コピーライト(©)の書き方|ホームページの著作権表記の正しい形と年号の決め方【2026年版】

ホームページのコピーライト(著作権表記)は、「© 最初に公開した年 権利者名」の3つの要素で書くのが基本です。たとえば「© 2026 株式会社やまびこ商店」のようになります。日本では著作権は作った時点で自動的に発生するため、この表記が無くても権利は失われません。それでも多くのサイトが表記を入れているのは、だれが権利を持っているかを閲覧者に示せるからです。
一方で、「年号は毎年書き換えるべき?」「All rights reserved は付けないといけない?」「制作会社に作ってもらったサイトは、だれの名前を書けばいい?」と迷う人も多いはずです。検索するとブログ記事や知恵袋の回答が並びますが、根拠となる条約や法律の原文まで示しているものは多くありません。
この記事では、著作権法(e-Gov 法令検索、2026年10月8日時点)、文化庁の説明、©マークの由来である万国著作権条約、米国著作権局の資料をもとに、コピーライトの正しい書き方と、状況別にそのまま使える例文を整理します。個別の権利関係の判断が必要な場合は、弁護士などの専門家に確認してください。
この記事の要点
- コピーライト表記は 「©(または Copyright)」「最初に公開した年」「権利者名」 の3要素で書く。形はこの順番が一般的
- 日本の著作権法は「著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない」と定めている(17条2項)。表記が無くても著作権は発生し、表記しても権利が強くなるわけではない
- ©マークは、登録や表示を求める国でも保護を受けられるように、万国著作権条約(1952年)第3条で定められた表示。現在は多くの国が表示を求めないが、慣習として残っている
- 年号は 最初に公開した年、更新を続けるサイトなら 「開設年–最新の更新年」 の範囲で書くのがわかりやすい
- All rights reserved は、日本の法律上は書いても書かなくても効果は変わらない。付けるかどうかは見た目と慣習で決めてよい
- 制作会社やフリーランスが作った文章・写真・デザインの著作権は、契約で譲り受けていなければ制作側に残る。表記に自社名を書く前に契約を確認する
コピーライト表記とは
コピーライト表記とは、ウェブサイトや印刷物に「この著作物の権利者はだれか」を示すために入れる一文のことです。ホームページでは、すべてのページの一番下(フッター)に入れるのが一般的です。英語の copyright(著作権)からきた言葉で、日本語では「著作権表記」「著作権表示」とも呼ばれます。
書かなくても著作権は発生する
最初に押さえておきたいのは、日本ではコピーライト表記が無くても著作権は発生するという点です。著作権法17条2項は「著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない」と定めています(著作権法|e-Gov 法令検索)。この考え方を「無方式主義」と呼びます。条文は2026年10月時点の内容を確認したもので、表記が無いことを理由に権利を主張できなくなる、という条件はどこにも書かれていない点に注意してください。
文化庁も、著作権の登録制度の説明の中で「著作権は著作物を創作した時点で自動的に発生し,その取得のためになんら手続を必要としません」と説明しています(出典:著作権登録制度|文化庁)。ホームページの文章・写真・イラスト・デザインのうち、思想や感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの(著作権法2条1項1号の「著作物」)であれば、公開した時点ではなく、作った時点から守られています。登録は権利が発生する条件ではないため、表記や登録が無いからといって、他人のサイトの文章を自由に使ってよいと判断するのは誤りです。
日本は、表示や登録を求めない国どうしの条約であるベルヌ条約に、1899年7月15日から加盟しています(WIPO Lex:ベルヌ条約の締約国一覧)。WIPO(世界知的所有権機関)の公式の一覧で確認すると、2026年10月時点で182の国と地域が加盟しています。表記を入れるかどうかの判断材料として、ほとんどの国では表示が保護の条件になっていない、という事実を押さえておきましょう。
©マークが生まれた理由
それでは、なぜ「©」という記号が使われるようになったのでしょうか。かつて米国など一部の国は、著作権を守る条件として登録や表示を求めていました(方式主義)。表示を求めない国の著作物が、表示を求める国でも守られるようにするため、1952年に作られたのが万国著作権条約です。
万国著作権条約の第3条1項は、最初の発行の時からすべての複製物に「the symbol © accompanied by the name of the copyright proprietor and the year of first publication」(©の記号と、著作権者の名前と、最初の発行の年)が、権利の主張だとわかる場所と方法で表示されていれば、方式の要件を満たしたものとみなすと定めています(出典:Universal Copyright Convention(1952年9月6日ジュネーブ採択)|United Nations Treaty Series Vol.216。1971年のパリ改正版も第3条1項は同じ文言)。「©・年・名前」という3要素は、この条文に由来します。 条文が求めているのは「権利の主張だとわかる場所と方法」で表示することなので、ホームページではすべてのページから見えるフッターに入れるのが自然です。
中小企業基盤整備機構が運営する J-Net21 も、記載する内容は「©」「著作権者名」「最初の発行年月日」だと説明しています。そのうえで、ほとんどの国が無方式主義を採用するようになって©の意味は薄れたものの、ホームページは世界中から見られ、無方式主義を採用していない国や著作権条約に加盟していない国も若干あるため、記載したほうがよいという考えもある、と紹介しています(ホームページで著作権を表示する方法とは?|J-Net21、2026年10月時点で確認)。同じ回答は、日本国内向けの内容なら、法的な保護という意味でのメリットはあまりないとも述べています。表記は「入れておくと損はない目印」くらいに考えておくのが実態に合っています。
それでも表記を入れる3つの理由
法律上の義務ではないのに表記を入れる理由は、次の3つに整理できます。
| 理由 | 中身 | 根拠・補足 |
|---|---|---|
| 権利者を示せる | だれに許可を取ればよいかが閲覧者にわかる。無断転載をする側への牽制にもなる | 著作権法14条は、著作物に「著作者名として通常の方法により表示されている者」を著作者と推定すると定める。フッターの表記がこれに当たるかは表示の仕方による |
| 海外での扱い | 米国では、1989年3月1日以降に発行された著作物の表示は任意だが、表示があると侵害した側が「知らなかった(innocent infringement)」と主張しにくくなる | 米国著作権局 Circular 3 |
| 運営者の信頼 | 運営者の名前が全ページに出ることで、だれのサイトかが伝わる | 会社概要や特定商取引法に基づく表記と組み合わせると効果が大きい |
米国著作権局の資料(出典:Circular 3: Copyright Notice|U.S. Copyright Office、2021年3月改訂)は、1989年3月1日以降に発行された著作物では表示は任意としつつ、表示の手続きを満たしておくことで、侵害訴訟で被告が innocent infringement(悪意の無い侵害)の抗弁を使うのを防げる場合があると説明しています。海外の取引先や顧客が多い会社ほど、表記を入れておく意味があります。ただし、これは米国法の話で、適用される条件は国によって違います。海外で権利侵害の問題が起きた場合は、その国の法律に詳しい専門家への相談が必要です。
なお、14条の「推定」は、裁判などで反対の証拠が出されれば覆るものです。表記さえあれば権利者だと確定するわけではない点も覚えておきましょう。
正しい書き方:3つの要素と並べ方
コピーライト表記は、「©」「最初に公開した年」「権利者名」を、この順に1行で書くのが基本です。
図の例文「© 2019-2026 株式会社やまびこ商店. All rights reserved.」では、前の3つが基本の要素で、最後の「All rights reserved.」は付けても付けなくてもよい部分です。それぞれの書き方を見ていきます。
要素1:©マーク(Copyright でもよい)
1つ目は、丸の中にCが入った「©」の記号です。キーボードから直接打てない場合は、次の方法で入力できます。
- HTML:
©と書くと © が表示される - Windows:IMEパッドの文字一覧や、Windows キーと「.」(ピリオド)キーで開く絵文字・記号の一覧から選ぶ
- Mac:英字入力では Option キーを押しながら G キーで入力できることが多い(キーボードビューアを開いて Option キーを押すと、使っている配列で確かめられる)。または、メニューバーの「編集」から「絵文字と記号」を開き、文字ビューアで「©」を選ぶ
米国著作権局の Circular 3 は、表示の1つ目の要素として、©の記号のほかに「copyright」という語や「copr.」という略語も挙げています。「Copyright 2026 株式会社やまびこ商店」のように単語で書いても意味は同じです。「(C)」と書く例もありますが、丸付きの記号とは別の文字なので、記号を出せる環境なら © を使うほうが確実です。
「© Copyright 2026 ...」のように記号と単語を両方書く例も見かけます。誤りではありませんが、意味が重なるのでどちらか1つで足ります。
要素2:年号(最初に公開した年)
2つ目は年号です。万国著作権条約は「最初の発行の年」を書くとしており、米国著作権局の Circular 3 も「The year of first publication of the work」(著作物を最初に発行した年)を要素に挙げています。ホームページなら、サイトを最初に公開した年がこれに当たります。
更新を続けるホームページでの年号の決め方は、次の章で詳しく説明します。
要素3:権利者名(正式名称で書く)
3つ目は、著作権を持っている人や会社の名前です。会社なら登記上の正式な商号(株式会社や合同会社を含む)、個人事業主なら個人名か屋号を書きます。英語表記を使う場合は、会社の正式な英文名に合わせます。
「株式会社」を「(株)」と略すのは避けましょう。商号のほかの場所(会社概要や特定商取引法に基づく表記など)と表記がそろっているほうが、だれが運営しているかが伝わります。会社概要に書く商号の扱いは、会社概要ページの作り方で解説しています。
並べ方とよくある書き方
3要素をそろえた書き方の例を、主なパターン別にまとめます。
| 運営者のパターン | 書き方の例 | ポイント |
|---|---|---|
| 株式会社 | © 2026 株式会社やまびこ商店 | 正式な商号で書く。「(株)」と略さない |
| 英文表記を使う会社 | © 2026 Yamabiko Shoten Co., Ltd. | 会社の正式な英文名に合わせる |
| 個人事業主(屋号あり) | © 2026 やまびこ整体院 | 屋号で書くか、「やまびこ整体院(山田太郎)」のように個人名を併記する |
| 個人(ブログ・作品集) | © 2026 Yamada Taro | 本名を出したくない場合は、広く知られたペンネームでもよい(著作権法14条は、周知の「変名」も推定の対象) |
| 更新を続けるサイト | © 2019-2026 株式会社やまびこ商店 | 開設年と最新の更新年を範囲で書く |
| 単語で書く | Copyright 2026 株式会社やまびこ商店 | © の代わりに Copyright と書いても意味は同じ |
年号は開設年か、今年か
ホームページの年号は、開設した年だけを書くか、「開設年-最新の更新年」の範囲で書くのがわかりやすい書き方です。毎年の1月に自動で今年の年号に変わるようにしているサイトも多く見られます。それぞれの特徴は次のとおりです。
| 書き方 | 例 | 向いているサイト | 気をつけたい点 |
|---|---|---|---|
| 開設年だけ | © 2019 株式会社やまびこ商店 | 公開後にほとんど内容を変えないサイト、キャンペーンページ | 古い年号のままだと「更新されていないサイト」に見えることがある |
| 開設年-最新の更新年 | © 2019-2026 株式会社やまびこ商店 | 会社案内やブログなど、更新を続けるサイト | 内容を大きく更新した年に、後ろの年を書き換える |
| 今年の年号だけ(自動更新) | © 2026 株式会社やまびこ商店 | 手間をかけたくないサイト | 最初に公開した年の情報が消える。古いページまで今年作ったように見える |
条約や米国著作権局の資料がいう「最初の発行の年」に忠実なのは、開設年を残す書き方です。米国著作権局の Circular 3 は、表示に発行年を入れる意味として、匿名の著作物や職務上の著作物などで保護期間を判断する手がかりになることを挙げています。開設年を消さずに残しておくのは、この点でも理にかなっています。後ろに最新の更新年を足す範囲表記は、条文で決められた形ではありませんが、「いつから公開し、いつまで更新しているか」が一目でわかるため、更新を続けるサイトでよく使われています。
一方で、日本の著作権法では表記の有無や年号で権利が変わるわけではないため、「今年の年号だけ」にしても法的に困ることは基本的にありません。手間と見た目を考えて選んでよい部分です。迷ったら、「開設年-今年」の範囲表記を、毎年自動で書き換える形にしておくと、開設年の情報も残り、更新が止まったサイトにも見えません。
年号を自動で更新する方法
ホームページの仕組みによっては、フッターの年号を自動で今年にできます。手作りのHTMLサイトなら、次のようにJavaScriptで今年の年を入れる方法がよく使われます。
<p>© 2019-<span id="copyright-year">2026</span> 株式会社やまびこ商店</p>
<script>
document.getElementById("copyright-year").textContent = new Date().getFullYear();
</script>
span の中にあらかじめ年を書いておくと、JavaScriptが動かない環境でも年号が空になりません。
PHPで作られたサイト(WordPress のテーマのフッターなど)では、サーバー側で今年の年を出力する書き方がよく使われます。
<p>© 2019-<?php echo date('Y'); ?> 株式会社やまびこ商店</p>
PHPの date('Y') は、サーバーの時計で4桁の西暦を出力します。どちらの方法でも、開設年(例では2019)は固定で書き、後ろの年だけを自動にするのがポイントです。WordPressのテーマやホームページ作成サービスには、フッターの著作権表記を設定画面で書き換えられるものも多いので、まずは使っているサービスの設定を確認しましょう。
年号の書き方の決まりごと
年号の数字は、西暦の4桁だけを書くのが一般的です。万国著作権条約も米国著作権局も「最初の発行の年」としか書いておらず、Circular 3 の例も「© 2017 John Doe」のように西暦の数字だけです。
- 和暦は使わない:「© 令和8年」のような書き方は、海外の閲覧者に伝わらない。©表記は国際的な慣習なので西暦にそろえる
- 「年」を付けない:「© 2026年 株式会社〇〇」とは書かず、「© 2026 株式会社〇〇」とする
- 範囲はハイフンかエンダッシュでつなぐ:「2019-2026」(ハイフン)でも「2019–2026」(エンダッシュ)でも意味は同じ。サイトの中ではどちらかにそろえる
- 飛び飛びの年を並べる書き方もある:「© 2014, 2016, 2026」のように、内容を大きく変えた年を並べる例もあるが、ホームページでは「開設年-最新の更新年」の範囲で書けば十分
年号と著作権の保護期間の関係
表記の年号は、著作権がいつまで続くかを考えるときの手がかりにもなります。日本の著作権法では、個人が作った著作物の著作権は、原則として著作者の死後70年まで続きます(51条2項)。会社などの団体の名義で公表した著作物は、公表後70年まで続きます(53条1項)。どちらも、死亡した日や公表した日の属する年の翌年の1月1日から数えます(57条)。
会社のホームページの文章や写真のうち、会社の名義で公表したものは、公表した年が保護期間の起点になります。いつ公開したかを示す開設年を表記に残しておくと、後から「この文章はいつから公開していたか」を説明するときの材料の1つになります。ただし、表記の年号はページごとの公開日を正確に示すものではないので、ブログ記事の投稿日やお知らせの日付など、ページごとの記録も残しておきましょう。
年号の数字はいつ変える?
範囲表記の後ろの年は、会社概要やサービス内容、ブログ記事などを更新した年に書き換えます。毎年1月に必ず変えなければならないルールはありません。ただし、年号が何年も前のまま止まっていると、閲覧者に「このサイトは今も運営されているのか」と思われることがあります。更新が少ないサイトほど、年に1回は内容と年号を見直すとよいでしょう。
権利者名はだれを書くか
権利者名には、サイトの文章や写真、デザインの著作権を実際に持っている人や会社を書きます。社員が仕事で作ったものと、外部に依頼して作ったものとで、著作権の持ち主の決まり方が違うので注意が必要です。
社員が作ったものは会社名でよい
会社の発意(企画や指示)にもとづいて社員が仕事として作り、会社の名義で公表するもの(プログラム以外)は、契約や勤務規則に別の定めがない限り、会社が著作者になります(著作権法15条1項、職務著作)。社員が書いたブログ記事や、社員が撮った商品写真を会社のサイトに載せる場合は、会社名で表記して問題ありません。
制作会社・フリーランスに頼んだものは契約しだい
外部の制作会社やフリーランス、カメラマンに作ってもらった文章・写真・イラスト・デザインの著作権は、作った側に発生します。発注した会社に移るのは、契約で著作権を譲り受けた場合です(著作権法61条1項)。
さらに、著作権を譲り受ける契約でも、翻案権(作り変える権利、27条)と二次的著作物の利用に関する権利(28条)は、契約書に「特に書いていない」と、譲渡した側に残っていると推定されます(61条2項)。契約書に「著作権(著作権法第27条及び第28条に規定する権利を含む)を譲渡する」と書かれているかを確認しましょう。
| ケース | 著作権を持つのはだれか | コピーライト表記 |
|---|---|---|
| 社員が仕事で作った文章・写真 | 会社(職務著作。勤務規則などに別の定めが無い場合) | 会社名で書く |
| 制作会社が作り、契約で著作権を譲り受けた | 発注した会社 | 会社名で書く |
| 制作会社が作り、契約で利用の許可(ライセンス)だけ受けた | 制作会社 | 会社名で書く例が多いが、権利そのものは制作会社にある。サイトの作り直しや他の媒体への転用の範囲は契約で確認する |
| 契約書が無い・著作権の条項が無い | 原則として作った側 | 制作会社に、権利の扱いを書面で確認する |
| 無料素材サイトの写真・イラスト | 素材の提供者 | サイトの表記は自社名でよいが、素材の権利は素材サイトの利用規約に従う |
ホームページ制作の契約書で、著作権の条項をどう確認するかは、ホームページ制作の契約書で確認すべきことで詳しく解説しています。
表記の名前と、実際の権利者がずれていたら
コピーライト表記に自社名を書いても、それだけで著作権が自社に移るわけではありません。逆に、制作会社の名前が「Produced by ○○」のように小さく入っていても、契約で著作権を譲り受けていれば権利は自社にあります。表記は権利の持ち主を示す目印であり、権利を決めるのは創作の事実と契約です。表記と契約の内容がずれていたら、契約に合わせて表記を直しましょう。
All rights reserved の意味と、付けるかどうか
「All rights reserved」は「すべての権利を留保する(保有している)」という意味の英語です。日本の法律上は、付けても付けなくても著作権の効力は変わりません。
この一文は、1910年に南北アメリカの国々が結んだブエノスアイレス条約(WIPO Lex:Buenos Aires Convention、1911年8月1日発効)で、権利を留保する旨の表示を作品に入れることが求められていた名残といわれています。その後、米国も1989年3月1日以降に発行された著作物では表示を任意としており(米国著作権局 Circular 3)、ベルヌ条約は表示を保護の条件にしていません。今では、この一文を書かなかったことで保護を受けられなくなるリスクは考えにくいといえます。
日本はベルヌ条約に1899年から加盟しており、著作権法17条2項のとおり、表示は権利の条件ではありません。
All rights reserved を書いてもできないこと
「すべての権利を留保する」と書いても、法律で認められた利用まで止められるわけではありません。たとえば、公表された著作物は、著作権法32条の条件を満たせば、権利者の許可なく引用できます。条文には「権利を留保する旨の表示がある場合を除く」といった例外はありません。All rights reserved は、「使いたい場合は許可を取ってほしい」という意思を示す一文であって、引用を禁止する効力はない、と理解しておきましょう。
「Some rights reserved」とクリエイティブ・コモンズ
反対に、自社の文章や写真を一定の条件で自由に使ってほしい場合は、「Some rights reserved(一部の権利を留保)」という考え方の、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを使う方法があります。たとえば「CC BY 4.0」(表示 4.0 国際)は、営利目的も含めて複製・再配布や改変を認める代わりに、利用する人に適切なクレジットの表示、ライセンスへのリンク、変更した場合はその旨を示すことを求めるライセンスです(出典:CC BY 4.0|Creative Commons、2026年10月時点で確認)。同じページには「あなたがライセンスの条件に従っている限り、許諾者がこれらの自由を取り消すことはできません」とも書かれています。一度付けると後から撤回しにくいので、付ける範囲は慎重に決めましょう。
付けるかどうかの決め方
All rights reserved を付けるかどうかは、次のような観点で決めてかまいません。
- 付ける:海外向けのサイトで、英語圏の慣習に合わせたい。無断転載をしないでほしいという意思を強めに示したい
- 付けない:フッターを短くしたい。日本語のサイトで英語を混ぜたくない
「無断転載を禁止します」という日本語の一文を、コピーライト表記の近くや免責事項のページに書く例もあります。ただ、これも権利を生む表示ではなく、運営者の方針を確認的に示すものです。免責事項のページの書き方は、免責事項の例文・テンプレートで解説しています。
著作権表示まで入ったホームページを、先に下見する
シタミなら、業種と好みを選ぶだけでホームページを作り、完成したサイトを実物のURLで下見できます。フッターの著作権表示はビジュアルエディタで書き換えられます。下見までは無料です。
よくある間違いと直し方
実際のホームページでよく見かける書き方の誤りと、直し方をまとめます。どれも法的に問題になるものではありませんが、閲覧者からは「細かいところまで手が回っていないサイト」に見えてしまいます。
| よくある書き方 | 何が問題か | 直し方 |
|---|---|---|
| © 2023 Company Name | テンプレートの仮の文字がそのまま残っている | 自社の正式な名前と年号に書き換える |
| Copyright © 2026 株式会社〇〇 | © と Copyright は同じ意味で、重ねて書く必要はない | どちらか1つにする(重ねても誤りではない) |
| © 2026 (株)〇〇 | 略称で、会社概要の商号と表記がそろわない | 「株式会社〇〇」と正式な商号で書く |
| All Right Reserved | rights の s が抜けている | All rights reserved と書く |
| © 2016 株式会社〇〇(10年前のまま) | 更新が止まっているサイトに見える | 「© 2016-2026」のように範囲にする |
| © 2026 制作会社の名前 | 自社のサイトなのに、制作会社が権利者のように見える | 契約で著作権を譲り受けているなら自社名にする。譲り受けていないなら契約を確認する |
| © 2026 example.co.jp(ドメイン名だけ) | だれが運営しているかがわからない | 会社名・屋号・氏名で書く。ドメイン名は権利者の名前ではない |
権利を持つ会社が複数ある場合(共同で運営するサイトなど)は、「© 2026 株式会社〇〇・株式会社△△」のように並べて書く方法があります。どちらの名前を出すかは、運営の取り決めに合わせてください。
動画やSNSに入れる場合
YouTube などに載せる動画では、最後の画面や動画の概要欄に「© 2026 株式会社やまびこ商店」と入れておくと、動画だけが転載されたときにも出所がわかります。Instagram や X などの SNS では、投稿ごとに表記を入れる必要はありませんが、プロフィール欄に公式サイトのURLを載せておくと、だれのアカウントかが伝わります。
画像やPDFに入れる場合
写真やイラストを他のサイトに転載されたくない場合は、画像そのものに「© 2026 やまびこ写真館」のような文字を入れる方法もあります。画像だけが切り出されて使われても、だれの作品かが残ります。ただし、文字を大きく入れすぎると作品の見え方を損なうので、画像の隅に小さく入れるのが一般的です。
ダウンロードできる資料(PDF)を配布している場合は、最終ページや各ページの下部に、サイトのフッターと同じ形の表記を入れておくと、資料だけが出回ったときにも出所がわかります。
表記だけでは守れないもの
コピーライト表記を入れても、自社サイトに載せている他人の素材の権利まで自社のものになるわけではありません。また、表記の有無にかかわらず、他人のサイトの文章や写真を無断で使えば著作権侵害になり得ます。表記と合わせて、次の3点を確認しておきましょう。
自社サイトの素材の権利を確認する
フッターに自社名のコピーライトを入れていても、ページの中には、無料素材サイトの写真、ストックフォトのイラスト、取引先から借りたロゴなど、他人に権利がある素材が含まれていることがよくあります。素材ごとに、利用規約で商用利用やクレジット表記(作者名の表示)が求められていないかを確認します。クレジット表記が必要な素材は、写真の近くや、サイトポリシーなどのページにまとめて書きます。
他人の文章を使うときは「引用」の条件を守る
他人の文章や図をホームページに載せたいときは、著作権法32条の「引用」の範囲であれば、許可なく利用できます。条文は、引用が「公正な慣行に合致するもの」であり、「報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内」で行われることを求めています。また、引用するときは、出所(どこから引用したか)を明示しなければなりません(48条1項)。
文化庁の「著作権テキスト(令和6年度版)」は、条件の例として、引用する必然性があること、かぎ括弧などで引用部分が明確になっていること、引用部分とそれ以外の部分の主従関係が明確であること、引用の分量が必要最小限度であることなどを挙げています(出典:著作権テキスト 令和6年度版|文化庁)。これらは条文の文言そのものではなく、裁判例などを踏まえた考え方の例で、実際に引用に当たるかは個別の事情を含めて総合的に判断されます。出典のリンクを付けておくと、読者にも出所が伝わります。
無断で使われたときの備え
自社の文章や写真が他のサイトで無断で使われていた場合、著作権侵害として差し止めや損害賠償を求められる可能性があります。著作権法119条1項は、著作権を侵害した者について「十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金」(または併科)を定めており、法人の業務として行われた場合は法人にも3億円以下の罰金刑が定められています(124条1項1号)。
実際に対応するときは、いつ自社が公開したかを示せる記録が役に立ちます。公開日が残るブログの投稿日、制作会社とのやり取り、写真の元データ(撮影日時の情報)などを保管しておきましょう。対応の進め方に迷う場合は、弁護士に相談してください。
状況別の書き方早見表
| 当てはまる状況 | おすすめの書き方 |
|---|---|
| これからホームページを公開する会社 | © 2026 株式会社〇〇(翌年以降は © 2026-2027 株式会社〇〇 のように範囲にする) |
| 何年も前に作り、年号が古いままのサイト | © 開設年-今年 株式会社〇〇 に直す。開設年がわからなければ、今年の年号だけでもよい |
| 個人事業主・店舗のサイト | © 2026 屋号。名前を出してもよければ「屋号(氏名)」 |
| 海外の顧客や取引先も見るサイト | © 2026 正式な英文社名. All rights reserved. |
| 制作会社に作ってもらったサイト | 契約で著作権を譲り受けたか確認してから、自社名で書く |
| 写真やイラストの作品を載せる個人サイト | © 2026 作家名。作品ごとにも名前を入れると、だれの作品かが伝わりやすい |
自分の状況に近い行を選べば、そのまま使える書き方がわかります。年号と名前の決め方に迷ったら、上の「年号は開設年か、今年か」と「権利者名はだれを書くか」の章に戻って確認してください。
ホームページへの入れ方
コピーライト表記は、フッター(ページの一番下)に、すべてのページ共通で入れるのが一般的です。プライバシーポリシーやサイトポリシーなどへのリンクの近くに置くと、運営者の情報がまとまって見えます。
HTMLで書く場合
HTMLで書く場合は、footer の中に小さめの文字で入れます。small 要素は、著作権表記のような注記に使える要素です。
<footer>
<nav>
<a href="/privacy">プライバシーポリシー</a>
<a href="/site-policy">サイトポリシー</a>
</nav>
<p><small>© 2019-2026 株式会社やまびこ商店</small></p>
</footer>
文字を小さくしすぎたり、背景と近い色にしたりすると読みにくくなります。文字色と背景色の差(コントラスト)は、ほかの本文と同じように確保しておきましょう。
フッターの表記と、ほかのページの役割分担
著作権に関する情報は、フッターの1行だけでなく、いくつかの場所に分けて書くのが一般的です。それぞれの役割を分けておくと、フッターに長い文章を詰め込まずに済みます。
| 書く場所 | 書く内容 | 例 |
|---|---|---|
| フッター(全ページ) | だれが権利を持っているか | © 2019-2026 株式会社やまびこ商店 |
| サイトポリシーの「著作権」の項目 | 文章や写真を使いたい人へのルール(引用の条件、問い合わせ先など) | 「当サイトの文章・画像の転載を希望する場合は、お問い合わせください」 |
| 写真やイラストの近く | 他人の素材を使っている場合のクレジット | 「写真:〇〇(素材サイト名)」 |
| 免責事項のページ | 掲載情報の正確性や外部リンクについて、責任を負えない範囲 | 「リンク先の内容について、当社は責任を負いかねます」 |
フッターは「権利者を示す目印」、サイトポリシーは「使いたい人へのルール」と分けて考えると整理しやすくなります。
英語のページを作る場合
会社の英文名の書き方(Co., Ltd.、Inc.、Corp.、K.K. など)は、会社によって違います。どれが正しいということはなく、その会社が名刺や英文の会社案内で使っている英文名に合わせるのが基本です。コピーライト表記だけ「Inc.」、名刺は「Co., Ltd.」のように食い違っていると、別の会社に見えてしまうので注意しましょう。
英語のページや海外向けのサイトでは、「© 2026 Yamabiko Shoten Co., Ltd. All rights reserved.」のように、会社の正式な英文名と All rights reserved を組み合わせる書き方がよく使われます。日本語のページと英語のページで別々の表記にする場合も、年号と会社名の対応がずれないように注意しましょう。会社の英文名が定款などで決まっていない場合は、名刺や英文の会社案内で使っている表記にそろえます。
ホームページ作成サービスで入れる場合
Wix・ペライチ・STUDIO などのホームページ作成サービスでは、フッターのテキストを編集して書き換えるのが基本です。テンプレートに「© 2023 Company Name」のような仮の文字が入っている場合は、公開前に必ず自社の名前と年号に直します。サービス名や制作会社の名前が仮の表記として残ったまま公開されているサイトもよく見かけるので、公開前のチェック項目に入れておきましょう。
ホームページの公開前に確認したいほかの項目は、ホームページの品質チェックリストにまとめています。フッターに置くページの全体像は、ホームページの構成ガイドを参考にしてください。
シタミで作るサイトの著作権表示
シタミで作るホームページには、フッターに著作権表示が入ります。AIが作る文面なので、公開前に、会社名が正式な商号になっているか、年号がサイトの開設年や今年と合っているかを確認してください。
フッターの著作権表示は、ビジュアルエディタのプレビューでフッターを選ぶと、右のパネルに「著作権表示」の欄が出るので、そこで書き換えられます。書き換えた内容は、変更を公開するとサイトに反映されます。
シタミで作るサイトの画像には、素材サイトの写真やAIで作った画像が使われることがあります。自社で撮った写真に差し替えた場合は、その写真の権利がだれにあるか(社員が撮ったものか、カメラマンに依頼したものか)も、この記事の「権利者名はだれを書くか」の表で確認しておきましょう。
完成したホームページを見てから、決める
シタミなら、業種と好みを選ぶだけで、フッターの著作権表示まで入ったホームページを実物のURLで下見できます。購入するかは下見のあとで決められます。料金プランは公開しています。
公開前のコピーライト表記チェックリスト
フッターの表記を入れたら、公開前に次の項目を確認しましょう。
- ©(または Copyright)・年号・権利者名の3つがそろっている
- 権利者名は、会社なら正式な商号(株式会社などを含む)、個人事業主なら屋号か氏名になっている
- 年号は、開設年か「開設年-最新の更新年」になっている。テンプレートの仮の年号が残っていない
- テンプレートの仮の会社名(Company Name など)や、ホームページ作成サービス・制作会社の名前が残っていない
- 制作会社やフリーランスに作ってもらった部分は、契約で著作権を譲り受けているかを確認した
- 写真・イラストなどの素材は、利用規約でクレジット表記が必要なものを洗い出し、必要な表示を入れた
- すべてのページのフッターに同じ表記が出ている
- 文字が小さすぎたり、背景と近い色になったりしていない
よくある質問(FAQ)
コピーライト表記は法律で義務づけられていますか?
コピーライトの年号は毎年変えないといけませんか?
All rights reserved は書いたほうがいいですか?
© が入力できない場合は (C) と書いてもいいですか?
個人事業主は本名を書かないといけませんか?
制作会社に作ってもらったサイトに自社名で表記してもいいですか?
コピーライト表記の位置はどこがいいですか?
まとめ:3要素をそろえ、権利の持ち主と合わせる
コピーライト表記は、「©」「最初に公開した年」「権利者名」の3つをそろえれば十分です。日本では表記が無くても著作権は発生しますが、だれが権利を持っているかを閲覧者に示し、海外での扱いにも備えるために、フッターに入れておくのが一般的です。
- フッターに「© 開設年 正式な会社名(屋号)」を入れる。更新を続けるなら「開設年-今年」の範囲にする
- All rights reserved は、英語圏の慣習に合わせたい場合だけ付ける
- 制作会社に作ってもらった部分は、契約で著作権を譲り受けているかを確認し、表記と権利の持ち主をそろえる
著作権表示とあわせて、サイトの利用条件やリンクの方針をまとめたページを作るなら、サイトポリシーの書き方も参考にしてください。プライバシーポリシーは無料のプライバシーポリシー作成ツールで下書きを作れます。