条1項は、酒類の販売業をしようとする者は販売場ごとに所轄税務署長の免許を受けなければならないと定めたうえで、ただし書きで酒場や料理店その他酒類をもっぱら自己の営業場において飲用に供する業を除外しています。居酒屋が免許なしで酒を提供できているのはこの除外によるものですが、鍵になるのはもっぱらという語です。未開栓のボトルを持ち帰らせたり発送したりする行為は、自己の営業場において飲用に供することから外れるため、販売形態に応じた酒類販売業免許が必要になり得ます。ホームページにお持ち帰りできますと書くことは、その営業を行っていると対外的に表明することになります。掲載前に所轄税務署へ販売形態を伝えて確認してください。
ホームページの毎月の費用はいくらかかりますか?
自作の場合は、ドメイン代とサーバー代またはツールの月額で、おおむね月0円から3,000円程度です。制作会社に保守を依頼する場合は月5,000円から3万円程度が目安になります。ただし月額だけを見ると判断を誤ります。保守契約の範囲外の更新には別途作業費がかかることが多く、居酒屋の場合は年3回のシーズンページ切り替えがこれに当たるためです。月額が安くても更新1回あたりの単価が高い契約と、月額に更新が含まれる契約では、5年間の総額が逆転することがあります。契約前に、自分で更新できる範囲と、依頼した場合の1回あたりの単価を確認してください。
高校生アルバイトを募集したいのですが、シフトの書き方に決まりはありますか?
業務の中身で結論が変わります。ホールやレジのように客に接する業務については、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律32条3項が同法22条1項4号を飲食店営業を営む者に準用しており、営業所で午後10時から翌日の午前6時までの時間に18歳未満の者を客に接する業務に従事させることが禁じられます。同法施行規則102条の除外は主食を常態として提供する店などに限られ、一般的な居酒屋は当たりません。したがってホールについては22時以降は18歳以上に限られ、労働基準法61条1項ただし書の交替制の満16歳以上の男性という例外も、同条3項の許可による午後10時30分までの延長も使えません。洗い場や仕込みのように客に接しない業務であれば労働基準法61条の枠組みで判断し、原則は午後10時から午前5時までの使用禁止、交替制で使用する満16歳以上の男性は例外、交替制の事業は行政官庁の許可を受ければ午後10時30分までとなります。罰則は労働基準法61条違反が同法119条1号により6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金であるのに対し、風営法22条1項4号違反は同法51条1項4号により1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金またはその併科で、57条1項2号により法人にも罰金刑が科され得ます。求人票には、ホールのシフト終了を22時までと明記してください。

まとめ:居酒屋のホームページ、3ステップで進める

居酒屋のホームページは、集客の入口ではありません。団体予約・酒の表示・夜の営業時間という、この業種にしかない事情を引き受ける場所です。

ステップ1:役割を「宴会の受付窓口」に絞る。1人客と2人客はGoogleマップとグルメサイトで足ります。ホームページが効くのは、金額が大きく、条件が複雑で、事前の合意が必要な取引です。コース・飲み放題の条件・予約フォーム・キャンセルポリシーの4つから作り始めてください。

ステップ2:書く前に、次の確認を1回だけ済ませる。リニューアルで屋号を変えるなら、公開日より先に変更届(10日以内・30万円以下の罰金)。0時をまたぐなら深夜酒類提供飲食店営業の届出と、条例による禁止地域でないかの確認。0時以降に客へ遊興をさせるなら、届出ではなく特定遊興飲食店営業の許可。主食の除外に乗らない店が22時を過ぎて酒を出すなら、従業者名簿と年齢確認の運用。ドリンクの銘柄表記が実物と一致しているか。価格が税込で表示されているか。キャンセル料が区分ごとに書かれているか。酒の通販をするなら、免許の要否と、申込画面に義務づけられる表示の位置・文字サイズ。いずれも、後から直すより先に確認するほうが圧倒的に安く済みます。

ステップ3:年3回の切り替えを自分でできる形にする。忘年会・新年会・歓送迎会。この3回を外注すると費用が毎年積み上がり、外注できないと情報が古いまま残ります。閑散期の5月から9月に表示の棚卸しを入れて、シーズンページの切り替え日をカレンダーに固定してください。

飲食店全般に共通するホームページの作り方は飲食店のホームページ作成完全ガイドに、カフェ・喫茶店はカフェのホームページの作り方に、パン屋・ベーカリーはパン屋のホームページ作成ガイドに、ラーメン店はラーメン屋のホームページ作成ガイドにまとめています。

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