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決算公告をホームページで行う方法|定款変更なしの手順・電子公告・登記・費用と掲載ページの作り方【2026年版】

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決算公告をホームページで行う方法|定款変更なしの手順・電子公告・登記・費用と掲載ページの作り方【2026年版】

「決算公告は官報に出すものだと思っていたが、自社のホームページでもよいと聞いた」「毎年の官報の掲載料を減らしたい」「そもそも決算公告をしていなかった」。決算公告をホームページで済ませたいと考えたとき、多くの人が迷うのは、定款を変える必要があるのか、何を登記するのか、どこまで載せればよいのかという点です。

株式会社は、定時株主総会のあとに貸借対照表を公告する義務があります(会社法440条1項)。公告の場所は官報だけではありません。自社のホームページを使う方法が2つあり、どちらを選ぶかで、定款変更の要否や、決算公告以外の公告をどこで行うかが変わります。

この記事では、会社法の条文と法務省「電子公告制度について」の説明をもとに、ホームページで決算公告をする2つの方法の違い、登記と費用、掲載ページに載せる内容、5年間掲載を続けるための注意点を整理します。条文は e-Gov 法令検索の現行条文(会社法・会社計算規則・会社法施行規則、2026年10月11日時点)で確認しました。登記の申請書や添付書類は会社の状況で変わるため、手続きの前に管轄の法務局や司法書士に確認してください。

この記事の要点

  • 株式会社は、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社は損益計算書も)を公告しなければならない(会社法440条1項)。怠ると100万円以下の過料の対象(976条2号)
  • ホームページを使う方法は2つ。①決算公告だけをホームページに載せる方法(440条3項)と、②公告方法そのものを電子公告に変える方法(939条1項3号)
  • ①は定款変更が不要で、掲載ページのURLを登記すれば官報への掲載がいらなくなる。②は定款変更(株主総会の特別決議)と登記が必要で、決算公告以外の公告も原則として電子公告で行うことになる(資本金の減少や合併の債権者向けの公告は、電子公告にしても官報への掲載が必要。会社法449条2・3項など)
  • どちらの方法でも、ホームページでは要旨ではなく全文を載せる。期間は定時株主総会の終結の日後5年を経過する日までで、毎年分が積み重なり、直近5期分ほどが並ぶ
  • 官報の掲載料は会社等の普通の枠付公告で1枠40,882円(税込。2026年10月時点の料金表で確認)。ホームページに切り替える登記の登録免許税は1件3万円
  • いちばんの落とし穴は、サイトのリニューアルや解約でURLが変わったり、ページが消えたりすること。URLを変えると変更登記が必要になる

状況別の読み分け早見表

当てはまる状況読むところ
自社に決算公告の義務があるか知りたい決算公告とは:義務がある会社と、いつ何を出すか
定款を変えずに済ませたい、方法の違いを知りたいホームページで決算公告をする2つの方法
官報と比べてどれだけ安くなるか知りたい官報・新聞・ホームページの費用と手間を比べる
手続きの順番を知りたいホームページで決算公告を始める手順
掲載ページに何を載せるか、どう作るか知りたい掲載ページに載せる内容と作り方
サイトのリニューアルや制作会社の変更を控えている5年間の掲載を途切れさせないための注意点
何年も公告していなかった決算公告をしていないとどうなるか

決算公告とは:義務がある会社と、いつ何を出すか

決算公告とは、株式会社が定時株主総会のあとに、貸借対照表(大会社は貸借対照表と損益計算書)を広く一般に知らせることです。会社法440条1項が「定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない」と定めています。取引先や債権者が、会社の財務状態を確かめられるようにするための仕組みです。

義務がある会社・無い会社

決算公告の義務は、株式会社に課されています。会社の種類ごとに整理すると次のとおりです。

会社の種類決算公告の義務根拠
株式会社(大会社以外)あり。貸借対照表を公告する会社法440条1項
大会社(資本金5億円以上、または負債の合計が200億円以上の株式会社)あり。貸借対照表と損益計算書を公告する会社法440条1項・2条6号
有価証券報告書を提出している株式会社決算公告の規定は適用されない会社法440条4項
特例有限会社(旧有限会社)決算公告の規定は適用されない会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律28条
合同会社など持分会社440条は株式会社の規定のため、決算公告の義務は無い会社法440条1項

社名に「株式会社」が付いている会社は、上場していなくても、小さな同族会社でも、原則として義務があります。「うちは非公開の小さな会社だから関係ない」と考えられがちですが、会社の規模による免除はありません。

いつまでに出すか

条文の期限は「定時株主総会の終結後遅滞なく」です。何日以内という日数は決まっていません。官報の取次をしている全国官報販売協同組合も、よくある質問で、特にいつまでという期限は無いが、総会の終結後なるべく早く公告することを勧めています(2026年10月時点で確認)。ホームページで行う場合も同じで、総会で計算書類を承認(または報告)したら、間を空けずに掲載します。総会が終わる前には掲載できない点に注意してください。

公告の場所は定款で決まっている

会社が公告をする方法(公告方法)は、次の3つから定款で定めます(会社法939条1項)。

  1. 官報に掲載する方法
  2. 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
  3. 電子公告(ホームページへの掲載)

定款に定めが無い会社の公告方法は、官報になります(939条4項)。現在の公告方法は、定款のほか、登記事項証明書(登記簿謄本)の「公告をする方法」の欄で確かめられます。「官報に掲載してする」とあれば、公告方法は官報です。


ホームページで決算公告をする2つの方法

ホームページで決算公告をする方法は、決算公告だけをホームページに載せる方法と、公告方法そのものを電子公告に変える方法の2つです。違いは、定款を変えるかどうかと、決算公告以外の公告(合併・資本金の減少など)をどこで行うかにあります。

比べる点①決算公告だけをホームページに載せる②公告方法を電子公告に変える
根拠会社法440条3項会社法939条1項3号
使える会社公告方法が官報または日刊新聞紙の会社すべての会社
定款変更不要必要(株主総会の特別決議)
登記するもの貸借対照表を載せるページのURL(911条3項26号)公告方法が電子公告であることと、公告ページのURL(911条3項27号・28号)
載せる内容貸借対照表の全文(大会社は損益計算書も)同じく全文(要旨は不可)
掲載期間定時株主総会の終結の日後5年を経過する日まで決算公告は同じく5年(940条1項2号)
調査機関の調査不要決算公告は不要。合併・減資などの公告は必要(941条)
決算公告以外の公告従来どおり定款の公告方法(官報など)で行う電子公告で行う。ただし資本金の減少や合併の債権者向けの公告は、法律で官報にも載せる必要がある

①決算公告だけをホームページに載せる(会社法440条3項)

公告方法が官報または日刊新聞紙の会社は、貸借対照表の内容を、定時株主総会の終結の日後5年を経過する日まで、インターネットで誰でも見られる状態に置く措置をとれます(会社法440条3項)。この措置をとると、官報や新聞への決算公告をしなくてよくなります(同項後段で1項・2項を適用しない)。

法務省も、公告方法を官報または日刊新聞紙としている会社でも、決算公告のみをホームページに掲載できると説明しています(電子公告制度について)。そのうえで、貸借対照表等を載せるウェブページのURLを登記する必要があるとしています。中小機構のJ-Net21のQ&Aも、決算公告のみを行う場合は特例により定款変更は必要ないと回答しています(いずれも2026年10月時点で確認)。URLの登記が必要という条件は、どちらの説明でも共通です。

定款変更が不要なので、株主総会の特別決議をとる必要がありません。一方で、決算公告以外の公告は、これまでどおり定款で定めた方法(官報など)で行います。決算公告のためだけにホームページを使いたい中小企業には、この方法がいちばん手間が少なくなります。

②公告方法を電子公告に変える(会社法939条1項3号)

定款の公告方法を「電子公告」に変えると、決算公告を含め、定款の公告方法で行う公告を原則としてホームページで行うことになります。定款変更には株主総会の決議が必要で(会社法466条)、決議は特別決議です(309条2項11号)。定款を変えたら、2週間以内に本店所在地で変更の登記をします(915条1項)。

電子公告では、定款に「電子公告による」と定めれば足り、URLまで定款に書く必要はありません(939条3項、法務省の同ページ)。URLは登記します(911条3項28号イ)。決算公告とそれ以外の公告でURLを分けたい場合は、決算公告用のURLを別に登記することもできます(会社法施行規則220条2項)。

また、事故などでホームページに載せられない場合に備えて、官報か日刊新聞紙を予備の公告方法として定款に定めておけます(939条3項後段)。

注意したいのは、決算公告以外の公告です。決算公告以外の公告を電子公告で行うときは、公告期間中、法務大臣の登録を受けた調査機関に、きちんと掲載されているかの調査を依頼しなければなりません(941条)。調査には費用がかかります。決算公告だけはこの調査が不要です(941条の括弧書き、法務省の同ページ)。

また、公告方法を電子公告にしても、官報が不要になるとは限りません。たとえば資本金の額を減らすときの債権者向けの公告は、法律で官報に公告することが求められています(会社法449条2項)。そのうえで、定款で定めた電子公告(または日刊新聞紙)でも公告すれば、知れている債権者への個別の催告を省略できます(同条3項)。電子公告に変えるメリットは、官報の代わりになることより、個別の催告を省ける場面があることだと考えてください。

どちらを選ぶか

判断の分かれ目は、近いうちに合併・会社分割・資本金の減少など、債権者への公告が必要な手続きを予定しているかどうかです。

  • 決算公告の費用と手間を減らしたいだけなら、定款を変えずに済む①が向いています。
  • 組織再編や減資を予定していて、債権者への個別の催告を省きたいなら②を検討します。ただし、官報への公告は別に必要なうえ、決算公告以外の電子公告には調査機関の費用がかかるため、手間と費用を比べて判断します。

どちらの方法でも、ホームページに載せる内容は貸借対照表の全文です。官報や新聞では「要旨」で足りますが(440条2項)、要旨で済ませられるのは公告方法が官報または日刊新聞紙の会社が、官報・新聞に載せる場合だけです。


官報・新聞・ホームページの費用と手間を比べる

ホームページに切り替えると、毎年の官報の掲載料がかからなくなる代わりに、登記の費用と、掲載ページを5年以上維持する手間がかかります。

官報の掲載料

全国官報販売協同組合の官報公告掲載料金では、会社等の枠付公告(普通)は1枠40,882円(税込)です。1枠の大きさは2.9cm×6.1cmで、同じページに2枠81,765円、3枠122,647円、4枠163,530円という税込の計算例も載っています(2026年10月時点で確認)。料金は改定されることがあるため、申し込む前に最新の料金表を確認してください。

決算公告に何枠必要かは、貸借対照表の要旨の分量によって変わります。正確な枠数と金額は、申込みの際に取次店で確認してください。

ホームページに切り替える費用

ホームページで行う場合、掲載そのものに料金はかかりません。かかるのは主に次の2つです。

  • 登記の登録免許税:URLの登記は登記事項の変更にあたり、登録免許税は申請1件につき3万円です(登録免許税法別表第一 24号(1)ツ、2026年10月時点の条文で確認)。司法書士に依頼する場合は報酬が別にかかります。申請の前に、最新の税額を法務局で確認してください。
  • ホームページの維持費:サーバー・ドメイン・制作会社の保守などの費用です。すでにホームページを持っている会社は、追加の負担はほとんどありません。

5年間で比べると

たとえば、官報で毎年2枠の決算公告をしている会社なら、5年間の掲載料は 81,765円 × 5回 = 408,825円です。ホームページに切り替えれば、登記の登録免許税3万円(と司法書士の報酬)で、その後の掲載料はかかりません。

方法初回にかかるもの毎年かかるもの手間
官報なし掲載料(1枠40,882円×枠数)毎年、取次店に申し込み、原稿を確認する
日刊新聞紙定款変更と登記(公告方法を変える場合)掲載料(各新聞社に確認)毎年、新聞社に申し込む
ホームページ(①)登記の登録免許税3万円サイトの維持費のみ毎年、ページに1期分を追加し、5年分を維持する
ホームページ(②)定款変更(特別決議)と登記の登録免許税3万円サイトの維持費のみ。決算公告以外を電子公告で行うときは調査費用①と同じ。決算公告以外の公告では調査機関に依頼する

ただし、URLを変えるたびに変更登記(登録免許税3万円)が必要です。リニューアルのたびにURLが変わる作り方をしていると、切り替えた意味が薄れます。この点は後の「5年間の掲載を途切れさせないための注意点」で詳しく説明します。

ホームページの維持費の考え方は、ホームページの維持費・保守料の相場で整理しています。

自社のホームページが無い場合

ホームページを持っていない会社でも、①の方法は使えます。官報公告の申込みを代行する会社の解説(公告掲載媒体の説明)でも、決算公告のみをインターネットで掲載する方法について、自社のホームページを利用すれば無料で掲載でき、他社のホームページを利用する場合は費用が発生すると案内されています。決算公告の掲載場所を提供する有料のサービスを使うか、自社のホームページを用意するかを比較して選びます(2026年10月時点で確認)。

掲載サービスを使う場合は、サービスを解約したり、提供会社がサービスを終えたりすると掲載が止まり、URLも変わります。5年以上続けて使えるかどうか、URLが変わったときの扱いを、契約前に確認してください。自社のホームページを用意すれば、決算公告のページに加えて、会社概要や事業内容、問い合わせ先も一緒に載せられます。取引先が登記簿のURLから決算公告を見に来たときに、会社のことも一緒に伝えられるのは、自社サイトならではの利点です。


ホームページで決算公告を始める手順

ここでは、定款変更が要らない①(決算公告だけをホームページに載せる方法)の手順を中心に説明します。

  1. 公告方法を確かめる:登記事項証明書の「公告をする方法」が官報(または日刊新聞紙)になっているかを確かめます。すでに電子公告なら、①ではなく電子公告として載せます。
  2. 掲載ページの置き場所とURLを決める:自社のドメインの下に、決算公告のページを作ります。URLは5年以上変えないものにします(例:https://example.co.jp/koukoku/)。
  3. URLを登記する:貸借対照表を載せるページのURLを登記します(会社法911条3項26号、会社法施行規則220条1項1号)。登記事項に変更が生じたときは2週間以内に登記するのが原則です(915条1項)。申請書の書き方や添付書類は、管轄の法務局で確認してください。
  4. 定時株主総会のあと、遅滞なく掲載する:総会で計算書類が確定したら、貸借対照表の全文と必要な注記を掲載します。
  5. 5年間掲載を続け、毎年1期分を追加する:前の年の分は消さずに残し、総会の終結の日後5年を経過した分から外します。

②(公告方法を電子公告に変える方法)の場合は、2の前に株主総会の特別決議で定款を変更し、2週間以内に公告方法とURLの変更登記をします。決算公告以外の公告をするときは、掲載を始める前に調査機関に調査を依頼します。

会社を新しく設立する場合は、設立登記の際に公告方法とURLをあわせて登記できます。設立直後から官報の掲載料をかけずに済むため、ホームページの開設と同時に決めておくと手間が少なくなります。

登記するURLの決め方

登記するのは、貸借対照表の内容を見るために入力するURLです。会社法施行規則220条1項は、このURLを「情報の提供を受ける者がその使用に係る電子計算機に入力することによって当該情報の内容を閲覧し、当該電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録することができるもの」と定めています。URLを入力すれば、そのまま決算公告の内容にたどり着ける必要があります。

登記したURLは登記事項証明書に載るため、取引先や金融機関は登記簿から決算公告のページを探せます。URLを決めるときは、次の点を確認してください。

  • 自社の独自ドメインを使う:ホームページ作成サービスが最初に割り当てるURL(サービス名の入ったサブドメインなど)で登記すると、あとで独自ドメインに移したときにURLが変わり、変更登記が必要になります。
  • トップページではなく、決算公告のページを指す:トップページのURLだけでは、どこに貸借対照表があるのか分かりません。「/koukoku/」のように、決算公告の一覧ページを指すURLにします。
  • ファイル名や年度をURLに入れない:「/koukoku/2026.pdf」のように1期分のファイルを指すと、翌年にURLが変わります。毎年変わらない一覧ページのURLを登記し、各期のPDFはそこからリンクします。
  • httpsで公開する:SSL証明書の期限切れで警告が出ると、見る人がページを開けなくなります。

官報から切り替える年の考え方

ホームページでの措置をとると、その期の貸借対照表については官報への公告が不要になります(会社法440条3項後段)。すでに官報で公告した過去の期を、ホームページにさかのぼって載せ直す義務はありません。切り替えは、次の定時株主総会で承認(または報告)される期から始めるのが分かりやすい進め方です。登記が総会後の掲載に間に合うよう、総会の1〜2か月前には準備を始めておきましょう。


掲載ページに載せる内容と作り方

ホームページで決算公告をするときは、官報のような「要旨」ではなく、貸借対照表の全文を載せます。J-Net21のQ&Aも、ホームページでの決算公告では要旨ではなく全文の掲載が必要だと説明しています。大会社は損益計算書の全文も載せます。

貸借対照表に加えて載せる注記

会社計算規則136条1項は、決算公告(ホームページでの措置を含む)で明らかにしなければならない事項として、次の注記と当期純損益金額を挙げています。ただし、注記はその事業年度の個別注記表に表示したものに限られます。

載せるもの中小の非公開会社(会計監査人なし)の扱い
継続企業の前提に関する注記個別注記表に表示を要しない(会社計算規則98条2項1号)。表示していれば載せる
重要な会計方針に係る事項に関する注記個別注記表に表示していれば載せる
貸借対照表に関する注記個別注記表に表示を要しない(同上)
税効果会計に関する注記個別注記表に表示を要しない(同上)
関連当事者との取引に関する注記個別注記表に表示を要しない(同上)
一株当たり情報に関する注記個別注記表に表示を要しない(同上)
重要な後発事象に関する注記個別注記表に表示を要しない(同上)
当期純損益金額載せる(損益計算書を公告する大会社を除く)

会計監査人を置いていない非公開会社では、個別注記表に表示しなくてよい項目が多いため(会社計算規則98条2項1号)、「貸借対照表の全文+重要な会計方針の注記(表示している場合)+当期純損益金額」で足りる場合があります。自社の個別注記表に何を書いたかを、顧問税理士に確かめてから載せてください。

形式:HTMLでもPDFでもよいが、誰でも見られること

ホームページでの措置は、インターネットに接続したサーバーを使い、見る人のパソコンに情報を記録できる方法で行います(会社計算規則147条、会社法施行規則222条1項1号ロ)。その方法は、見る人が記録を出力して書面を作れるものでなければなりません(同条2項)。

掲載の形は、貸借対照表をPDFにして載せるか、HTMLの表で載せるかのどちらかが扱いやすいでしょう。どちらでも、次の点を守ります。

  • ログインやパスワードをかけない:条文は「不特定多数の者が提供を受けることができる状態」を求めています(440条3項)。会員だけが見られるページは使えません。
  • ダウンロード・印刷ができる:PDFに印刷禁止の設定をかけない。
  • 画像だけにしない:表を画像で貼るより、PDFのテキストやHTMLの表にすると、読み上げソフトや検索でも読める。

金額の単位と書き方

貸借対照表などの計算書類の金額は、1円単位・千円単位・百万円単位のいずれかで表示し、日本語で表示するのが原則です(会社計算規則57条1項・2項)。ホームページには全文を載せるので、株主総会で承認(または報告)した計算書類と同じ単位・同じ科目のまま載せるのが確実です。

官報や新聞に載せる「要旨」は、これとは別のルールで、百万円単位または十億円単位で表示し、それでは財産の状態が分からなくなるおそれがある場合は適切な単位で表示します(会社計算規則144条)。官報の取次をしている全国官報販売協同組合も、要旨の単位を千円・百万円・十億円から選べると案内しています。官報向けに作った要旨の原稿を、そのままホームページに流用しないよう注意してください。

掲載ページの構成例

法律で決まったページの形はありません。見る人が迷わないように、次のように1ページにまとめて、各期のPDFや表へリンクする形が管理しやすくなります。

決算公告

当社は、会社法第440条第3項の規定により、貸借対照表の内容である情報を
このページに掲載しています。

■ 第12期(2025年4月1日〜2026年3月31日)
  2026年6月26日 定時株主総会終結
  貸借対照表・注記(PDF)

■ 第11期(2024年4月1日〜2025年3月31日)
  2025年6月27日 定時株主総会終結
  貸借対照表・注記(PDF)

(以下、定時株主総会の終結の日後5年を経過していない期を掲載)

株式会社〇〇〇〇
本店所在地 〇〇県〇〇市〇〇
代表取締役 〇〇 〇〇

法務省は、電子公告について、公告ページのURLでも、公告ページが複数にわたる場合に作る共通ページのURLでも差し支えないとしています(電子公告制度について)。①の方法でも、各期のページではなく、この「決算公告」の一覧ページのURLを登記しておけば、毎年URLを登記し直さずに済みます。登記するURLの形が受け付けられる条件は、申請前に管轄の法務局で確認してください。

サイトのどこに置くか

フッターや「会社概要」ページから、決算公告のページへリンクを張っておくと、取引先や金融機関が見つけやすくなります。会社概要ページに載せる項目は、会社概要ページに載せる項目一覧で解説しています。ホームページ全体のページ構成を考えるときは、ホームページの構成ガイドも参考にしてください。

決算公告を載せる自社サイトがまだなら、先に下見する

シタミなら、業種と好みを選ぶだけでホームページを作り、実物のURLで下見できます。決算公告のページの置き方は、サポートにご相談ください。下見までは無料です。

無料で下見する

5年間の掲載を途切れさせないための注意点

ホームページでの決算公告は、毎年の公告をそれぞれ5年間掲載し続けるため、掲載期間が重なっていきます。毎年6月に定時株主総会を開く会社なら、2030年7月の時点では2026年から2030年までの5期分を同時に掲載している計算です。

ホームページの決算公告は掲載期間が毎年重なり、直近5期分ほどが並ぶ

つまり、ホームページで決算公告を始めたら、会社が続く限り、決算公告のページを持ち続けることになります。官報なら掲載した時点で終わりますが、ホームページは「載せ続けること」自体が義務です。

途切れやすい場面

場面起きること対策
ホームページのリニューアルページのURLが変わる、古い期のPDFが移されない決算公告のURLは変えない。変えるなら変更登記をする
制作会社・サーバーの変更移転の途中でページが表示されない期間ができる移転前に決算公告のページとPDFを一覧にして引き継ぐ
ドメインの更新忘れサイト全体が表示されなくなるドメインの自動更新と支払い方法を確認する
月額制の作成サービスの解約解約でサイトの公開が止まる5年間契約を続ける前提で選ぶか、自社管理のサーバーに置く
SSL証明書の期限切れ警告が出て閲覧できなくなる自動更新の設定を確認する
担当者の退職毎年の追加や古い期の削除を誰もしない総会後の作業として社内の手順書に書く

月額制のホームページ作成サービスには、解約するとサイトの公開が止まるものがあります。シタミも、解約後は請求期間の末日を過ぎた時点でサイトの公開(ホスティング)を停止します(シタミ利用規約第5条)。決算公告を載せるなら、5年以上使い続けるつもりで作成サービスを選んでください。

リニューアルの時期を考えている場合は、ホームページの作り直しタイミングとホームページリニューアルの進め方もあわせて読んでおくと、決算公告のページを引き継ぐ段取りを組みやすくなります。

掲載が途切れたときの扱い

②の電子公告では、公告期間中に掲載が途切れる(ページが見られなくなる、内容が書き換わる)ことを「公告の中断」といいます。次のすべてに当てはまれば、中断があっても公告の効力に影響しません(会社法940条3項)。

  1. 中断について会社が善意でかつ重大な過失が無いこと、または会社に正当な事由があること
  2. 中断した時間の合計が公告期間の10分の1を超えないこと
  3. 中断を知ったあと速やかに、その旨・中断した時間・中断の内容を公告に付して公告したこと

①の方法(440条3項)には、この救済の規定がありません。条文は5年間「継続して」見られる状態に置くことを求めているため、サーバーの障害などで表示されなかった場合は、気づいた時点ですぐに復旧し、いつからいつまで表示できなかったかを記録しておきましょう。


決算公告をしていないとどうなるか

決算公告を怠ると、取締役などが100万円以下の過料の対象になります(会社法976条2号「この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき」)。

実務で困るのは、合併や資本金の減少(減資)をするときです。減資の際に債権者に向けて行う公告では、最終事業年度の貸借対照表について、決算公告をどこに掲載したか(官報の日付と頁、ホームページの場合は登記したURL)を示す必要があり、決算公告をしていなければ、貸借対照表の要旨をその公告に載せることになります(会社法449条2項2号、会社計算規則152条)。組織変更や合併でも、同じ仕組みの規定があります(会社法施行規則181条・188条・199条)。

何年も決算公告をしていなかった会社は、まず直近の期から公告を始めるのが現実的です。ホームページの方法(①)に切り替えれば、毎年の掲載料をかけずに続けられます。過去の期をどこまでさかのぼって公告するかは、顧問税理士や司法書士に相談してください。

業種によっては、決算公告以外にもホームページに載せるよう求められている事項があります。業種ごとの表示義務はホームページの掲載義務一覧にまとめています。


よくある間違いと直し方

ホームページでの決算公告は、掲載の形や中身を自社で決めて載せることになります。自社で作るからこそ起きやすい間違いを、条文に照らして整理しました。

よくある間違い何が問題か直し方
官報用に作った「要旨」をそのまま載せているホームページでは全文が必要。要旨で足りるのは官報・日刊新聞紙だけ(440条2項)総会で承認(報告)した貸借対照表の全文に差し替える
当期純損益金額を載せていない損益計算書を載せない会社は、当期純損益金額を明らかにする必要がある(会社計算規則136条1項8号)貸借対照表の下に当期純損益金額を書き足す
新しい期を載せるときに前の期を消した各期とも定時株主総会の終結の日後5年を経過する日まで掲載が必要(440条3項・940条1項2号)5年を経過していない期を元に戻し、表示できなかった期間を記録する
ページは作ったがURLを登記していない①の方法は、URLの登記が前提(911条3項26号)管轄の法務局で登記を申請する
総会の前に掲載した公告は定時株主総会の終結後に行うもの(440条1項)総会で確定した内容で掲載し直し、掲載日を総会後にする
官報とホームページの両方に毎年出している①の措置をとれば官報への公告は不要(440条3項後段)官報の申込みをやめ、ホームページに一本化する
会員ページやPDFのパスワードの中に置いた不特定多数の者が見られる状態が必要(440条3項)誰でも見られる場所に移す

起こりやすいのが、官報から切り替えた最初の年に、官報向けの要旨の原稿をそのままPDFにしてしまうケースです。ホームページに載せるのは、株主総会に出した計算書類の貸借対照表そのものだと覚えておくと迷いません。


掲載前のチェックリスト

  • 登記事項証明書で、自社の公告方法(官報・日刊新聞紙・電子公告)を確かめた
  • ①(決算公告だけ)と②(電子公告)のどちらで行うかを決めた
  • 決算公告のページを、5年以上URLを変えない場所に作った
  • ページにログインやパスワードがかかっておらず、誰でも見られる
  • 貸借対照表の全文(大会社は損益計算書も)を載せた。要旨ではない
  • 個別注記表に表示した注記(重要な会計方針など)と当期純損益金額を載せた
  • PDFは印刷・保存ができる設定になっている
  • 掲載ページのURLを登記した(2週間以内が原則)
  • 定時株主総会の後、遅滞なく掲載した
  • 前の期の分を消していない。5年を経過した期だけを外す
  • リニューアル・サーバー移転・解約の前に、決算公告のページを引き継ぐ手順を決めた

よくある質問(FAQ)

決算公告は自社のホームページでも有効ですか?
有効です。公告方法が官報や日刊新聞紙の会社は、定款を変えずに貸借対照表を自社ホームページに5年間掲載し、そのURLを登記すれば、官報への決算公告が不要になります(会社法440条3項)。公告方法を電子公告に変える方法もあります。
ホームページで決算公告をするのに定款変更は必要ですか?
決算公告だけをホームページで行うなら、定款変更は不要です。URLの登記は必要です。決算公告以外の公告も電子公告で行うために公告方法を変える場合は、株主総会の特別決議で定款を変更します。資本金の減少や合併の債権者向けの公告は、電子公告にしても官報への掲載が必要です。
ホームページでは貸借対照表の要旨でもよいですか?
要旨では足りません。要旨で済むのは官報や日刊新聞紙に載せる場合です(会社法440条2項)。ホームページでは貸借対照表の全文と、個別注記表に表示した注記、当期純損益金額を載せます。
決算公告はホームページにいつまで載せておけばよいですか?
定時株主総会の終結の日後5年を経過する日までです。毎年の公告をそれぞれ5年間掲載するため、常に直近5期分ほどがページに並びます。5年を経過した期の分だけを外します。
ホームページで決算公告をすると費用はいくらかかりますか?
掲載自体の料金はかかりません。URLの登記に登録免許税が1件3万円かかり、司法書士に頼む場合は報酬が別にかかります。あとはホームページの維持費です。官報は会社等の普通の枠で1枠40,882円(税込)です。
ホームページをリニューアルするとURLが変わりますが、どうすればよいですか?
登記したURLが変わる場合は、変更の登記が必要です(登録免許税3万円)。リニューアルでも決算公告のページのURLは変えないように制作会社に伝え、過去の期のPDFも漏れなく引き継いでください。
決算公告はPDFで載せてもよいですか?
PDFでもHTMLでもかまいません。見る人が閲覧し、保存や印刷ができる形であることが必要です(会社法施行規則222条2項)。ログインやパスワードをかけたり、印刷を禁止したりしないでください。
登記するURLはトップページでもよいですか?
決算公告の内容にたどり着けるURLを登記します。トップページでは貸借対照表がどこにあるか分からないため、決算公告の一覧ページのURLにするのが確実です。受け付けられる形は管轄の法務局で確認してください。
合同会社にも決算公告の義務はありますか?
ありません。決算公告を定めた会社法440条は株式会社の規定です。特例有限会社(旧有限会社)や、有価証券報告書を提出している株式会社も、この規定は適用されません。

まとめ:定款を変えずに始められるが、5年間持ち続ける覚悟が要る

  • 株式会社は、定時株主総会の後、遅滞なく貸借対照表(大会社は損益計算書も)を公告する義務がある
  • 公告方法が官報の会社でも、定款を変えずに決算公告だけをホームページで行える。必要なのはURLの登記(登録免許税3万円)
  • ホームページでは要旨ではなく全文を載せ、個別注記表に表示した注記と当期純損益金額も載せる
  • 各年の公告を5年間掲載し続けるため、直近5期分ほどが常に並ぶ。リニューアル・移転・解約でURLが変わったりページが消えたりしないように管理する
  • 減資などで債権者への個別の催告を省きたい場合は、公告方法を電子公告に変える方法も検討する。ただし官報への公告が別に必要な手続きもある

決算公告のページは、一度作れば毎年1期分を足すだけで続けられます。官報の掲載料を毎年払っている会社は、次の定時株主総会に間に合うように、ページの置き場所とURLの登記を準備しておきましょう。自社サイトを新しく用意する場合は、シタミの料金プランを確認したうえで、完成したサイトを無料で下見してから決められます。

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